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狂った世界で  作者: 桃姫
雪姫編
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74/82

74話:【穹】

 俺は一心不乱に駆ける。一刻も早く、【空の欠片】を手に入れるために。幸いにも刃奈は近くに来ていたらしい。どうしてかは分からないが、一つ気がかりがあるとしたら、あいつが、いつもの「ッス」口調ではなく、美人モードだったことだ。何かあるのだろうか。

「やっと来ましたね。お久しぶりです、雨月家の謳さん」

「やあ、刃奈」

 俺は、刃奈に近づく。

「刃奈、ですか。一応言っておきますが、刃奈は、今寝ています」

 どう言う意味だ?

「私の名前は、篠宮初妃。この子……刃奈の先祖です」

「せ、先祖?」

 そんなバカな。

「今、一時的に、この体を借りています。そして、これが」

「【空の欠片】」

 青い球体。

「いいえ、【(そら)の欠片】です」

「【穹】……」

 【穹の欠片】。

「【焔】、【地】、【氷】、【穹】、そして【始祖】。五つの欠片が合わされば、世界を構成する歯車となります。これは事実ですよ。何せ、私の主、神より聞いた御言葉ですから」

 神?いやいや、そんなバカな。

「今、神を否定しましたね?私は、神との間に子を身篭った身ですよ!」

 え?何?神の婚約者?女神?

「まあ、所謂、不倫、と言うやつですが」

 不倫!不倫相手が神?どう言うことだ?さっぱり分からない。

「まあ、いいでしょう。では、よろしくお願いしますわ」

 そう告げると、刃奈……、いや、初妃は、それだけ言うと、去って行った。


 俺は、急いで学園に戻ると、そこには、爛の乗った車がいた。俺は、園内に入ると、車に近づき、爛と合流した。

「爛。例の歯車ってのは?」

「これです」

 円形の箱?穴の開いたものだ。窪みの穴には、四つの球体が収まっていた。開いている最後の一つに、【穹の欠片】を収めた。

「これで、歯車が……」

 出来上がったのだろうか。

「箱が、、円盤に、変わった?」

 そう、箱は円盤となっていた。


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