祝賀パーティー
「いらっしゃいませー」
タマコさんが来客を告げる
いつぞやの冒険パーティー御一行さまだ
全員が赤ら顔で既に出来上がってる
なんぞ良い事があったのだろう
今日の注文も鳥から麦酒なのだろうと準備してると
「鳥からと一番高いお酒」である
珍しい事もあるもんだ
宝箱から伝説の武器が出たそうである
盗賊が嬉しげに語っている
今日は思いっきり飲むとまで話してたが
酔ってその武器をなくさなけばよいのだが…
俺はそっと第1(現実世界)扉に臨時休業の札を掛けてくる
常連客様を大切にする店である
後はフライドポテトでもサービスしよう
ひとしきりドンチャン騒ぎをして
パーティーは退店された
閉店20分前に
第二扉が開く
「「「いらっしゃいませー」」」
有美タマコさん 俺が声を合わせてお客様に声をかける
従業員でなくとも店の子だから
挨拶だけはしっかりとさせてるのだ
客の姿を見て俺とタマコさんは固まった
親父である
頑固で俺に勝手に店を継がせて行方を眩ましてた親父と
写真でしか見た事のない義母
タマコさんの妹が そこには立っていた
「タマコ姉さん」
義母が涙声をあげる
抱き締め会う二人
美人同士は絵になるな
親父と俺は
そういうわけには行かない
「お…親父」
それ以外声にならないのだ
心配してたけど
死ぬわけはないだろうと
やはり死ななかった親父との再開
「やっと妻を連れ戻した」
それだけを言って椅子に座り込む親父
有美には伝えていたが
オロオロしてる
そりゃそうだろうな
俺は改めて有美に親父を紹介する
親父に娘の有美だと紹介したら
有美に泣かれた
タマコさんに殴られた
…痛い…
後頭部を押さえながら
第二扉営業中の札を外す
今日は このまま宴会に突入する




