76話:狂った聖女と仲間達
聖は、微笑んだ。
「マリア、貴方は、【鍵穴】よ」
トビラ?と首をかしげたマリア。
「そう。八つの鍵と三つの扉。その奥の最後の鍵穴」
「鍵が八つなのに、扉は三つなのですか?数が?」
そう、三つの扉に分配するには、六つで十分な気がする。
「ああ~んと、実際、人が触れられる扉は二つ。三つ目は普通には明けられないの。だから、それに関しては、こっちで何とかするわ」
「そ、そうですか?」
どうやら、マリアは、納得はできていないが、折り合いをつけることで、無理に納得させることにしたようだ。
「じゃあ、貴方は、今から、雨月謳に会いなさい。合流したら、朱野宮邸地下の祠に、全員連れて行くこと」
それだけ言うと、聖は消えてしまった。まるでそこには何もいなかったかのように。ただ、蒼い光が残光していた。
マリアは、謳の元に向かった。手にした情報を持って。
「あ、あの、謳さんいらっしゃいますか?」
ノックもチャイムももどかしい、焦りを隠せない様子で、マリアは、ドアを叩いた。
「マリアか、どうし」
「謳さん。今から、朱野宮邸の地下にある祠に行かなくてはなりません!」
慌しく声を荒げているマリアに圧倒されながらも、謳は口を開いた。
「お、おう。マリア。こっちも今、メンバー集めて向かうところだったんだ。歯車と鍵は揃ったし」
その言葉に、マリアは、
「鍵が揃ったのですか?」
「ああ。八人全員、連絡を取り付けられるようにしてある。姫夜や哀子が大変だったが、透の姉を通じて、どうにか、な」
知らない名前に困惑するマリアを尻目に、謳は、今、部屋にいるメンバーをつれて、朱野宮邸に向かうことを決めたようだ。
「姫夜や哀子とは現地集合だ。信也たちも現地。こっちは、透、黒羽、廿楽、お前と俺、案内役の崇音と車の調達をした爛、護衛に九澄を連れて行こうかと思ったが、九澄は置いていく」
七人の集まり。
「信也たちは、信也、紀乃、匡子、刃奈の四人。姫夜たちが、姫夜、哀子だ」
それら全員が異能の関わりを持つもの。異能を持つがゆえに惹かれあったものたち。




