デートと討伐と邂逅――6
ジェインに到着してから三日後。ようやく運行が復旧した魔導機関車に乗り、俺たちはパンデムを目指していた。
俺たちはボックス席と呼ばれる席に座っていた。俺の左にセシリア、正面にティファニーという構図だ。
「パンデムに着いたら、どうやって顕魔兵装を探しましょうか?」
車窓の景色が移りゆくなか、セシリアが話を切り出す。
「顕魔兵装がパンデムにあるのはわかっていますけど、パンデムは決して狭くありません。見つけるのは容易ではないと思うのですが……」
「それなら大丈夫!」
セシリアの懸念を吹き飛ばすように、ティファニーが、ドン! と胸を叩いた。
「『ピースメーカー』に協力を要請しているからね!」
「ピースメーカー?」
「パンデムで活動している自警団だよ」
首を傾げるセシリアに答え、ティファニーが説明をはじめる。
「パンデムに犯罪組織が巣くってるのは知ってるよね? その犯罪組織から民衆を守るため、パンデムには三つの自警団が存在するんだ」
ティファニーが右手の指を三本立てた。
「ひとつは『ホワイトガード』。ひとつは『ジャスティス』。そしてもうひとつが『ピースメーカー』」
ティファニーが続ける。
「ジェインに滞在してるあいだに連絡をとってみたら、『ある犯罪組織が謎の兵器を入手した』ってピースメーカーが教えてくれてね。わたしたちと利害が一致してたから、合同捜査を提案したんだ」
「合同捜査となると、『魔の血統』や顕魔兵装のことを明かさねばならないと思うのだが、平気なのか?」
尋ねると、ティファニーが「はい」と首肯した。
「スキール様から許可を得てます。『ピースメーカーなら信用できる』って言ってましたから、大丈夫ですよ」
「ふむ。ならば決まりだな」
俺たち三人は頷き合う。
「顕魔兵装の捜索はピースメーカーとともに行う。パンデムに到着したら、まずはピースメーカーのもとを訪ねよう」




