科学者犬頭(コボルト)氏の日々
犬頭視点です
ファンタジーの世界には科学なんて必用ないのだよ
魔術師学院の導師は鳥皮の串を魔法の杖のように振りながら力説する
ファンタジー界の異端児である科学者の犬頭の前でだ
なるほど冒険者の職業に就かなくても
職業を選ぶ時点で覚えるコモンマジックはMPを使わずに通常生活が楽になる
点灯や着火の呪文がそれである
範囲は攻撃呪文以下なので殆どの人が扱える
決して暴論ではないのである
しかし…ネギマの串を持ち犬頭は反論する
極一部ちは言えコモンマジックを行使出来ない人達も居るんです
彼らの殆どが幼児期に奴隷商に売られて人権を剥奪されるのです
だから私は ファンタジー界に科学を持ち込みたいのです
酒の席で酔いに任せて感情を爆発してしまった
鼻白んで帰ってしまった
またスポンサーを逃したのである
この店は大衆食堂招き猫
旧知のネコマタが働く店であり
ファンタジー界ではちょっとした有名店である
それ故に接待に使ったりするのだが…
「またやったーコボちゃんは熱くなりすぎるんだから お酒は控えないと駄目よ」
訳知り顔で店員に説教される
俺がどうして科学を目指したのか知りもしないで いい気なものである
つい苦虫を噛み締めた顔をしてしまい店の娘にも心配されてしまう
師なる身で不甲斐無い…
店で声を張り上げた頃を店長さんに詫びて店を後にする
確かに…研究費用を稼ぐ為に色んな仕事に手をだして
研究時間を削ってしまうのがいやで
パトロンを探したのはいいけど商売敵をパトロンにするのは
なんて滑稽な話だろう 我ながら呆れてしまう
赤提灯をくぐり
安酒を頼み今夜は酔って寝てしまおう
夢の中で幼友達の事を思う事が出来たら幸せだろうな




