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あなたに全てを捧げてきたけれど…これからは自分の為に生きます  作者: Karamimi


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第45話:お披露目の日が決まりました

「まあまあルーカス、落ち着きなさい。アマリリスの言う通り、サリーは少し体を動かした方がいいと、医者にも言われていてね。これからは少しずつ、外にも出していこうと考えているのだよ。


 それでだな、3ヶ月後にはサリーの16歳の誕生日もあるし、そのタイミングでサリーのお披露目をしようと考えているんだ」


「3ヶ月後だって?いくら何でも、急すぎるでしょう。ただの夜会ではなく、サリーの大切なお披露目ですよ。時間をかけて、しっかり準備をしないと」


 確かに通常大掛かりな夜会は、半年以上前から準備をする事も多い。これでも私は、公爵令嬢だ。お披露目となれば、大掛かりな夜会になるだろう。今から急いで招待客をピックアップして招待状を準備しても、2週間程度時間を要する。


 すぐに返事をもらえればいいが、そうでない場合も多い。最悪全ての参加者が分かるまで、1ヶ月以上かかる事も、珍しくはないのだ。


 その後参加者の人数に合わせて準備を行うため、とても今からでは間に合わない気がするのだが…


「実はだな、3ヶ月くらい前から準備をしていて。既に招待状も出してある。ただ、サリーの魔力がまだ完全に回復した訳ではなかったら、どのタイミングで話そうか悩んでいたのだよ。


 とはいえ、いつまでも話さない訳にはいかないからね。お披露目の準備は、着々と進んでいるから、安心してくれ」


 叔父様が満面の笑みで、ガッツボーズをしている。3ヶ月前と言えば、ちょうどルーカス様の魔力も安定し、私の意識も戻った頃だろう。きっともう、私もルーカス様も大丈夫と判断し、そのタイミングで人知れず準備を始めてくれていた様だ。


「叔父上、何を満足そうな顔をしているのですか!サリーはまだ、魔力が万全ではないのですよ。それなのに、3ヶ月後にお披露目だなんて」


「ルーカス、落ち着いてくれ。我が家はマレリス王国でも3本の指に入るほどの大貴族だ。早急にサリーのお披露目をする必要があったのだよ。これでも随分と、引き伸ばした方なのだぞ」


「それは十分わかっています。ですが、まずはサリーの体調を一番に考えるべきです。サリーだって、急にお披露目に参加しろと言われても、混乱するでしょう」


 確かにまだ魔力は安定していないが、3ヶ月もあれば十分戻ると思う。それに、今まではもっとひどい状況でも、お茶会や夜会に参加していたし。


「ルーカス様、私の事を気遣って下さり、ありがとうございます。ですが私は元々公爵令嬢です。この様な夜会の場は、慣れております。それに公爵家に養子に来た時点で、お披露目は避けて通れない道だという事は、分かっておりました。


 これでも私は、王太子殿下の婚約者候補として恥ずかしくない様、マナーなどは体に叩き込まれてきましたので、どうかご安心を。少なくとも、公爵家に泥を塗る様な事は致しませんので。


 何よりも、お披露目をする事で、私がこの家の一員だという事を、他の貴族の方たちから認識して頂けることが、嬉しいのです。当日は、サリー・グラッサムとして、堂々とお披露目に参加させていただきますわ」


 あまり人づきあいは得意ではないが、愛想笑いなら得意だ。これでやっと、グラッサム家の一員として、他の貴族の方たちにも認識してもらえる。叔父様や叔母様の顔をつぶさないように、しっかり頑張らないと。


 念のため、明日からまたマナーやダンスレッスンのおさらいをしないと。このお屋敷に来てから、随分と堕落した生活を送っていた。


「サリーがそういうのなら、分かりました。サリー、僕がしっかりと君をサポートするから、どうか安心して。君を傷つける奴は、誰であろうと僕が退治してあげるから」


「それは心強いですわ。私も皆様のお顔を潰さない様に、精一杯務めさせていただきます」


「そんなに張り切らなくてもいいのよ。ここの国の人たちは、ミレンズ王国の貴族に比べると比較的フレンドリーな人が多いから、きっとすぐに友人も出来るわ。


 あなたは私に似てとても綺麗だから、きっと令息にも囲まれるわよ。さて、サリーはどんな殿方を好きになるのかしらね。楽しみだわ」


「叔母様、一体何を…」


「叔母上、サリーをからかうのはお止め下さい。サリー、令嬢はともかく、令息にはあまり近づかない方がいい。あいつらは非常にどう猛で、危険なんだ。やはりお披露目なんて危険な事を…」


「ルーカス、落ち着きなさい。アマリリスも、あまりルーカスをあおるような事を言うのは止めなさい。サリー、あまり深く考えずに、気軽に参加してくれたらいいからね」


「お言葉ですが叔父上、我が家はこの国でもかなり力を持った貴族です。我が家に取り入ろうと、純粋で優しいサリーに目を付ける不届き者がいるかもしれません。とにかく、当日は僕がずっと傍にいるから、安心してくれ」


 なぜか必死に訴えかけるルーカス様。


 叔父様と叔母様の方を見ると、苦笑いをしていた。とはいえ、きっとルーカス様なりに、私の事を心配してくれているのだろう。


「ありがとうございます、当日はよろしくお願いしますわ」


 何はともあれ、いよいよ私のお披露目が行われる。当日は恥をかかない様にしないと。

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