68話:現実Ⅳ
【現実Ⅳ】
謳くんの推理を私なりにまとめてみると、このようになります。
・雨月謳くんの出自は、雨月家と言う家で、その家の遠縁に九龍沙綾さんの夫と雨月姫夜さんがいる。
・謳くんと私、爛や他の【血の走狗】のメンバーとそれを逮捕した【PP】と敵対組織の【死の結晶】。
・謳くんと、昔の同僚である透夜さんとその妹である透さん。
・謳くんと、同じ学園に通う狂ヶ夜マリアさんと廿楽さん。
・謳くんと、【夜鬼】と呼ばれる存在である黒羽さん。それの前の【七夜】(意味は不明)を倒した謳くんのお母様。
・【PP】の篠宮(小向)匡子さんと、その親戚だという学者にして【機関】(意味は不明)の人間だという篠宮刃奈さん。そのどちらとも知り合いである謳くん。
・東雲佳美弥さん(漣信也さんと同一人物らしいです)と、謳くんの担任教師で東雲さんの姉だという東雲紀乃さん。そのどちらとも知り合いである謳くん。
・そのどれもを繋ぐのが、謳くんと言う一人の存在。
・そして、そのほとんどの人物が、異能に関わっている、ないし、関わることがある(私と加奈穂さんを除く、らしいですが)。
以上のことから、この世界の歯車が云々、と謳くんは続けました。
「つまりは、いくつかの鍵が揃うことで、歯車を直せる」
この世界の歯車は、【焉】と言う人物を起点に壊れたそうです。【焉】を正すのが漣信也さん。歯車を正すのが謳くんと鍵と言うことらしいです。
「と言うことは、俺と関わった異能使いが鍵握ってそうなんだが……」
「そうなると、お前が今あげた数人なんじゃないか?」
漣さんと謳くんが話を続けます。
「なるほど。だとしたら、き……。いや、あいつは、鍵なのか?」
何か、意味深なことを呟いた。
「誰か心当たりがいるのか?」
「いや、でも、俺のこの考えが思い過ごし出なければだが、な」
誰か他にも心当たりがいるようです。
「大分人数がいるが、少なくとも、鍵があるなら鍵穴もあるだろ?」
それもそうです。歯車を正すための鍵穴。
「それが、おそらく、」
謳くんは、その鍵穴が何か、分かっているようでした。
「いや、その話は、また後にしよう。おそらく、鍵の持ち主が俺と姫夜……【血染眼】と【死染眼】だろう」
「持ち主は、何をするのかってことだが……」
どうやら、これが漫画やゲームならば、クライマックスの寸前、と言うことになるのでしょう。
やっと修学旅行から帰ってきました。




