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性的情報漏洩  作者: みぎゃー


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ケース1:くすぐりフェチ

挿絵(By みてみん)


「また個人情報が漏れたんだってさ。」


「えー、今年で何回目だよ。」


「けどさ、具体的には何が漏れたんだろうね?」


「そりゃまぁ、アレだろ…住所とか名前とか。」


「そんなの漏れてもぶっちゃけ、大した事無くない?」


「いやいや、誰かも知らない赤の他人に住所とか名前がバレてるの、

 何か気分悪いだろ?」


このようにして人々は、情報漏洩の恐怖に脅えつつもどこか少し、

住所や名前くらいならバレても影響があまり無いのでは、と考えていた。

しかしそうした裏で、実はとてもセンシティブな情報が漏れていた。


そう、お気づきの通り【性癖】である。


しかし、何でもない個人の性癖がバレる事でどのような不利益があるのか。

今回はその実例を追って行きたいと思う。


【ケース1:くすぐりフェチの吉田さん】


吉田武53歳、妻子有り。

彼はある地方都市の分譲マンションで暮らしている。


彼の性癖は『くすぐりフェチ』である。

抵抗出来ない状態に固定されて、漏らすまでくすぐられる。

それが彼にとっての命よりも大切なフェチズムだった。


その日も彼は地方都市の中心街にあるオフィスまで出勤し、

いつも通り始業準備をしていた。


そんな朝に、社内一斉送信メールで彼の性癖暴露が行われた。


それは彼がデリヘルのロールプレイ希望用紙に書いた、

非常に細かな質問であった。


彼は妻子のある身でありながらも、会社のマドンナである

22歳の永田栄子に恋をしていた。


いや、恋などと生ぬるいものでは無かった。

それは永田に服をひん剥かれて、全身をくすぐられたい、

出来れば漏らしてもやめずにそのまま、気絶するまでやって欲しい。

彼のそんな願望が全て記載されていたのだった。


「え、嘘でしょ…永田さん似の嬢を希望って…コレ、私のこと?」


性癖情報開示メールを見て、永田は愕然とした。


「無理…漏らして気絶するまでくすぐりとか…吉田さん、

 奥さんとお子さんもいるのに私の事そんな風に見てたなんて…。」


しかし、自らの性癖が情報漏洩していると知らない吉田は

永田に朝の挨拶を交わしてしまう。


「あ、永田さん。おはようございます。

 また昨日も外食チェーンの情報漏洩がニュースやってましたね。

 永田さん可愛いんですから、個人情報狙われてますよ。

 気を付けて下さいね。」


これまでは、こうした軽口も単に吉田のキャラクターだと思われていた。

しかしその裏にある感情・性癖を理解した永田には違って思えた。


「え?えぇ、あぁ…そうですね。

 くすぐったりとか、ヤバいですからね。」


この時、永田は『しまった!』と思った。

頭の中でずっと「くすぐり」の単語がリフレインされてしまい、

つい単語が口をついてしまったのだった。


「え、くすぐったり?」


「あ、え、いや、何かこう、私の好きなアイドルが、

 くすぐりフェチだって情報漏洩していたんです。」


苦しい言い訳だった。

しかし、まさか自分の性癖が情報漏洩しているとも知らない吉田は

それをそのままの情報として鵜呑みにした。


「へぇ、永田さんがファンになるくらいだから

 カッコ良いイケメンのアイドルなんだよね?

 それがくすぐりフェチだなんて、残念だね、ハハハ…。」


吉田の声はどこか力無げだった。当然である。

くすぐりフェチは自らの性癖だ。


「あ、いや、別にくすぐりフェチがどうってワケじゃなくて…」


ここで永田も、あまりに吉田を意識し過ぎてしまい、

バレまいとフォローをしたつもりでいた。

しかしこの発言により吉田は『永田=くすぐりフェチ許容派』

というレッテルを勝手に張ってしまう。


「そ、そうか、まぁ確かにくすぐりフェチって別に

 そんなに気持ち悪くは無いよね、アハハ…。」


話の流れで吉田は、自らのフェチについて擁護するような

格好になってしまい気まずかった。

とは言え、永田には自らの性癖がバレていない前提だからこそ、

それほどまでには意識せずにこの場を切り抜けられそうだった。


しかし、そこに別の社員達、同僚の塚田と佐藤が吉田を見て言った。


「あ、吉田さん。今社内に吉田さんがくすぐりフェチだって

 性癖の情報漏洩しちゃってますよ。」


「【超重要!】なんてタイトルに付いてたから、

 皆もう見ちゃったんじゃないかな。

 てかアレ、永田さんに似た嬢を指名とかハンパねぇっスね!(笑)」


「え…?」


ここで吉田は、驚きつつもふと考えた。

永田はいつもどの社員よりも早くに出勤してメールチェックを欠かせない。

と言う事は、既にそのメールを見てしまったのでは無いか…。


「あ、あの、私今日の会議資料作らないとだから、失礼しますね。


そう言うと、永田はそそくさとその場を去ってしまった。


1人その場に残された吉田は顔面蒼白になりながら、

様々な思いが頭の中を逡巡した。


永田は知っていたのでは無いか、いや絶対にそうだ。

そもそもアイドルのくすぐりフェチ情報の漏出など、

朝イチの会話にしてはおかしい。

と言う事はやはり、もう永田には全てがバレてしまっていた。

その上で普段通りの挨拶を交わしてしまった…。


吉田は、全ての社員達に自らの性癖がバレた事よりも

永田1人にバレてしまった事の方がショックだった。

そしてあの微妙な反応、永田は絶対にくすぐりフェチを

気持ち悪いと思っている。

更には自身がデリヘルでわざわざ永田似の嬢を指名した事まで

知られている…。吉田は生きた心地がしなかった。

穴があるなら入りたかった。いや、永田の穴に入りたかった。

永田の穴の中で永遠に閉じ込められて、

そこで永遠に泣いても喚いてもくすぐり続けられたかった。


「いっそもう、くすぐってー!!」


朝の会社の廊下で、吉田は壊れてしまった。

近くに居た女子社員達がビクッと驚き、そして噂話をコソコソと始めた。


「あら、くすぐりフェチの吉田さんだわ…。」


「デリヘルで永田ちゃんに似た嬢を指名したって言うね。

 堅物だと思ってたけど…本当はふにゃふにゃに溶けるまで

 永田ちゃんにイジめて欲しかったのね。気持ち悪いわぁ。」


吉田はもう、この会社に居場所は無いと感じた。


辞めよう。そう思った。


しかし、辞めるにしてもどうせなら最後にワンチャンス、賭けてみよう。

そうも思った。


吉田はそのままオフィスの中に入り、永田の席までズカズカと歩いた。

そして、とんでもない事を口走ったのである。


「な、永田さん、僕をくすぐって下さい!」


オフィス内が騒然とした。


突然の申し出に戸惑う永田。

しかし、そこで同僚の塚田や佐藤達をはじめとする刺激に飢えた者達から

囃し立てる声が聞こえた。


「お、良いじゃん〜。

 永田さん、吉田さんをくすぐっちゃえよ〜、

 泣き叫んでも漏らしても止めちゃいけないんだろ、確か。

 やっちゃえやっちゃえ。これまで永田さんの事をそういう目で見てた

 吉田さんに、お仕置きしちゃえ〜!!」


オフィス内は異様な熱気に包まれた。

皆、永田がくすぐる事を当然の流れのように囃し立てた。

永田は戸惑いながらも同調圧力に逆らえず、

そして何よりこれまで自分の事をそのような目で見て来ていた事への

報復の感情から、吉田の体を背後からガシッと固定した。


「あ〜もう気持ち悪い、変態オヤジ…。

 ずっと私にこうされたかったんですか?」


そう言うと永田は、吉田の脇腹を繊細で長い指で意地悪く絶妙な力加減で

くすぐり始めた。


「ほら、ずっとこうされたかったんでしょ?

 この変態くすぐりマゾ野郎!」


永田の口からは、吉田に対する長年の信頼の裏返しの感情が爆発していた。


吉田の口から、無様な喘ぎ声が漏れる。


「あひゃ!!…ひゃひゃ…ごめ…ごめんなさいっ!!あひっ!!」


吉田はくすぐりに対して非常に敏感で、

その反応は面白いくらいに即座に彼の性癖を裏付けるものだった。


すぐにオフィス中からニヤニヤとした笑いと嘲笑が聞こえて来た。


「やっぱり、本当だったんだ。」


「嫌なら普通、抵抗するよね。」


「むしろ逆に快感で恍惚の表情してるじゃん、キモ。」


もはや針のむしろ。

吉田はオフィス内のあらゆる罵詈雑言を一身に浴びる

マゾヒーローになってしまった。


「それじゃあ次は激しくしてあげますよ!」


永田もノッて来たのか、緩急付けた指遣いですぐに吉田の心をへし折った。

吉田は既に喘ぎながら腰をヘコヘコさせて、

もはや社会人としてのプライドを綺麗に脱ぎ去っていた。


「うぅ…、で…出る、出ちゃう〜…!!」


早々に敗北宣言。何とも情けない、弱過ぎる幕引きである。

その申し出に永田は、心底バカにしきった感情で答えた。


「ハァ?弱過ぎるでしょ。

 まだくすぐり始めたばかりなのにもう漏らすとか、

 赤ちゃん以下じゃん(笑)」


「ち、違うんです…大きい方…大きい方が漏れちゃうぅ〜…!!」


そのとんでもない申し出に、オフィス内が更にざわ付いた。


「え、大きい方って?」


「いや、そりゃう◯こでしょ…。」


「え、嘘でしょ?

 いくら何でもまだくすぐられ始めて1分くらいでう◯こ漏らす?」


「犬が嬉しくておしっこする嬉ションってあるけど、

 アレの大便バージョンって感じ?

 嬉便、みたいな(笑)」


嘲笑、驚き、侮蔑、戸惑い。

オフィス内に様々な思いが渦巻いた。

とうの永田本人は、もはや今ここで完膚なきまでに

吉田を懲らしめてやろうと言う思いに駆られていた。


「ハァ?いやいや、良い年したおっさんが少しくすぐられただけで

 嬉便とか情けなさ過ぎるでしょ。さすがに大げさが過ぎるから、

 追加で更にキツいお仕置きしてあげるね。」


そう言うと永田は、壊れかけてもう捨てようと思っていた

足ツボマッサージ機を吉田の足元に置いた。


「これ、壊れかけててもういらないからアンタにあげるよ。嬉しいでしょ?  

 アタシが使い古したマッサージ機。ストッキングの汗も吸ってて、

 アタシの匂いするかもよ。」


そう言うと設定を最弱にして吉田の足裏にマッサージをさせ始めた。


機械は壊れかけており、上手くマッサージをしてくれない。

しかしそれが逆にもどかしく弱々しい、

まるでくすぐりのような力加減を再現していた。


「あ、ダメ、本当に漏れちゃう…アヒッ!?」


吉田の表情が恍惚から瞬時に困惑に変わる。

瞬間、辺りに異様な匂いが漂い始める。


「うわ、何コレ…え、もしかして、おなら?」


辺り一面に強烈な便臭が漂い始めた。

吉田の喘ぎ声が悲鳴に変わる。


「あ"、もうダメ…あ"ぁヒィ〜!!!!」


次の瞬間、吉田の尻から元気にモリモリと大量の恥便が漏れ始める。


━モリュモリュリュ…ニチニチッ━


それは強烈な腐臭を放ち、即座にオフィス中の人間達が席を離れ始める。


「ヤバい、本当に出しやがった!!」


誰かにより、消防の警報器が押された。

無機質な警報アナウンスが社内に流れる。


『ウゥ〜、火事です、火事です。

 焦らず、急かさず、落ち着いて避難を始めて下さい。』


その瞬間、廊下には他部署の社員達も危険を察知して

ワラワラと出て来てしまう。


「火事はどこだ!?」


「あ、いえ、違うんです。実は…」


こうして吉田の粗相は社内中に知れ渡り、すぐに上司との面談となった。



〜懲罰室〜


「おい吉田、一体何故なんだ?

 勤務態度は真面目だったお前が、何でこんな事を…。」


「情報漏洩…いえ、性癖情報漏洩が悪いんです。」


「精液情報漏洩?」


「あ、いえ、性癖情報漏洩です。

 いい加減、耳鼻科行って下さいよ、所長。」


「あぁ、すまんな。

 あまりにも聞き慣れない単語だったから。」


「一体何者かはわかりませんが、私のデリヘルでの希望プレイシートが

 情報漏洩したんです…。」


「それはおかしいだろ。

 デリヘルなんかで情報漏洩するはずが無いだろ。」


「そうですよねぇ。

 私も受付スタッフには偽名を伝えましたし、

 会社名を自慢したのも嬢にだけですし。」


「ちょっと待て、お前嬢に会社名をバラしたのか?」


「え?えぇ、まぁ。

 あんな素晴らしいプレイをしてくれる子に悪い子なんていませんよ。」


「お前…。」


吉田はデリヘル時も、くすぐりプレイの結果脱糞していた。

しかも下痢便であった事から、

近くにあった嬢のスマホにも飛び散りかかってしまった。

充電端子内に水溶性の便が入り込みスマホは廃棄。

それに怒った嬢が黒服を通じて

裏社会から社内アドレス帳を入手しての犯行だった。


時に性癖は、あまりに手が付けられない過激なものになりがちだ。

そしてそんな性癖が公然と知られてしまったら…。

吉田はこの後海外に渡り、くすぐり刑のある国で万引きして捕まり、

くすぐりにより絶命した。

果たして彼の人生は幸せに満ちたものだったのだろうか?

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