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厨二王女対策会議 3

タイトルだけ変更しました 本文は同じです

「姫はまだやっておるのか?」


 ここは王城の一室。窓から騎士団の訓練を見下ろしながら王様が呟いた。


「そうですね。城にいるのは男の方がはるかに多いですからね。しかしバネ(はかり)の開発が成功したので、時間が短縮できるそうです。久しぶりの役に立つ発明ですな」


 お付きの文官が説明する。


「そのバネ(はかり)とはなんだ?」


「簡単に言うと、天秤の上がり下がりを錘の代わりにバネでやって目盛りをつけた、と言った所です」


「聞いただけではよく分からんが、それは正確なのだろうな?度量衡器(どりょうこうき)の正確さは、地味ながら実に重要な国家の根幹に関わる事だぞ」


「薬や宝石ならともかく、人の体重を量るには充分かと」


「私は嬉しいですぞ!姫様が久方ぶりに役にたつ発明をしてくれたのですよ!」


 重鎮マックビスティ公爵は涙を流し感動に打ち震えていた。周りの人間は若干引き気味である。


 公爵は数年前の姫様との会話を思い出していた。


『異世界の物をそのまんまパクるって、そこで立ち止まっていたら発展はないと思うの。魔法がある世界なら、魔法の無い世界の先を行けるじゃないかしら?

 そうね。私は『ド(エラ)(もん)』になるのよ!』



「異世界語で何を言っているかは分かりませんでしたが、我が国の言葉に翻訳すると『ド(エラ)(もん)』になるようですな。

 あぁ見えて姫様は幼い頃から真面目に誠実に国家のために尽くそうとしているのですぞ。『ド(エラ)(もん)』になって我が国を発展させると、この老体に約束してくださいました」


 魔法至上主義者で無魔法世界・無魔法文明に偏見のある公爵は、姫の言葉が『魔法世界は無魔法世界より優れている宣言』に聞こえていた。本当は単に『もっと面白い物が作れるんじゃね?」と言いたかっただけなのだが。

 ともかく、お構いなしに目をつぶり拳を握り滂沱の涙を流す公爵の姿に、周りは本格的にドン引きになってしまった。



「で?今は何をやっているのだ?」


「何やら、グループ分けして、それぞれに違うやり方の運動をさせて筋肉の付き方のデータを取るらしいです」


 姫様自ら前に出てなにやら号令をかけている。

 例によって「私も検査に立ち会う」とわがままを言い、例によって「「「「それだけは!!」」」」と止められた結果だ。


「ご婦人の体系を美しくする研究ではなかったのか?」


「男の方が筋肉が付きやすいので経過観察しやすいようです」


「良いではないですか。男女平等ですよ。"ふくりこうせい”の一環ですし」


 平等主義者のトトギス先生は嬉しそうだ。


「騎士だけでなく、文官も集められているようだが?」


「城内の男は全員強制参加です。もともと筋肉があるより、少ない所から増やしていくのが研究になると」


「運動不足の解消にはなるかな。本業に支障がない程度にしておけ。

 ところで、あの乗っている鉄の台はなんだ?」


「朝礼台と言うらしいですね」


「あの革製の大きな角笛みたい物は?」


「メガホンですね。声を大きくする道具です」


「………無理に『ド(エラ)(もん)』とやらを目指さなくても、異世界の物そのまんまを作った方がいいのではないか?」


 国王の一言で全員が頭を抱えてしまった。



 この研究は後に(この)世界初の美容体操として広まる事になるのだが、それはまた別の話。




異世界語の「ド偉い者」ってなんですかね?どう日本語に訳したらいいか、さっぱり分かりませんわw


それはともかく

お読みいただきありがとうございました。

ついでにブクマ、高評価、感想などを頂きますと喜ぶヤツがいますんで、よろしくお願いします。


「おお、そらワシや」でした

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