吹き返す熱情
トレインで引き寄せられた大群の先頭のモンスターに『鏡の盾』を数発使用し、全てクリティカルジャストガードを決めた直ぐ後、白桃が前線に出向き戦闘を開始したその時。
俺は、MPの減りが無い―——全快の状態である事に気が付いた。
……ふむ、どういう事だろうか。俺の記憶だと『鏡の盾』を五発は撃った気がするんだが……
そんな事を胸中で呟きながら開いたウィンドウをそのままにし、再度『鏡の盾』を発動してみる。
すると、MPはほんの一瞬———大体0.05秒から0.21秒程度だが———低下した。が、その位の時が経過した後に、最大値まで復帰した。
なるほど。おおよその目安だが、発動してから鏡と敵が衝突するまでの間に減少し、衝突した瞬間———クリティカルジャストガードとやらを決めたのと同時に回復しているようだ。
「これは……」
―——つまりは、俺がクリティカルジャストガードを発動させればさせるほど、継戦能力が上がるって事か。
「良いじゃないか……」
思わず口角が上がる。鳥肌が立ち、胸の辺りが熱く、情熱に包まれる。息を吹き返す度に体内の熱が吐き出され、そして直ぐさま再点火する。これは……久しぶりの高揚感だ。
……幸い標的は沢山居る。それに加え速度は遅く動きも単調だ。これならミスる事は無いだろう。
「———『鏡の盾』」
『鏡の盾』のCTは1秒。そして一度の同時設置可能数は3つまで、要するに。
「『鏡の盾』『鏡の盾』『鏡の盾』『鏡の盾』『鏡の盾』『鏡の盾』『鏡の盾』『鏡の盾』『鏡の盾』『鏡の盾』『鏡の盾』『鏡の盾』『鏡の盾』『鏡の盾』『鏡の盾』『鏡の盾』『鏡の盾』『鏡の盾』『鏡の盾』『鏡の盾』———」
最速で、一分間に180枚展開することが可能だ。
【鏡魔法】の特性は”反射”。現在は相手の攻撃力の分、ダメージを”反射”ことが出来る。
とはいえここは一番最初のフィールド。相手の攻撃力も雀の涙……とまではいかないが、少なめだ。
なので、俺と比べ攻撃力が高めな、白桃の援護に回ることにする。
白桃もしっかりと敵を素早く切り捨てている。これなら問題はなさそうだ。
……最初に思っていたよりも楽勝というか何というか……
そんな、激しい戦場には似つかわしくない、体たらくな事を考えていながら、大体15分経過し敵は全滅していた。
すると、言葉が次々と脳内に直接入り込んでくる。
『———戦闘が終了しました』
『基本レベルが1→5まで上昇しました』
『ステータスポイント+20、スキルポイント+4増加しました』
『【鏡魔法Lv.1】が【鏡魔法Lv.4】まで上昇しました』
『複数の通常スキルの取得が可能になりました―——』
言葉の内容的に、しっかりと戦闘は終わったようだ。
すると、白桃から気が抜けた様な声が出る。
「ふぅ……流石に少し疲れたなぁ……」
「じゃあ一旦街に戻るか?」
「そうだね!カガミ!」
そう、互いに声を掛け合いながら街へと帰還するのであった。
次回、恐らく掲示板回。




