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053⚫️合言葉は√(ルート)
木々の葉を揺らす風が心地いい。
公園のベンチで待ち合わせ、って本当にいいのか?
スパイ映画じゃあるまいし。
まあ、この時間にここにいれば、相手が接触してくるらしい。
俺は目立たないトレーナーにジーンズ。
「・・・ねえ」
ひとりの少年が近づいてきた。
おいおい、迷子なら他を当たってくれ。
「むかし、テラ星域にあった国に、フジという高い山があったんだって。その山麓で何が鳴いたか、おじさん、知ってる?」
むっ、少年が口にしたのは‘合言葉’。
「知ってるさ。オウムだ。じゃあ聞くが、虫はいるのか、いないのか?」
「菜に虫はいないよ。ふ〜ん。上司と飲んだ時に言いたいことはあるの?」
「もちろんあるさ。人並みにおごれや、っていつも思うな」
「で、夢はなんなの?」少年は微笑みながら言った。
夢?それは合言葉にはなかったはずだ。
「夢か。俺の夢は、平和なところでカフェをやることだな。」
「確定だね。それじゃあ、よろしく!」
「少年、お前が対象なのか?」
「少年って言うな!ボクはヒロ。ヒロ・エンユウジだ。」
こいつ、十歳にも満たないようなのに、大人ぶっているのか。
「失礼。こちらこそ、よろしく、だ。俺はヤマト・オオガミだ。おじさんと言うな。ヤマトと呼んでくれ。」




