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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、娘2人ともっふるで挑む最強Fランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第八章 温泉編〜湯けむりの中で無自覚無双!? 癒やしの源泉が聖域化(!?)〜

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第81話 え、パパが勇者!? 森の奥で五メートルの巨獣と密談!? 百匹の猿に包囲されて絶体絶命かと思いきや大歓声ー!?

温泉宿の廊下に、場違いなほど明るい声が響いた。


亮「よーし! お猿さんとお話しだー!」


あんな「パパ、正気? 相手は動物だよ? どうやって言葉を交わすつもり?」


亮「言葉はなくても、気持ちが通じれば大丈夫さ。ほら、もっふるとだって仲良しだろ?」


あんな「それはもっふるが特別なの! 」


みゆ「理解不能。でもそれがパパ」


ベアトリス「さすがでございますわ!魂の共鳴ですわね!」


もっふる「ピィー♪」


あんな「で、とりあえず何するの?説得? それとも餌付け?」


亮「温泉に入る!」


あんなとみゆが、同時に顔を見合わせた。


あんな「……え?」


みゆ「……意味不明。思考停止」


亮は鼻歌まじりに宿の浴場へと向かった。

湯船に浸かると、そこにはすでに十数匹の猿が、人間と同じように肩まで浸かって寛いでいる。

亮はその中心にどっかりと座り、隣にいた小猿の頭を優しく撫でた。


亮「お猿さん、なんで温泉に来るんだ?」


猿「キィ、キィ、キィー!」


猿「ウキー、キィ!」


亮「うーん、何言ってるか分からん!」


だが、一匹の年老いた猿が亮の正面に立ち、その長い腕で窓の向こう、鬱蒼と茂る森の深部を指差した。


猿「キィ、キ、キィー!」


亮「お! なんか知らないが、あっちに何かあるんだな!」


猿「キィー!」


亮「よし、待ってろ!」


湯から飛び出した亮は、濡れた体のまま着替えを済ませ、部屋へと駆け込んだ。


あんな「パパ、出かけるの?」


亮「おぉー、お猿さんとな!」


あんな「え? お猿さん?」


みゆ「……異常事態」


もっふる「ピィー?」


あんな「もう、着いていくよ」


みゆ「ですね」


ベアトリス「なら、私もですわ!」


もっふる「ピィー!」


玄関を出ると、

猿が二匹、まるで案内役のように待っていた。


猿「キィー!」


亮「こっちだな!」


二匹の猿が歩き出す。亮がその後ろを迷いなくついていく。

神崎家はそれぞれ顔を見合わせながら、最後尾を歩いた。

森へ足を踏み入れると、その異様さはさらに増した。

木々の枝、岩の陰、道端。至る所に猿が静かに佇んでいる。


あんな「……ねぇ、お猿さんの数、さっきより増えてない? 完全に囲まれてるんだけど」


亮「こんなにたくさんいたんだなー! 歓迎されてるみたいで嬉しいぞ」


あんな「パパ、本当に大丈夫なの?」


亮「大丈夫だよー!」


みゆ「……現在の平穏が維持される確率、わずか5%。あとの95%はパパ特有の『結果オーライ』に依存」


ベアトリス「さすがですわ!」


もっふる「ピィー!」


森の奥に、巨大な岩山がそびえていた。

その上に――

身長五メートル級の巨猿が、どっしりと腰を下ろしていた。


亮「おおー、デカい! あれがお前たちのボスか? 案内ありがとう♪」


みゆ「……鑑定。グラニット・コング。Bランク。知性あり」


あんな「ちょっと待って、あれを相手に『話せばわかる』なんて本気で言ってるの?」


ベアトリス「心配ご無用ですわ! 私がまとめて倒して差し上げますわ!」


亮「いや、話せば分かる。今でも攻撃してこないのが証拠だよ」


みゆ「……戦闘意思なし。パパを見てる感じも、敵意じゃない」


あんな「……じゃあ、見守るしかないか」


そう言って、亮は岩山を登り始めた。

周囲の猿たちが道を開ける中、ボス猿の隣に友人のように腰を下ろした。

しばらく、二者は黙ったままだった。

風が吹いて、木々がざわめく。

その時、岩の隙間から、怪我をした一匹の子猿がひょこっと顔を出した。


亮「そっかー……お猿さんも温泉に入って、怪我を治したいのかー」


気づけば、岩山の周りは猿だらけ。

数十匹、いや百匹はいる。


亮「これだけの数のお猿さんを束ねるボスはすごいな!みんなのこと、ちゃんと見てるんだな」


ボス猿「ウホ!」


ボス猿はゆっくりと、枯れ果てた大地の一角を指差した。

そこには、かつては滾々と湯が湧き出ていたであろう、岩風呂の跡地があった。


みゆ「……推定。この村に温泉を掘り当てた際、水脈が移動。その影響でこちらの源泉が完全に遮断された可能性大」


亮「そっか! 俺の責任だな。村に温泉ができたせいで、ここの温泉が枯れてしまったんだな!」


ボス猿「ウホォォォォォ!!」


その叫びは、

怒りでも威嚇でもなく――

悲しみと訴えの混じった声だった。


亮「よし! 安心しろ! もう一回、この山にも温泉、作ってやるからな!」


ボス猿「ウホォォォォォ!!」


その声に、森中の猿たちが一斉に叫び返した。


ウキーーー!!


キィーーー!!


ウホーーー!!


亮の言葉に応えるように、森全体が揺れるほどの歓声が上がった。


あんな「……パパ、本当に話通じてるの?」


みゆ「……解析不能。でも……通じてる、としか思えない」


ベアトリス「さすがパパですわ!」


もっふる「ピィー♪」


こうして――

亮の無鉄砲な優しさが、ボス猿との間に言葉なき約束を生んだ。

温泉を失った猿たちのために、種族を越えた空前絶後の大工事に、

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)の、

名のもとに、今まさに幕を開けようとしていた――。

前代未聞の「大名行列」が森を練り歩く!? なんと、亮の適当すぎるダウジング(?)が、枯れた源泉を奇跡的に呼び覚ました!

猿たちの狂喜乱舞が響き渡る中、パパがボス猿に担ぎ上げられ「猿の王」に即位!?


次回、第83話 え、パパが勇者!? 娘たちの超高度な水脈調整をスルー!? 結局『ただの温泉好き』で押し通す無自覚無双ー!?

家族全員が岩山の頂へ! 異種族間のわだかまりを溶かす、パパの規格外な交渉術(?)が炸裂する!


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