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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、娘2人ともっふるで挑む最強Fランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第三章 迷宮編~家族で挑む、仕掛けだらけの地下世界⁉~

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第33話 え、パパが勇者!?  セーフティゾーンで厄介な人たちに絡まれたー!? 再会、《紅蓮の輪》!

第五階層

セーフティゾーン。


野球場ほどの広さがある空間には、多くの冒険者たちが思い思いに腰を下ろし、食事をとったり、装備の手入れをしたりしながら休憩している。

あちこちから聞こえてくるのは、これまでの階層の話題だ。


「第2階層、マジでキツかったわ……」


「ああ、あそこなー、帰りたくなった」


「いやー、そこよりもよー……」


冒険者たちが各階層の情報を交換し合う中――

神崎家ともっふるが、ゾーンの入口から姿を現した。


亮「おお〜っ!ここが噂のセーフティゾーンか!広いな!」


あんな「やっと休憩できるね……」


みゆ「湧き水もある。補給には最適ね」


もっふる「ピィ♪」


その瞬間――


冒険者たち「おおっ! 来たぞ!」

     「神崎家じゃねぇか!」

     「第五階層まで来るとは思わなかったぜ!」


ワッと冒険者たちが集まってくる。

中には、王都ギルドで顔を合わせたことのある者も混じっていた。


冒険者A「いや〜、すごいじゃないか!正直ここまで来るなんて思わなかったよ!」


冒険者B「あんなちゃん、みゆちゃん、無事で何よりだ!」


冒険者C「もっふるも元気そうで良かった!」


もっふる「ピィー♪」


亮「いやいや、みんなのおかげですよ!」


あんな「ありがとうございます」


みゆ「問題なく進行できました!」


もっふる「ピィー♪」


笑顔と歓声に包まれる神崎家。

その温かな空気に、冒険者たちの笑顔が柔らかく溶け込んでいた。


――その時だった。


「へぇ……Fランクがここまで来たんだ」


冷たい声が、場の空気を一気に変えた。

ざわめきが止まり、冒険者たちの視線が一斉にそちらへ向く。

焚き火の奥から、五人のパーティが歩いてきた。


亮「おお!紅蓮の花の人たち!」


セリナ「……は?」


リュシア「……花?」


ミレイア「……あら」


あんな「パパ、花じゃなくて"輪"だから」


亮「え?ごめんごめん!紅蓮の輪さんだったね!」


その瞬間――


セリナの表情が、一気に険しくなった。


セリナ「……ふぅん。Fランクって、パーティ名も覚えられないんだ?」


リュシア「知識がないのは仕方ないわよね。Fランクなんだから」


ミレイア「あら、でも素敵ですよね。無知って、ある意味"幸せ"ですもの」


三人の女性が、次々と言葉を重ねる。

その声には、明らかな嫌味が込められていた。


亮「え? でも、みなさんもずっとFランクって言ってませんか?」


セリナ「はーー?ワザとに決まっているでしょ!」


リュシア「嫌味よ!い・や・み!分かる?」


レオン「二人とも、そのへんで……亮さん、本当にすまない」


亮「いえ、大丈夫です。こちらこそです」


セリナ「ねぇ、あなた剣士なの?」


視線が、あんなへ向けられる。


あんな「……はい」


セリナ「ふぅん……見た目は可愛いけど、実力はどうかしらね」


リュシア「魔法使いのあなたも、きっと"基礎"すらまともに学んでないんでしょうね」


みゆ「……ご心配なく!」


リュシア「へぇ……そう。まあ、あなたがどうであれ、私たちには関係ないけれど!」


ミレイア「まぁまぁ、みなさん。初心者さんたちなんですから、優しくしてあげないと」


その"優しさ"という言葉には、どこか見下したような響きがあった。


もっふる「ピィ……」


不安そうにもっふるが亮の足元へ寄ってくる。 亮はそっと手を伸ばし、頭を撫でた。


亮「もっふるが怖がってるよ? なんでそんなにピリピリしてるの?」


ガルド「いや、別に。ただ……Fランクがここまで来るのは珍しいからな」


レオン「……まぁ、気をつけて進んでくれ」


レオンの声には、どこか申し訳なさそうな響きがあった。


セリナ「ねぇ、あなたたち。ここから先の階層、甘く見ない方がいいわよ」


リュシア「Fランクには"荷が重い"ってこと、理解してる?」


ミレイア「私たちみたいな"経験豊富"なパーティでも苦戦するのよ? 無理はしない方がいいわ」


その言葉の一つ一つが、まるで棘のように突き刺さる。


あんな「……ありがとうございます」


みゆ「……その点は問題ありません」


二人は、わずかに視線を落とした。


亮「いや〜、アドバイスありがとうございます! 気をつけますね!」


セリナ「……ふん」


リュシア「……そう」


ミレイア「……頑張ってね」


三人の女性は、冷たい視線を残したまま、踵を返した。


ガルド「それじゃ、先に行く。健闘を祈るよ」


レオン「……気をつけて」


《紅蓮の輪》は、そのままゾーンの出口へと向かっていった。


その背中が見えなくなると――


冒険者A「……はぁ。悪かったな、神崎家」


冒険者B「入口でも絡まれてたから知ってると思うが、あいつら、いっつもあんな感じなんだ」


冒険者C「いや……あのパーティ、特に“あの三人”が厄介でな」


亮「え、あれって……普通なんですか?」


冒険者A「ああ。《紅蓮の輪》は実力はあるんだが……」


冒険者B「特にセリナとリュシア、ミレイアの三人は厄介だ。プライドが高くて、他のパーティを見下す癖がある」


冒険者C「ガルドは一応リーダーだが、完全に押され気味。レオンは……まぁ、板挟みって感じだな」


あんな「……そうなんだ」


みゆ「……なるほど」


冒険者A「特に、あんなちゃんとみゆちゃんは気をつけた方がいい」


あんな「え? 私たち?」


冒険者B「ああ。セリナは剣士としてのプライドが高い。あんなちゃんみたいな"可愛くて強い"剣士は、たぶん気に入らない」


冒険者C「リュシアも同じだ。みゆちゃんみたいな"若くて優秀"な魔法使いは、ライバル視される」


亮「え……あんなとみゆが?そんなに目立つのか……ま、美人姉妹だしな!」


冒険者B「相変わらずだな!心配はいらないと思うが本当に気をつけてくれ」


冒険者C「特に、これから先の階層で鉢合わせたら……トラブルになる可能性がある」


あんな「……はい。気をつけます。ありがとうございます」


みゆ「……情報、助かります」


もっふる「ピィ……」


亮は、小さくため息をついた。


亮「……なんか、スローライフって難しいな」


あんな「パパ、今さら気づいたの?」


みゆ「統計的に、スローライフ達成率はゼロです」


亮「えーー! ゼロ!?」


冒険者たちが、思わず笑った。


冒険者A「ははっ、神崎家は相変わらずだな」


冒険者B「でも、そういうところが好きだぜ」


冒険者C「頑張ってくれよ」


温かな笑顔に包まれて、神崎家ともっふるは少しだけ肩の力を抜いた。


こうして――

セーフティゾーンで再開した厄介なパーティ《紅蓮の輪》。

神崎家はまだ知らない、これから先の"トラブルの予感"を胸に、次の階層へと向かう準備を始めた。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)は、

ダンジョンの奥でも騒がしく続いていく――。


セーフティゾーンを抜けた神崎家を待っていたのは、まさかの『床からの狙撃』!?


安全なはずの足元が光り出し、パパの悲鳴がダンジョンに響き渡る!


次回、第34話『え、パパが勇者!? 床が光って撃ってくるんだけどー!? 恐怖のタイルと必死のモグラ叩き!』

開幕です!


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