↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
亡者逃走中 in 現世  作者: 安達夷三郎
第三章、第三章、宿泊学習はトラブルだらけ
PR
11/20

十一話

「晴れたね〜!」


「晴れて良かったよね〜」


バスを降りた瞬間、美穂ちゃんと顔を見合わせる。


今日は宿泊学習初日。今日から私達は都心から少し離れた別荘地で一泊二日、自然と触れ合いながら過ごす。


ほとんどの活動が雨だったら中止だから、晴れて本当に良かった。


「宿に荷物を置いたら、ここに移動するように。他の宿泊客の方もいるから迷惑かけないようになー」


先生の指示通りに荷物を宿泊施設に置いて、グループごとに別れることに。


グループは、美穂ちゃんと変成くんと三人だから、とっても心強い。


しかもこの後は謎解きラリーというイベントもあるので、仲良い人と一緒でとっても嬉しい。


スタートと共にコースに足を踏み入れ、地図とコンパスを頼りにチェックポイントまで進んでいく。


「ねぇねぇ、謎解きラリーって順位によって景品が貰えるって知ってた?」


美穂ちゃんの言葉に、目を輝かす。


「え、景品!?」


「何が貰えんの?」


「確か一位はスイーツ詰め合わせで、二位はノートと文房具、三位は駄菓子」


「え、スイーツ詰め合わせ!?」


その言葉に私が反応すると、隣にいた変成くんに笑われた。


「そんな食べてたら太るよ」


「う……」


「昨日もシュークリーム食べてなかった?」


「……あれは、宋が悪い」


昨日、泣きながら「大家にめっちゃ怒られたから、今日だけ泊めて〜」ってシュークリームを持って転がり込んできたんだよね。


「閻魔に頼んで資金援助してもらったら良いのにね」


「あれでヘタレだから、少し脅したらお金くらい出すでしょ」


しばらく歩いていると、札が目立つところに立っていた。


「最初の札見っけ!『大人も子供も脱ぐことはできるけど、着ることができないのは何?』えーっと、ヒントは……」


「答えは靴だね」


「早っ!」


「あ、そっか!靴は着るじゃなくて、履くだもんね」


変成くんは一瞬で答えを導いてしまう。


頭の回転の速さに、私と美穂ちゃんは顔を見合わせる。


「私、全然分からなかった」


「私も」


「そう?結構簡単な方じゃない?一問目だし」


なんだか一位でゴールも夢じゃないような気がしてきた。


その後も変成くんが問題を解いてしまって、お陰で私達は問題に全く苦労することなくスイスイ先に進んでしまった。


中には難しい問題もあったのに、変成くんにかかれば朝飯前という感じ。


「いやー、楓くん凄いね。何をどう食べたらそんなに頭良くなるの?」


「頭の良さは普通だと思うけど。解析力は初江王に、記憶とかは五官王に劣るし」


「初江王……五官王……?初江王はどこかで聞いたような……」


「初江王は細かい罪を裁く。亡者と一番関係があった動物が呼ばれて証言するから、嘘はつけないんだ。五官王は記録とか証拠を確認するよ」


頭を捻る美穂ちゃんに簡易的に説明すると、少しずつ理解していくように頷いた。


「なるほど……十王って大変だね!」


十王の話をしながら険しい山道を歩いていると、ゴールまであともう少しというところまで来た私達。


そこに大きな立て札が見えた。


「第十問……どうやら最終問題みたいだね」


「本当?やった!」


「えっと……『行くのに六十三日もかかってしまう場所があります。どこでしょう?』だって」


「よし、変成くんお願いします」


「お願いします」


「え、やだよ。最後くらい二人で解いてみせてよ」


「「え」」


(確かに今までクイズに参加せずに任せっきりだったけど……私頭悪いから分かんないよ!?)


「ヒントは出すよ」


二人で考え込む。


「六十三日って関係ある?」


「あるよ」


(六十三……?ろくさん、ろくじゅうさん......?)


それからヒントを何個か出してもらい、ついに美穂ちゃんがハッとした表情で手を上げる。


「六十三日……って、もしかして……九州!?」


美穂ちゃんが目を見開く。


「正解。六十三日で九週間だから、『九州』ってことだね」


「美穂ちゃん、凄い……!」


そんな美穂ちゃんの活躍もあって、私達は無事に全問題を解き終えて、一位でゴールすることができた。


「わーい、やった!スイーツゲット〜」


「やったね!」


景品である『スイーツ詰め合わせ特別引き換え券』を先生から笑顔で受け取り、私と美穂ちゃんは大喜びでハイタッチを交わした。


横では変成くんが「はいはい、おめでとう」と、どこか呆れ顔混じりの笑みを浮かべて見守っている。


謎解きラリーを終えて、各自のコテージで少し休憩を挟んだ後は、お待ちかねの夜ご飯の時間になった。


ただ、ひとつのグループだけだと人数が少なくて火起こしなどが大変なため、私達の班は隣の男子グループと合流して、『二グループでひと班』として合同で作業を進めることになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。