表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/74

2.夢だと思うけど、状況確認は必要だよね

 ---主婦の私が現実で、幼女の私は夢の中の出来事なのか?

 そんな疑問はさておき、只今私は鏡の前に立っています。

 うすボンヤリした世界が、例の一件から世界が色付き始めた妙な感じで、霧のかかった世界がクリアになっていく感じとでも言えば分かるだろうか・・・もう、どっちが夢なのか現実なのか、よく分からない。



 さっきも言ったように、今私は鏡の前に立たされている。目に映っているのは、綺麗な銀髪ストレートの肌白のポッチャリさんだ。瞳の色は、深い青だろうか・・・白と光沢のある水色のワンピース?もうドレスと言っても良いのではないか?!というシンプルゴージャスな洋服を着ている。名前はクリスティーナか?!


「---キャロライン様、なんて可愛らしい!」


 違った・・・キャロラインって言うらしい。例のメイド三人組みの一人が自分チョイスで着せたワンピースを着た私を見て、大げさに褒めていた・・・。


 自分で見た感想だが、どう見てもワンピースが!可愛いんだよね・・・もしくは、後姿が可愛い!の間違いじゃないか!?と、もう苦笑いするしかない。


 私は2歳児で・・・普段このメイド三人は幼児である私付きのようで、何時も傍にいてお世話をしてくれている。・・・幼児一人にメイド三人も付けられるなんて、夢の中の我が家はお金持ちという事だ。


 着替えを終わった私は、ぼんやりと一日を過ごすのももったいないと、最近始めた趣味がある。

 それは、読書だ!

 昼ドラも好きなのだが、昔から本の虫で、まぁどーでも良い恋愛小説から推理物、ホラー、SFと色々読み漁っていた。幼児をやっている今は、絵本である。


 まぁ、なんというか・・・やはりというか、字が読めなかった・・・なんだこれ。


 意気揚々と絵本を開いたのだが、字が読めない現実を突きつけられ、思わず顔を顰めたところとメイド三人組みが気付き、読み聞かせしてくれる事になった。もちろん、三人も居るのだから交代交代飽きるまで、一日中読んでもらったよ。私の望む事をしてくれるのがメイドさんのお役目なのだから、多少の我がままも許してくれるよね。


 二日目も同じ事をしていたら、メイドさんたち涙目になっていた・・・。調子に乗りすぎたみたい。

 ごめんよ~ちょっと反省したので、昨日一日で覚えた字を自分で少しずつ声に出して読む事にした。メイドさんたちの声援と協力のおかげで、数日で簡単な字を読めるようになった。


 幼児の頭の柔らかさには驚かされる!何事も早いうちからやるに越した事はないな!


 さて、本が読めるようになった幼児の私・・・メイドさんたちは、また暇を持て余し始めたようだ。


 今、私の中で問題が一つある・・・それは、手元にある絵本が既に読み終わった物しかないという事だ。

 当然、私も暇を持て余している。そうなると、三文小説にもならないメイド達の噂話に聞き耳を立ててしまうという事になるのだ。




 ---本日の話題は、例のジルの彼氏のその後・・・という内容らしい。


 ここ数日、ジルの気持ちが少し沈んでいると感じていたが・・・案の定、例の彼氏は「結婚するする詐欺師」だったようだ。


 まぁ、さもありなん・・・。



 本日ジルが、話している内容を簡単に言ってしまえば、こんな感じだ。


 やっぱり、貴族の三男坊じゃなかった、他にも彼女が数人いた、私のプレゼントした物はみんなお金なら変えられていた、などの愚痴だな。

 うむ・・・想像の範囲内で、まあ、普通の詐欺師の様だ。

 いい社会勉強になったと思って諦めよう、とお仲間達は慰めているが、むむ~ん。


 ここで泣き寝入りをする事が社会勉強なのか?と思ってしまった。どうせなら、最後までとことん勉強してみてはどうだろうか?


 日本なら警察に結婚詐欺です!って、証拠持ってくとか、騙されたみんなで訴えるとかあるけど?警察?最近よくある異世界物語だと、自衛団?警邏隊?騎士団か?よくわからんが・・・。悪い奴は野放しにしちゃいかんよ。


「悪い人は捕まえて!」


と、ヘラリと笑って絵本片手に言ってみた。


 すると、メイドさん達スクッと立ち上がり、私を取り囲んだ・・・なんだ、どうしたのだ、いつも通りにしていて良いのだぞ。


「キャロライン様、もっと一緒におしゃべりしましょうか?」


 おっ、私も仲間に入れてくれるのか!暇していたから、丁度良い。

 思わずニヤリと、悪い笑みを浮かべてしまった。

 お嬢様として、はしたないね、ははっ。


 ちょっと調子に乗って色々言ってしまったよ。折角仲間に入れてくれるって言うのに、沢山お話しないなんて勿体無いよね。


 とりあえず、メイドさん達には子供ながら思った事を口にしちゃった的に、可愛く言ってみた。内容は、こんな感じだけど。


 1.同じ被害者と会おう。

 2.買ってあげたリストを作ろう

 3.何回結婚をにおわされたか


 そんなところだろうか・・・お金そのものはまだ取られてないのが、救いだね。

それを持って皆で警察っぽいところに行ってみたら?と、最後は可愛く言ってみた。


うまく行くといいね〜。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ