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第10章養老渓谷と、“流れる幸福”
第10章養老渓谷と、“流れる幸福”
千葉県大多喜町、養老渓谷。
山あいを流れる清らかな水、渓谷の緑に包まれた静けさ。時間がゆっくりと流れるこの場所に立つと、世界が穏やかに呼吸しているように感じられる。
私は渓谷沿いの小道を歩きながら思った。
「幸福とは、流れるものなのかもしれない」
人間はつい、幸福を"掴む"ものと考えがちだ。しかし、この渓谷の流れのように、それはただ"受け止める"ものであるべきなのではないだろうか。
幸福は水の流れのように、絶えず変化しながら私たちの人生をめぐっている。
時には勢いよく流れ、時には静かに佇む。その瞬間に身を委ねることができたとき、人はもっと自由に生きられるのかもしれない。
私は渓流の音を聞きながら、自分の人生を振り返る。
「流れに逆らわないことで、人生はもっと楽になるのではないか」
過去を手放し、未来を恐れず、ただ今この瞬間を大切にすること。それが、幸福のカギなのではないか。
養老渓谷の水は、何も言わずにただそこにあり、静かに流れ続けていた。
私は深呼吸をし、澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込んだ。
「今日も、流れに乗って歩いていこう」
そう思いながら、静かに渓谷をあとにする。




