私に起きた出来事
有美目線です
その人はお店をそろそろ閉めようって頃に現れた
「「いらっしゃいませー」」
私とタマコ姉ちゃんが御出迎えする
タマコ姉ちゃんのが少し御客様の方の立ち位置だ
タマコ姉ちゃんが固まったように動かない
店長さんがあえぐように
「お…おやじ」
空気が固まったように動かない
このまま時が過ぎて行くのかな
そんな永劫を打ち破るかのように
初老の老人が口を開いた
「やっと妻を連れ戻した」
えーーーーーーーーー
口には出さなかった
お連れの女性は妻には若すぎた
私と店長さん以上の年の差である
そしてタマコ姉ちゃんの本当の妹
話には聞いていた
私もいつか彼女さんのように誰かと結婚出来たらいいなと
そんな事を夢想しながら 彼女さんは凄く強そうなイメージをもっていた
全然そんな事はなく儚げな雰囲気を纏ってる人だった
先代店長さんに店長さんが私を紹介してくれた時に
「俺の娘だ」と言ってくれた
とても とっても嬉しかった 思わず泣いてしまった
元奴隷であった私を
笑顔を忘れた
生きる事を放棄しようとしてた私を
労働力として買ったのに
少しも働かせて貰えない
そんな私を子供だと紹介して貰えた
もう捨てられる事は無いんだろう
私はずっと店長さんの子で居られるんだ
安心してしまって
涙腺が壊れてしまった
それほど嬉しかったのに
何故か少し寂しさを感じたのは何故なんだろ
数日後
私は生活を一変させられる出来事が起こった
通ってたお店で住む事になり
なんと学校に通う事になったのだ
犬頭先生が教えてくれた内容の復習のような授業なので
授業が解らないなんて心配は一日目で解消した
下校時の一件には驚いてしまったけど
学生生活は楽しかった
部活動必須だったので
家庭科部に入ったりもした
登下校時の下駄箱には飽きる事なく
手紙が入っていて 好きだ 愛してる そんな文面が書かれている
私は その言葉の意味は理解出来るけど
良くわからない
先代店長と一緒に旅立った
妹さんの幸せそうな顔 あの顔になれればわかるのだろうか




