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20.小人の使い方?

 さて、私はランセイを肩に乗せてただいま移動中。どこに向かって居るのかと言いますと書庫です。


 ランセイを調べないとね。


 ランセイは、平安風公達狩衣を着てビシッと立つ姿は私の萌え~なツボをついております。


 ランセイに名前を付けてから、はや3日。少しお互い理解し合えたかと言うとそうでもない。

 だってねぇ、なかなか話す機会がない。

 大抵メイドさん達が近くにいて、時間が取れないのだ。

 お子様なので、夜は布団に入ったら睡魔に勝てず・・・。


 なので、書庫に行くことにしたのだ。





 名前を付けた日は、クルクルと周り自分の姿を確認しているのを観察し、首を傾げて考えこむ姿を堪能して、鏡のある所に連れて行ってあげた。・・・可愛かったからついつい鏡が、あるの忘れていたよ。


 腰につけた刀をスーッと抜き、構えたポーズを見ていたら・・・あーどっかで見た事がある?なんか思い出しそうな・・・そうだよ!最初小さいおじさん?!とか思ってしまったから変なイメージだったんだ!


 まさしく一寸法師だよ!格好も!・・・いや、あの服は私の妄想の賜物なんだけど、小さいのは一寸法師だよ~。

 うん、カッコよすぎ。


 なんて、思っていたら、あっ、と思った時にはメイドさん達が入って来て隠す暇がなかった。

 ランセイは全く気にしてないみたい。


 何で?珍しくない?見えてない?



 独り言いう幼児は怖いよね。見えないものが見えてそうで。・・・この世界に幽霊っているのかな?

 そんな事を思ったから、話し掛けるのは自重したよ。変なフラグ立てられたら嫌だし。



 見えてないのが、決定的だったのは、ランセイの上にお菓子のお皿を置こうとしていたのを見て、ぎゃーと心の声は届かず、コトッとお皿が置かれた。


 ランセイは?どこ行った?・・・あ~一応頭の上に置かれるのを避けたのか?


 お皿をの上に乗って、クッキーを見ている。


「・・・甘い匂い、食べられる?食べてもいい?」


 テーブルの上から私を、見上げる姿はカワイイ。


 コクリと頷くと、嬉しそうに、カケラを取ってモグモグ。

 クッキー一つ丸飲みとかシュールな行動じゃなくて安心した。


 そんなランセイを放っておいて、フォードおにいちゃまが、持ってきてくれた針金と格闘する事にした。クルッと楕円形を二つ作ってクリップを作るのだ。


 執務室の上の書類が散乱しているの見て、針金無しホッチキスが有ればなぁ~と思っていた。作るの無理だし、考えるのをやめたのだ。


 と、思っていたけど、雑貨屋に連れてって貰った時に、黒い菱形の天然石を見て閃いた!


 だけど・・・幼児の力の無さと、不器用さをたった今痛感しました。


 このままじゃあ、綺麗なカーブにならないし、何かちょうどいい丸みのある物・・・ペンだ!!手で持つ部分に絡ませて・・・小さな楕円は二本、大きな楕円は三本使ってカーブを作る。


 ・・・力が足りない・・・テーブルとペンをうまく動かして・・・・よし!出来た!!・・・うん微妙なカーブ---これが限界です・・・。


 ガックシ・・・とうなだれてしまうのは仕方が無い。こんなに一つ作るのに大変だと、何個も作れないよ。地道にコツコツと・・・作るしかないのか・・・。


 なんて思って、出来た一つをツンツンと指先で突っついていた。


 トコトコトコ・・・とランセイがやって来た。


 ・・・顔にお菓子付いていますけど、クッキー一枚は食べすぎじゃないか!?


 と突っ込みたいところだが、私の作ったクリップに興味を持ったみたい。じっくりと観察した後、クルクルと丸まっている針金の所に歩いていく。


 スラリ・・・と腰に下げた剣・・・あれは私のイメージで出来ているから日本刀・・・刀だな・・・を抜き、振り下ろす。キーンと甲高い音共に針金が一瞬にしてバラバラになった。


「---うわっ」


 咄嗟に耳を押さえたけど、部屋中に金属音が響き、メイドさん達がキョロキョロあたりを見渡している。


 やばっ、あまりの出来事に、音にびっくりというよりも、びっくりしすぎて声出ちゃったよ。慌てて、口元を手で押さえ、ニヘラ・・・とメイドさん達になんでもないよ・・・と笑いかける。


 鬼ごっこの後で体力消耗中のメイドさん達は、部屋の端でぐったりと休憩中なので、笑顔を振り巻いておけば大丈夫。


 さて、ランセイは小人の靴屋さん?的なものなのか・・・・。

 気づいたら、私が作ったクリップよりも綺麗なカーブのクリップが10個程完成していた。


 ---なにその便利機能。私も欲しい。


 ランセイの持つ刀をクリップの形に振ると・・・まぁなんという事でしょう。針金が自由自在に変化するではありませんか!


 マジ・・・その刀があれば私も出来る?!・・・なんて思ったけど。多分無理だよね・・・そんな世の中甘くない。ちょっと貸してもらったけど、やっぱ駄目だったよ。うまく振れないし。


 こんな便利機能あるなら・・・と、紙に図を描いたものを作ってもらう事にした。


 鳥でしょ、蝶とか、りんごとか。・・・他にも色々作りたかったけど、この正解にいるか分からない動物を作ってもらうのはちょっとね~と重い自重しましたよ。



 黒い菱形の天然石・・・に、クリップをくっ付けて完成です!!



 ・・・ランセイのおかげで楽できちゃった。よかった~って本当に良かったのかな?---本当に何者!?





 会話の出来ていない状況で、分かった事もいくつかある。


 ・ランセイは、他の人には見えていない、声も聞こえない。

 ・刀を振るうと針金を曲げる事ができる。・・・他の石とか鉱物の物とかは試してみたい。

 ・刀を使うと、眠くなるらしい。

 ・刀で物を切る事ができるけど、これは針金を自在に操った力とは違う。・・・普通の刃物として使っているってことだ。

 ・いつも私の近くに居たいようだ。・・・トイレとお風呂は遠慮してもらっているけどね。







 そんな感じです。それ以上の情報は私には分からなかったのだ。


 ランセイ小人の協力のもと作成されたクリップを手に、意気揚々とお父様の執務室の扉に手をかけた---のはいいのだけど、あれ?私ここに来るのって結構久しぶりくらいじゃない?!


 ---えっと、二日後誕生パーティするって言っていたから、2週間ぶりくらい?!


 この水晶もフォードおにいちゃまが届けてくれたけど、その時私は部屋の片隅で読書していて・・・ジルさんが受け取っただけで顔すら合わせてない。


 まぁ、色々あってちょっと気恥ずかしいかったので、結果オーライなんだけど。はははっ・・・どうしよう、今更ながらどんな顔して合えばいいのやら。


 ---むむむっ、ドアノブに手をかけたまま、暫く長考します---。




「---・・・お嬢様、キャロライン様。どうなされました?」


 ・・・びっくりした!!マジ心臓がバクバクしているよ。後ろから声を掛けないで・・・しかもフォードおにいちゃまと同じ黒髪が視界の端っこに入ったから、ほんとびっくりしたよ。アニメじゃないけど、体がビックって動いたよ。・・・そんな事あるんだね~貴重な体験ですよ。


 ---よかった。水晶アンリに持ってもらっていて。・・・ってアンリさん肩震えていますよ!笑いすぎ・・・。


 プクーッと頬を膨らませて、ギルベルトさんを下から睨みつけると、ククッと口元を押さえて笑いを堪えるイケメンさんがいました。


 ・・・くっ~そんな素敵な笑顔を見せても許さんぞ!!


 そんな意思表示で、ドアノブから手を離し、もっと頬を膨らませプイッとそっぽ向いて腕を組んだ。


「---驚かせてしまったようですね。もう訳ございません。---では、お入り下さい。キャロラインお嬢様」


 コンコンとノックをして、入室許可をもらうと、扉を開け何事も無かったかのように、私の手をとり部屋にエスコートしてくれた。


 ・・・マジ、何この人。やめて!ほれてしまうやろー!!・・・くっ!負けた、負けたよ!


 真っ赤になった顔のまま、部屋に入ると、お父様とフォードおにいちゃまが居た。


 ---うーっ!!もう!もう!!


 だっ!と勢いをつけて、私はフォードおにいちゃま目掛けて突進した。ドスッと音と共に「ウッ・・・」っておにいちゃまの声が聞こえた・・・同じ事、つい先日もした気がするけど、事故ですから許してください。


 とりあえず、心の平穏は確保されました。



 ---あれ?私なんで扉を開けるのをためらってたんだけ?



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