043⚫️ウエディング・ベルは、ちゃんと鳴るのか?
ーそうなの。気持ちは変わらないのね。
「はい。わたしはヒトにもどりたいのです。」
ーそれは、分身体をすべて統合するということよ。今の能力を維持できないわ。
「わかっています。でも・・・彼と一緒に、同じ時を歩んで行きたいのです。」
ー限りある生を、ふつうのヒトとして生きるということね。
「はい。お願いできますか。」
ーそれがあなたの真理なら。マイロードも寂しそうだったけれど。あなたの’次元断層消去’の働きはとても高く評価されていたのよ。
「過分なお言葉なれど・・・。」
ーわかったわ。力は全部じゃないけれど残る。よき人生を。彼とともに。
「ありがとうございます、レイディ・ソレイユ。」
「サラ、分析結果が出たぞ!」
「静かに!他の所員が驚いてるじゃない。で、 どうだったの?」
「それがね、全部バラバラ!一筋縄じゃいかん!」
「あなたねえ・・・つまり、わからない、ってことでしょ?」
「まあ、そうとも言えるなあ。」
「もう・・・。帰りにミルク買ってきてよね。わたし、先に戻って明日の準備しとくから。」
「わあおう!君のウエディングドレス姿、楽しみだね!」
「あなた、自分のタキシードは手配済みよね?」
「だいじょうぶさ! もうロッカーの中!ほら!・・・あれっ? サイズがちがうぞ・・・。」
サラはため息をつき、式場のコーディネーターに連絡をする。
いつもの、慣れた手際だった。
ーよき時を。空よ、雲よ、風よ。未来を祝おうではないか。




