ep.2 『野生の熊との対決』
こんな夢を見ました……
ある日の晩、兄が翌朝から草野球の試合があるので、荷物を車まで運ぶ。それを手伝う私。
坂道の多い土地で、駐車場までは坂と階段を下っていく。山に囲まれているので、夜は暗く静かだ。
兄はクーラーボックス等、私は大きなスポーツバッグ、そしてグローブにバットをさしてカツオ君スタイルで、歩いて4、5分ほどの駐車場ヘ向かう。
途中、坂道にカーブがあり、少しひらけている場所がある。そこに民家があり広い庭があった。その民家の庭に熊がいた…… …………熊?
──く、く、く、くま!!!
一瞬、でかい犬かと思ったけど、頭がでかい! 二本足で立ってる!
そして、なんと野生の熊はこちらの存在を、はっきりとらえている。
兄とアイコンタクトをとる。
走って逃げるのは良くないと、聞いた事がある。目を逸らさずに、後退りする兄と私。
熊は二本足で立って、フラフラ体を揺らしている。興奮しているようには見えない。
このまま、ゆっくり…… ゆっくり…………
と、その時!! 熊は四つん這いになって頭を低くした!
──やばい! やばい!
兄が、私から離れる方向に走り出した!
「兄ちゃん! 犠牲になるつもりか!!」
熊は前足で地面を力強く叩き、犬みたいに走り出す! 物凄いスピードだ! あっという間に兄に追いつき、両手をあげて襲いかかる!
兄はかろうじて攻撃をかわすが、転倒する!
私は叫ぶ、
「逃げて! はやく! 逃げ……」
──………… ……?
あら……? なんか、夢…… っぽくね……
生身の兄は、なぜか熊と対等に揉みあっている……
互角にモミモミと揉み合っている。
そこで目が覚めた……
汗だくで心臓バクバクで「ハッ」とか、「うわぁー」とかじゃなく、ヌルッと目が覚めた…… ヌルぅっと。
しかし私の闘いは、ここから始まる!
夢? 目が覚めた?
知らん、知らん! 関係ない!
私は目を覚ましたのに、真剣に熊と戦おうとしている!
──さぁ、どうする
警察を呼ぶ? 間に合わん!
まずはバッグを投げつけるか? いや、そんな攻撃が効くはずない! 熊を怒らせるだけだ。
バットで殴るか?
普通の人間が、全力で生き物を殴れるか? いやいや、相手は本気だから、こちらも躊躇してはダメだ! ましてや兄が襲われている。
フルスウィング出来たとしても、はたして効くのか? 熊に? 人間のパワーで?
考えてる暇はない! はやく兄を助けなくては!
兄と熊は、まだ対等にもみ合ってくれている…… ということにして、作戦を描く。
①バッグを投げて、熊の気を引く
②フルスウィングで熊の足の指を叩き潰す
③痛がる熊の背後に回り込み、首を締め上げる
④熊は「ごんなさい」と逃げていく
よし! 完璧だ!!
ふと、我に返る……
……なんの時間だよ!
寝よ 寝よ
おしまい 原口 モ でした。




