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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、娘2人ともっふるで挑む最強Fランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第三章 迷宮編~家族で挑む、仕掛けだらけの地下世界⁉~

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第35話 え、パパが勇者!?  一匹で灼熱!? 属性の天秤ー!? 赤と青のパズル攻略でパパ、異常気象を呼ぶ

第七階層


足を踏み入れた瞬間、景色が一変した。

広い空間の床一面に、赤と青、二色のスライムが、見渡す限りぴょんぴょんと跳ねている。


亮「またスライム!? 本当にスライムダンジョンなんだな!」


あんな「パパ、本当にスライム好きなんだね」


亮「いや、スライムってテンション上がるだろ? こういう“RPG感”!」 


あんな「それにしても、スライムの数が多い」


みゆ「赤と青。何かある。注意!」


亮「よーし、まずは赤からだ!」


あんな「パパー! 注意と言ってるのにー」


亮は勢いよく剣を構え、近くの赤いスライムを斬り払った。


ズバッ。


赤いスライムが光の粒になって消える。


その瞬間――


ゴォォォォォッ!


部屋の温度が一気に跳ね上がった。

肌がじりっと焼けるような熱気が押し寄せる。


亮「あぢぃぃぃぃ! サウナ!? ここ火口の中!?」


あんな「ちょっとパパ! 前髪チリチリになるー!」


みゆ「……鑑定」


みゆの瞳が淡く光る。


みゆ「“属性の天秤”。赤と青のスライムを均等に倒さないと、温度が極端に傾く。赤を倒すと灼熱、青を倒すと極寒」


あんな「やっぱりパパが原因だよー!」 


みゆ「……想定内」


あんな「パパ、次は青倒して! バランス取らないと!」


亮「おぉー任せろ!」


亮は青いスライムに向かって剣を振り下ろす。


ズバッ。


青スライムが消えた瞬間、今度は冷たい風が吹き抜けた。


ヒュウゥゥゥ……。


あんな「戻った! 快適温度!」


亮「ふぅ、良かったぁ……」


みゆ「赤一、青一。バランス必須︎⁉」


もっふる「ピィ♪」


亮「よーし、もっと涼しくしてあげよう! おかわりだ!」


亮は勢いよく、さらに青スライムを斬り伏せた。


パキパキパキッ……!


あんな「えっ、ちょ、パパ待って!?」


亮「え? ……あ、れ?」


一瞬で部屋の壁が白く凍りつき、吐く息が真っ白どころか、まつ毛まで凍り始める。


亮「ふ、ふ、ふえぇぇぇ! 寒い! 鼻水が凍るーー!」


あんな「涼しくしてって言ったけど、極寒にしてとは言ってないーー! 完全に氷河期じゃん!」


みゆ「……想定外。パパ楽しみすぎ!」


もっふる「ピ、ピィ……」


亮「あ、赤! 次は赤のスライムを……! は、速く動かないと体が凍りついて動けな……っ」


あんな「パパ、動きがスローモーションになってるよ! 」


みゆ「……パパ、氷像化まであと十秒。……あ、ちょっと芸術的」


亮「感心してないで助けてぇぇ!」


みゆ「……自業自得」


と、言いながら、杖を軽く掲げると、その先から小さな火球が放たれた。


ドシュッ!


火球は正確に、離れた場所にいた赤スライムを射抜く。

直後、部屋に閉じ込められていた冷気が一気に中和され、春のような柔らかな暖かさが戻ってきた。


あんな「ふぅぅ……助かったぁ……」


亮「……はぅ。生き返ったよ。みゆ、ナイス。本当にナイス」


みゆ「……赤二、青二。現在、プラマイゼロ」


あんな「パパ、私たちまで巻き込まないで!」


もっふる「ピィ!」


そして、あんなは剣を構え、軽く息を整えた。


あんな「みゆ!ここからは、私たちでテンポよく行こ!」


みゆ「了解。同期シンクロ開始!」


あんなが風のように駆け抜け、剣を一閃。


ズバッ!


ほぼ同時、みゆの手から放たれた魔法が、対角線上の青スライムを貫く。


みゆ「《ファイア》(火球)」


亮「おおおっ! 二匹が同時に光の粒に……!」


あんな「次、三連撃! せーのっ!」


ズバババンッ!


三組の赤と青が、寸分の狂いもなく弾け飛ぶ。

熱気も寒気も差し込む隙がない。

完璧な「ゼロ」の状態を保ったまま、姉妹が戦場を舞う。


亮「すごいな……ほんとにバランス取れてる!」


あんな「楽しいね、これ!」


みゆ「次、私、右前の赤。お姉ちゃん左前の青!」


あんな「了解!」


亮「……なんだろう、俺の出番なくない?」


みゆ「パパ、遊んでないで。……もっふると左を担当して」


亮「よし、もっふる、俺たちもやるぞー!」


もっふる「ピィーーッ!」


もっふるが、まるで弾丸のような速さで飛び出した。


亮「えっ、速っ!? 待って、もっふる早いよ!」


もっふるが青いスライムを踏みつけ、亮は反対側の赤いスライムへ向かって全力の横跳び(ダイブ)をかます!


亮「これっ……だぁぁぁぁ!」


ズバァッ!


亮の剣が赤を裂くと同時に、もっふるに踏まれた青が光に弾けた。


あんな「……パパ、今の着地、顔からいかなかった?」


みゆ「……奇跡。温度計の針、一ミリも動かず」


亮「はぁ、はぁ……もっふる、君……身体能力高すぎない……?」


もっふる「ピィ♪」


もっふるの「ピィッ!」という号令に合わせて、亮が必死に剣を振り回す。


亮「おらっ! 次はこっちか! どわっ、もっふる、そっちは青だぞ!」


スパーーン!


ぽよんッ!


亮が転びそうになりながらも剣を振るい、もっふるがその頭上を飛び交いながら尻尾や体当たりでスライムを弾き飛ばす。


あんな「パパ、動きが必死すぎる……」


みゆ「……もっふるがパパを操縦してる」


もはや、どちらが主人か分からない「一人と一匹」の猛攻によって、部屋の温度は奇跡的に平穏を保ち続けた。

その後も、

赤を斬れば青も斬る。

青を倒せば赤も倒す。

三人と一匹の連携で、バランスの崩れはなかった。


あんな「気持ちいいくらいピッタリ!」


みゆ「……心拍数、呼吸、完全に一致」


もはやパズルというより、洗練されたダンス。

広大なフロアを埋め尽くしていたスライムが、一対、また一対と、鏡合わせのように消えていく。

次々と倒され、100匹ほどいたスライムが残り一匹ずつに。

あんなとみゆが顔を見合わせ、同時に笑う。


あんな&みゆ「――これで、ラストッ!」


パァァァァンッ!


最後の二匹が同時に霧散した瞬間、荒れ狂っていた魔力の残滓がスッと消え、快適な常温が戻ってきた。


みゆ「……クリア。敵反応なし」


あんな「やったー!」


もっふる「ピィ♪」


亮「いやぁ、バランス戦って面白いな! なんかパズルみたいだったぞ」


あんな「パパ、途中からすごくノってたよ?」


みゆ「パパの最初の一撃、ギミック理解に有用⁉」


亮「それは……いい仕事したってことで!」


あんな&みゆ「それはなーい!」


その時――


カコンッ。


部屋の中央に宝箱が現れた。


亮「来たな! この音!」


あんな「開けてみよう!」


みゆ「罠なし。安全」


亮「よ〜し、では恒例の――いざ、オーーープン!!!」


パカッ。


中には、厚手のコートが人数分入っていた。

ふわふわで、見た目もオシャレだ。


あんな「わぁ、可愛い!」


みゆ「保温性能、高い。冬の時期の必需品」


亮「寒さ対策か。これはありがたい!」


もっふる「ピィ♪」


あんなとみゆはコートを羽織り、くるりと回る。


あんな「どう? 似合ってる?」


亮「おお、可愛い! 流石、美人姉妹だ!」


もっふる「ピィ♪」


優しいのか、厳しいのか。

このダンジョンは、やっぱり不思議だ。


こうして――

バランスを学んだ神崎家は、次なる階層へと歩みを進める。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)

次はどんな試練が待っているのだろうか。


無事に難所を乗り越えたと思ったら、次はなんと……上下がひっくり返る!? 避けることも防ぐこともできない『天地逆転』の罠に、もっふるが野生の勘(?)で立ち向かいます!

次回、第36話『え、パパが勇者!? 天地がひっくり返る!? 構造反転の回廊!?』

神崎家の三半規管が試される(?)新階層攻略、スタートです!


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