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狂った世界で  作者: 桃姫
狂聖編
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80/82

80話:どこからか……

(どこかから)

 女性と男性の二人がどこかから、彼らを見る。

「行かなくて、いいのか?」

 男性の問いに、女性は笑う。

「私が行かなくても大丈夫でしょう?まだ、もうしばらく見ていましょう。私と雷斗さんの子なのですから」

 雷斗と呼ばれる男性もまた、笑いながら、

「それにしても謳の奴、とことん母親似だ。お前にそっくりになったよ、謳雨」

 謳雨と呼ばれた女性は、微笑みながら、

「ええ。もう、男の子なのに、私に似ちゃうんですから。それにしても、謳。あの娘と仲がよさそうね」

 そうやって、二人は笑いあった。


(どこからか)

 女性が一人、どこからか彼らを見る。

「マリアってば、ますます、第六典……ううん、聖さんにそっくりの性格になったわね」

 女性はまるで誰かに語りかけるように、

「それにしても聖さん。お兄さんと仲良くやっているようですね」

 うふふ、と笑う彼女は、さらに続けた。

「謳魏さま。マリアも私も元気でやっていますよ……」

 彼女の声は、虚空に長く留まった。それは、まるで、誰かが、その話を聞いていたかのような。



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