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Get the Dream   作者: nora
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第十五話 新しい相棒

楓との戦闘後、簡単な回復術で左腕の傷を癒しながら、咲の家へと向かった。


「ただいま~」

「あ、おかえり。真二」

「おかえりなさい。真二」


え?今母さんの声が聞こえたような・・・。

急いで声のする部屋に入ると、台所には咲と母さんが夕飯の準備をしていた。


「か、母さん!?ってことは親父も!?」


振り返ると、リビングに設置されているソファにどっかりと座っていた。


「よお、真二。久方ぶりだなぁ。咲ちゃんと夜の愛を深められたか?」


そう言った瞬間、台所からフォークとスプーンがものすごい勢いで飛んできて、親父の足下に突き刺さった。


「お、おい、母さん。冗談はよしてくれよ・・・」

「冗談を止めるのはあんたでしょ!このエロ亭主!!」


母さんはさらに手に持っていた菜箸を投げつけた。

まるで矢のごとく飛んでくる菜箸は親父の脳天へとクリーンヒットした。

あの菜箸、よく刺さるな・・・。

咲は顔を赤らめながらも、足が微妙に震えている気がする。

まあ、隣に立っている人があり得ない反応速度でフォークやら菜箸投げてれば怖いわな。


「ぐ、ぐう。ところで真二、火嵐楓ちゃんとは会っらしいな?」

「え?ああ、そうだ!あいつ、今日俺に突っかかってきていきなり戦えとか言われて訳わかんねえよ。あれ?でも、なんで親父がそのこと知ってるんだ?」

「ん?いや、いま咲ちゃんから紅い髪をした同い年くらいの霊術関係者の女の子がお前と話していると聞いてな」

「思ったよりも普通な理由だな。で、アイツは何者なんだよ。戦ってみてわかったけど、なんかすげー強かったぞ?」

「楓ちゃんは火嵐家の長女で、お前と組んで魂霊と戦うことになった娘だ。これからのパートナーだ。戦ってどんな奴か見極めようとしたんだろう」

「な、なんだって!?パートナーってどういうことだよ」

「お前がここんところ魂霊の動きがおかしいと言っただろう。それで、霊術師を増やそうということになってな。そこで火嵐家から一人この土地に送られてきたわけだ」


ふーむ、楓が一緒に戦うって言ってたのはこういうことだったのか。


「まあいいか。人手が多いに越したことはないし」


俺は今回は初対面で警戒していたにしても楓がもう少し愛想がいい女の子だったらいいなぁなんてことを考えていた。




■□■□■




いきなり決闘を申し込むのはどうかと思ったけど、やって良かったかも。

いきなり、北泉市に増援として行ってこいって言われてびっくりしたけど、何とかなりそうだ。

それにしても風雲真二・・・凄く強かったな。

初めはこんな弱い奴に魂霊退治が勤まるのかと思ったけどめちゃくちゃ強かった。

だって、あの炎の矢。

普通なら同時に出すのは10本くらいが限度ってもんなのに、あいつは50本は同時に出していた。

さらに、通常音速での移動は途切れ途切れに使うものなのに、あの持続力。

そして、複数の別の術を高速で打ち付けてくるし。

おまけにあんな大技を間髪入れずに使うなんて普通の術者どころか本山の術者にも早々真似できる技でない。

おそらく、彼は膨大な霊力を持っているのだろう。

じゃなければあの攻撃はあり得ない。

膨大な霊力を持っているが故に霊力がつきることを気にせずに思う存分に霊術を展開できるってことか・・・。


「風雲真二、恐るべしってね」


私はこの土地に来るに当たって借りているアパートへの帰路に就いた。




■□■□■




「あ、そうだ。お前に土産があるぞ」

「今回は何買ってきたんだ?どうせろくな物じゃないんだろ?」


親父は得意げな顔で、壁に立てかけてあった長細い木箱を俺に手渡した。


「・・・これは?」

「まあ、開けてみろ」


言われるままに木箱を開けると、そこにはなんと日本刀が綺麗に収まっていた。


「って、銃刀法違反じゃねえか!エロ親父!!」

「エロは関係ないだろ!エロは!!」

「で、どうしたんだよ。この刀」

「うむ、真二にもそろそろ霊刀が必要な時期かと思ってな」


霊刀?霊刀って・・・あの、突然刀になるあれか!?


「どうやら、楓ちゃんが使っているのをみたようだな」

「ああ、あれどうなってんだ?いきなり指輪から刀に変形するしよ」


あれは変形と言うよりは、突然変異って感じだよな。

生き物じゃないけど。


「これは霊力を流し込むと刀となり、それを止めると指輪あるいは腕輪に戻るという術者のみが使える霊刀だ。今はまだ刀を鍛えたときの霊力が残っているから刀のままだが、お前が触れればお前が霊力を吸い取って指輪か腕輪に戻る」

「なるほどな。じゃあ、さっそく」


俺が霊刀の柄をつかむと霊刀は一瞬で腕輪となり、俺の右手首に収まった。

それには白い石が埋め込まれており、その他の表面は黒く塗られている。


「よろしくな、相棒」


おれは右腕の腕輪を見てそう呟いた。



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