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狂った世界で  作者: 桃姫
睡蓮編
47/82

47話:集う生徒会

Scene崇音

 これは、今の物語。


 私は、久々に登校することを許されました。本来は、全寮制の【私立響乃学園】ですが、朱野宮家のご好意と特例のことから私も、登校と言う形が許可されたのです。

「もう、六月ですから、二ヶ月ぶりの登校ですね」

 七峰さんが、私に声をかけてくれます。

「ええ、もう、そんなになりますか」

 私は、もどかしく、歯がゆい気持ちでした。

「この時間だと、六限になってしまいますね」

「そうですね。それでも、出ないよりは、いいと思いますが……。それに、私は、一応生徒会の役員に任命されていますので、そちらにも顔を出さないといけませんしね」

 そう、私は、役員に任命されていたのにも関わらず、今日までの一回も会議に出席することができていないのです。


 私が、学園に到着したと同時に、六限の終わりを告げるチャイムが鳴ります。

「間に合いませんでしたか」

「では、お嬢様。生徒会室のほうへ行かれてはどうでしょう」

 そうですね。とりあえず、そのほうがいいかもしれません。

「それでは、わたしは、車で待機しておりますのでお嬢様、どうぞ行ってらっしゃいませ」

「ええ、行ってきます」

 私は、教室棟の生徒会室へ向かって足を踏み出します。


 生徒会室の前に着くと、どうやら鍵が閉まっているようで、開いていません。まだホームルームの時間なのでしょうか。と、そこへ、私よりも先輩に見える方、記憶に間違いがなければ、生徒会長の廿楽さん、がやってきました。

「あら、蓮条さん。今日は来られたの?」

「ええ、何とか。と、行っても、来たのはつい先ほどなのですが」

 やはり、廿楽さんのようだ。

「あれ、もう、来てる?」

 廿楽さんの呟き。誰か居られるのでしょうか。

「はぁ、勇音さん。来たのなら、鍵開けておいて」

「へ~い。分かりましたよ~」

 軽い口調(言葉に重みがない)で返事をした女生徒。彼女は、

「ああ、彼女は、勇音透さん。この通り、口調が荒っぽいです。あと、仕草も適当なので真似しないように」

 あまり、信頼のない役員のようだ。

「今日はじめてきたのに、何であたしよりも先に鍵なしで入れたのかはさて置き、今日は、まさかの全員役員が揃いそうね」

 勇音さんは、今日、初めて参加するらしい。

「あ~、まあ、兄ちゃんの葬式やらなんやらで忙しかったから……」

「お葬式には、彼も出席したんだったわね」

 彼?

「ええ、まあ。兄ちゃんの友だちらしく。遺影も二人で撮ったときの兄ちゃんの笑顔の写真で遺影作ったし」

 彼と言うのは、勇音さんのお兄さんのお友だちらしい。

「す、すみません。お、遅れました」

「あら、七夜さん。大丈夫よ。若干一名、遅刻してるのが居るから」

 七夜さんと呼ばれた黒髪短髪の女生徒。

「遅刻しているのが一名……ですか?それにしても、今日は、人が……」

 彼女が部屋を見回す。

「多いですね」

「ええ、彼を除いた全員がいるわ」

 彼?あの、彼も生徒会役員なのだろうか。

「その、彼、とは?」

 私の疑問に、廿楽さんが答えてくれます。

「ああ、彼って言うのは、」

 そのとき扉が開かれた。生徒会室の扉であり、私の運命の扉……。


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