技術&法律解説、登場人物小ネタ(ネタばれあり)
作中の技術と法律について
技術
宇宙ガジュマル
宇宙産のガジュマルによく似た植物。マングローブのような生え方にも少し似ていて、放射性物質の豊富な水辺で育つ。放射性物質を吸収して無害化する。鉛と違って絶縁体になりうるので、半導体に用いられる。半生体半導体とも呼ばれることがある。
電子樹
タイジュの開発した生体半導体の技術。宇宙ガジュマル式の半導体に比べて動作は少し遅いが安全。馴化が利点なのか課題なのかは人による。
水平ダイラタンシー
地球上では重力とちょうど釣り合うくらいのダイラタンシー流体によく似た何か。小引力装置でちょうどいい具合に引っ張ってあげると形がうまく保てる。縦方向には釣り合ってしまうので、縦方向に拡張したい場合は、横倒しにして拡張して戻すなど工夫が必要。
小引力装置
磁石に似ているが、S極とN極がなく、樹脂も引き付ける。作品内ではどうやって小引力装置同士を近くに配置しているのかの言及がない。作者もわからない。いい感じに剛体でつなげている可能性がある。作中世界では、有識者から、小引力装置ではなく、「引力小装置」が日本語として正しいのではないか、という指摘があるらしい。小引力装置の方が、大きさに比して引力そのものより力が大きいためである。
光合成する建材
太陽光パネルに代わって愛されている発電装置。
経験統合型AI
自由エネルギー原理などによる複数の専門家AIからなる合議体に判断をさせる複合型AI。
スワンプマンズAI
経験による指向の蓄積などによるAIと、それらを個人ごとにチューニングしたものの総称。
法律
個人情報保護法
現代から改正あり。センシティブなデータと知って同意なく覗くだけで違法。
器物破損
現代とさほど変わらない。ただ、ペットを器物と扱わなくなった模様。ペットに関しては別の法律がある。
傷害
現代とさほど変わらない。
殺人
現代とさほど変わらない。現代と同様に公訴時効なし。
名誉毀損
現代より複雑化している。作者もよくわからない。
登場人物紹介
水辺タイジュ
本作主人公。電子樹式の生体半導体の発明に成功した。恩師の教育方針の影響で、法律にも少し詳しい。プログラミングは苦手。地球を離れる前のトラブルと四年間の旅路のせいでやさぐれていたが、基本的にはお人よし。
縦森マコト
母親の父親との死後離婚の前の前の苗字は取鐘。縦森財閥の関係者。プログラミングが得意。おしゃれをするのが好き。爪に半導体を仕込んでいる。爪に仕込む半導体が旧式なのは、母親が被ばくを心配するため。
取鐘セイジ
タイジュの恩師。半導体が専門だが、他の分野の教養も深い。娘や妻のことを大事にしていた。タイジュがセイギに利用されることを危惧していたようだ。
タイジュの父
優しいが、卵をぶつけてきた犯人を見つけるために迅速に目立たない監視カメラを付けるなど、たくましい父。料理はたまにしかしないが、他の家事はよくする。タイジュがお人よしに育ったのは、父の母に対する穏やかな態度を見て育ったことも大きい。
タイジュの母
年を取る前はマシンガントークの勢いがすごかった人。最近は少しゆっくりとしたしゃべり方をするようになった。料理が得意。
草舘さん
気のいい大学教授。ノリのいい下町育ち。人にプレゼントや気を遣うことがスマートにできるイケメン。既婚者。娘が二人いる。
高秋教授
草舘さんと同じ大学の吹奏楽サークルの後輩。しかし同じ時期に大学に通ったことはない。草舘さんが卒業してからも大学のサークルに学園祭などで度々顔を出すので知り合った。粘菌愛が強い。ワインも好き。音楽も好き。
取鐘ミユキ
マコトの母。セイジの死後、苗字を変更するために死後離婚した。専門は法律。マコトにはあまり法律の話をしない。スワンプマンズAIの存在は知っていたが、その実態とマコトの関与を知らなかった。マコトのためを第一に考えている。
桟橋さん
タイジュが縦森エレクトロニクスに入社できるよう社長を説得した。タイジュにとって恩人である一方で、セイギが会社で何を行っているかも正しく把握しており、個人情報の扱いに関しては違法になる可能性がある人。よく慣らされた企業人なので、企業にとって何が得か、部下の責任感をどう育てるか、などの感覚がある。
縦森セイギ
取鐘教授を殺した犯人。縦森エレクトロニクスの社長。縦森一族の中ではそれほど地位が高くないのがコンプレックスである。空手が得意。実のところ、タイジュのことは一旦脅した後に懐柔する予定だっただけで、殺すつもりなどなかったようである。急所を外して攻撃しているのはそのためでもある。脅す材料にはマコトが使えると思っていた様子。




