59話:衝撃の真実
九龍沙綾。一種の化け物ではあるが、異能ではないと思われる。理由は、異能が発見された時期と年齢が合致しないからである。だが、その身体能力の高さは、身体強化を使っているかのようである。
さて、場所を教室から移動し、教室棟の会議室。紀乃と俺、沙綾がいる。
「九龍、沙綾……、佳美弥の言ってた女?」
紀乃の呟き。
「あら、あんた、あの【東雲】の人間?こりゃまた偶然。そっか、あのぼーやも【東雲】の一族だったのね。嫌だわ~、偶然って。ホント、恐い恐い」
【東雲】の一族?紀乃の家って特別な家だったのか。
「私は、九龍沙綾。【死】の一族の人間の妻よ」
【死】の一族?妻ってことは、旦那のほうが【死】の一族なんだろうが、よく分からない。
「夫の名前は、雨月幽魔。そこの雨月謳の遠縁に当たるわ」
「は?俺の遠縁?」
初耳だぞ。
「正確には、あんたの曽々々々々々々々々々々祖母の孫が旦那よ」
は?理解ができずに思考が停止した。
「待てよ。そうしたら何年前の人間だよ。幽魔って人は」
少なくとも曽々々々々々々々々祖母の世代の人間となるわけで、そもそも曽々々々々々々々々々々祖母がどの位前の人間なのかも分からない以上、何歳かも分からないが、
「あ~、大丈夫。お義母さんは、魔物だし……ってゆーかスライム?」
スライムってなんだよ!人間じゃないのかよ!
「冗談だろ?」
「あ~、まあ、冗談と言うことにしといて、話を進めるわよ」
しておいて……、含みのある言い回しをしやがって。
「そんで、あんたは、【血染眼】って言う特殊な眼を持っている……まあ、雨月特有の異能を持って生まれた特殊な人間だ」
「雨月特有って、この『眼』が、か?」
「ええ。もう一人、【死染眼】って眼を持った娘も居るんだけど、まあ、深く考えないでいいから」
何か濁すが、それは、たぶん、
「そいつって、姫夜って女か?」
「ありゃ、知ってたの?」
そりゃ会ったからな。気味が悪かったが、
「ふ~ん。合縁奇縁?あんたの曽々々々々々々祖父の姉の家系だから、遠縁ね」
「遠すぎるわ!」
いくらなんでもすぐに理解できる域を超えている。
「あ、あと、ちなみ、あんたの両親、生きてるから」
「は?」
何て重大なカミングアウトをさらりと。
「え?生きてるの?」
「生きてるわよ。ちなみに、あんた、捨てられてないから」
「は?」
待て待て、混乱する。
「じゃあ、何で、俺は施設に居たんだよ!」
「え?ああ、それは、私が荷物にして送っといたから」
「何してくれとんじゃ!」
思わず語調が崩れながらも怒鳴った。いやいやいや。




