少年の密やかな想い
店長目線じゃないです
何処からどう見てもおっさんである
しかし彼はまだ14になったばかりの少年なのだが
あだ名は小学校の頃から「オヤジ」
バスに乗れば大人料金を求められる
そんな可哀想な少年
彼の通ってる中学に
一大ニュースがおこった
転校生がやってきた
過疎化が進む田舎 転校する生徒は居ても
増える事はほぼ無かった
しかも美少女である
男子生徒はいろめきあった
転校初日の転校生の下駄箱は郵便ポストに変貌する程であった
彼とて姿は兎も角 御年頃だから
落ち着かない気分にはなったが 「オヤジ」と呼ばれる風貌故にアタックをかける事もなく
日常を過ごすのであった
そんな彼の所属する部活は柔道部である
大柄な体つきだったので入学当時に勧誘されたからであるが
他にする事が浮かばなかったから そのまま入部した
部員仲間の誘いで転校生の自宅に来店する
そこで彼はマドンナを初めて見るのである
魅了された
恋愛なんて無縁だった彼の初めての気持ちである
勉強も部活も手につかない そんな心持ちになってしまった
しかし彼は常識的なのでたまに部活仲間の誘いで店に通う程度の行動しか
出来なかった
ある日下校時に紛失物を拾った
落とし主は有名人である
校内で収得したので落とし物として教師預けても良かったのだが
マドンナに一目でも会える あわよくば話が出きるかもと
大衆食堂に持っていく事にした
暖簾をくぐると マドンナが笑みを浮かべて
「いらっしゃいませー」と出迎えてくれた
すいません客じゃないんです
これを届けにきたと説明して転校生を呼び出してもらった
それ以降転校生と親しく話せるようになったが
周囲からは敵視された
何しろ転校生にはなんの下心をもってないのである
普通の態度であるが故に転校生の家族にも好感を持たれた
ある意味不幸ではあるが
そんなの関係ない彼は幸運を噛み締めた
周囲より一歩リードしたからだ
しかし道は険しい




