09話 男達の正体
そして俺は、リルに話す事にした。
「条介、話って?」
「ああ、その事だが...」
リルに話を聞いて、何か分かるのならいいのだが、話した時にリルの過去の記憶にも繋がるかもしれない...
「なあリル」
「何?」
「お前って...霊術って知ってるか?」
「ゴメンなの事...っ!」
俺は聞いた。そしたらリルは、
「霊術...」
「...?」
リルは何やら呟き始めた。一体何を呟いているのか...するとリルの口から、
「...霊力..」
「え...?」
...今”霊力”って聞こえた気がする...。俺はその事について聞いてみた。
「...なあリル」
「何?」
「今”霊力”とか聞こえたけど、気のせいか?」
「え...、私そんなこと言った??」
「...?」
どうやら、無意識に言ったようだ。だが、それにしても”霊力”とは何だろうか...。そして、俺は月宮に言われた事を言った。
「そうだ、今度俺の学校の奴がお前に会いたいそうなんだ」
「そう..なの?」
と、リルは不思議そうに言った。まあ、リルはこの世界の人間と話したのは、俺を除いたら、月宮ぐらいしかいないからな..。リル本人は、あの時の女の名前が月宮弥生と言うことは知らないが....
「えっと...その人はどんな人なの?」
「え、そんな事言われてもなぁ...」
どんな人?と言われても...なんて言えばいいのか分からない。でも、言わない訳にもいかないだろうな。
「まあ、普通の人だよ」
「それだと余計に心配なんだけれど」
「まあ、お前もあってみれば、そんなに驚かないさ」
「...?」
リルにはそう言った。そして月宮には電話で、
プルルル...
そして、
「...もしもし」
「もしもし?神田だ」
「あら、神田君。こんな夜遅くにどうしたの?」
「リルの事についてだ」
そう言って俺は、
「リルは明日にでもいいそうだ」
「そう、なら助かるわ」
と、月宮は言った。そして、
「じゃ、明日よろしくね神田君」
「おう」
ガチャッ
俺は電話を切った。そして翌朝、
「...よし」
そうして俺は、
「おーい、リルー?」
「んーっ!何、条介?」
背伸びしながら起きてきたリルは、眠そうに言った。
「今日は一緒に学校に来てもらう事になった」
「えっ!?」
と、リルは驚いた表情を見せた。まあ、そりゃそうなるわな...すまない、リル.....
「えっ、ちょっと条介、どういう事!?」
「まあ、いきなりすぎるかな、すまない...」
そして俺は、リルを連れて学校に行くことにした。
「おいおいあの子マジ可愛くね!?」
「本当それな!」
「隣にいる男が羨ましい...」
「...」
「条介?」
と、リルは首を傾げながら言う。周りからは羨ましがられているらしいな...まあ確かにこいつは、正直言うとその...美人ではある事は確かだからな....
「...(チラッ)」
「...条介?どうかした?」
「いや、何でもない...」
そして、
「あ、おはよう条介ー...えっ」
夜戸が少し驚いた表情で言った。恐らくリルの事だろう。
「ねぇ条介...その娘は...?」
「ああ、こいつはその...訳あって俺の部屋に住んでいる」
と、そう言うと夜戸は、
「えーっ!!条介それ本当!?」
「おい、いきなりなんだよ...」
いきなり驚かれたので、思わずびっくりした。何故そんなにも驚くのか...まさか変な誤解されてたりとか.......?
「何か変か?」
「え、でも条介、女の子と住んでるって...///」
「っ!そういう事じゃないよ!?!?」
と、長引いたが、
「おはよう神田君」
「あら、月宮さん!おはよっ!」
「おう、月宮」
月宮が登校してきた。すると、リルと月宮の目が合った時、
「え、条介、この人...」
「ああ、その人だ...」
と、俺とリルはコソコソと話した。そして、
「...神田君」
「ああ、分かってる...」
「ここなら、誰にも見つからないでしょう」
俺達は場所を変えた。勿論、人がほとんど来ない場所だ。すると、
「あなたは...」
リルが言う。まだ名前を知らないからだ。
「はじめまして...という事でもないけど、一応自己紹介はしておくわね。私の名は月宮弥生。神田君と同じ17歳で、この学校に通ってるわ」
「はあ...」
「あなたはリルさんでいいのよね?」
「はい...」
リルと月宮の自己紹介が終わり、本題に入る。
「で、リルさんに聞きたいことなのだけれど、」
「何でしょうか...」
「あなた...この紋章に見覚えはある?」
すると月宮は、リルのネックレスと同じ形の紋章が書いてある写真を出した。するとリルは、
「っ!」
「何か知っているの?」
と、月宮は聞く。リルはしばらく黙ったが、
「ごめんなさい...私もその紋章については知らないの。ただ、この世界に来る前の記憶が無いから、分からないけど、私の今付けてるネックレスと同じ形をしているのは知ってるわ...」
「...そう。じゃあ霊術については?」
「それも分からない...」
そうリルは言った。そして今度は、月宮が俺の方に向いて、
「そういえば、神田君にも話しておきたいことがあるの」
「何だ?」
と、俺が聞くと、
「この前リルさんを捕まえに来た、あの男達についてなんだけど...ついに正体が分かったわ」
「何っ!本当か!?」
と、俺は聞いた。これでもし、あの男達の正体が分かれば、霊術について分かるかもしれない...
「で、あの男達の正体は?」
「あの男達の正体は...」
「”霊術使い”よ」
月宮はそう言った...
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