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初めての客2
スライム
国民的RPGでは、目と口がついているのだが
基本的にはただの流動的液体
目鼻等は無く
意識等も無いのでなかろうか
しかしタマコさんはプロであった
慣れた手付きで
スライムの体に指を突っ込み
注文を取ったのである
「六甲のおいしい◯ですね ありがとう御座います」
………
それが食堂にやってきて注文する料理なのかーーーーーーーーー
と心の中で突っ込んだのは言うまでもないだろう
俺は虚しい顔でステンレスのボールの中に500mlの六甲のおいしい◯を注ぐのであった
スライムはその体をボールに入れて
体色を変化しながら吸収するという行為を行い
満足気に150ゴールドを払って退店した
「有り難う御座いました」
タマコさんの声が虚しく聴こえる
ちなみに1ゴールドは一円であり
店頭販売価格の120円の「六甲のおいしい◯」は
店で注文するとマージンが発生して150円なのである
決してボッタクリではない
後備え付けの水やお茶等
無料で提供している
メーカー品は有料なわけだ
こんな事を述べた所で
最初の客が水だけだった肩透かし感は消えないけれどね
とりあえず初めての対戦相手はスライムでした