051⚫️おもしろがっているだけだろ?
「で、部長。また俺に行けって言うんですか?」
「まあ、そういうことだな、ヤマト。お前が休暇中なのは知ってる。だが、もう後がないんだ・・・。」
いや、あんな不可能と言われたミッションを終えたばかりだぞ。
少しくらい休ませてくれても、神様だって文句言わんだろ。
「お前は若手だが、抜群の成果を出している。そこを見込んでの起用だ!」
「ベテランはどうしたんです?中堅だって山ほどいるでしょう。」
「タスケーテ宙域でも若い提督が大活躍したんだ。これからは若い感性の時代だ!」
それ、完全にこじつけだろ。
俺もその若き提督の話は聞いている。
だが、指揮官レベルは個人を特定できないように、
報道協定が結ばれているから、誰かは知らん。
英雄は民主体制には向かんということだ。
だが、その隠蔽するという発想自体が、非民主的ではないのか?
「とにかく頼む、やってくれ。命令だ、一生のお願いだ!報酬は弾む、特別ボーナスだ!何とか引き受けてくれ!」
・・・いつもの部長の泣き落としかあ。
「あーあ、もう!どこで、何をすればいいんです?」
「ありがたい!さすが私が見込んだ男だ!」
部長が小躍りしてる。
これ、また厄介な仕事だな?
ノクティス・ドミナの大攻勢に備え、
相手の武装、艦隊規模、司令官や参謀の癖や習慣・行動パターンまで集めている。
その集積結果を持ち帰る。それが今回の任務というわけだ。
しかし、暗号通信でも移送に機動艦隊でも使えばいいんじゃないの?
「下手に動けば相手に悟られる。我々がそこまで調べ上げたと、知られてはならんのだ!」
そうかなあ?
部長、絶対、面白がってるだけだろ。
第一、そんな大容量データを、どうやって厳重な検査をすり抜けて運ぶんだ?




