91話 増える分身
住宅街を猫のようにスルスルと抜けていくと集合住宅が見えてきた。
「あそこが私の家だ、まぁママがいるけど仕方ないよね」
「もしかしてニー」
「言わせない、きちんと殺し屋だよ」
「わぁお」
私とフローズンさんは家に入ろうとドアノブを少し開け、するとフローズンさんの手が止まった。
「どうしたの?」
何やらブツブツと言っているがどうかしたのだろうか?
「今日ママは釣りだったよな……」
するとフローズンさんは思いっきりドアをバタンと閉めた。
「二階から飛び降りるぞぉ!」
「えぇぇええ!?!?」
私はフローズンさんに抱えられ、二階から飛び降りた。その直後ドアが吹き飛んだ。
「ぐおぉ!?」
フローズンさんは地面を激しく転がり、立ち上がった。
「このやり口……まさかあいつか!?」
「そうだ、あいつだ!」
草むらから現れたのは頭をしっかりと隠す白いマスクと黒のスーツに身を包んだ人が現れた。
「こりゃ厄介な野郎が現れたな……」
すると私にこう言ってきた。
「今すぐ帰って鉈を取ってこい!」
「分かった!」
私は敷地の外に出たが目の前にさっきの奴が現れた。
「俺は増えるぜ?」
「さっきは向こうにいたのにどうしてだ!?」
さっきまでフローズンさんの場所にいたはずだが……いったいどうなってる!?
「先手はもうすでに打ってるってわけね……」
フローズンさんはゆっくりと私に近寄ってきた。
「だけど、私が例のアサシンだと知らないの?」
「知ってるさ、殺害数4桁のフローズンだろ?」
「お前は食ったパンの数覚えてるのか?」
「覚えてねぇな!」
「私だって殺した人数は分からない、3桁かもしれないし4桁かもしれない、はたまた5桁かもしれない」
「それがどうしたってんだ!」
「時間を作ってくれて助かるよ。まぁお前の性格上、仕方ない面もあると思うけど」
するとフローズンさんの周りには細かな粒子が漂い始めた。
「これがザ・ワールドだ、覚えて死ね」
フローズンさんの目が一時的に青になったと思ったらその粒子を拳に纏い始めた。
「これを習得した手はカチカチの物質だったがな……理解を深めたらこんなに小さくなっちゃった」
するとフローズンさんはそいつをフルスイングでぶん殴った。
「ドラァ!」
殴られた本人は断末魔すらあげず、肉片がそこら中に付着した。
「……まだどこかにいるだろ」
そう言ってフローズンさんは周りの警戒をしていた。だが襲ってはこなかった。
「奴は分身を使ってくるからややこしいんだ」
フローズンさんは粒子的な物をどこかに追いやった。
「それって……」
「さっきの粒子か?私が持っているレガリアの派生形、いや進化形と言っても過言ではないものだ」
「進化形……なんかカッコイイ」
「だろ?というか部屋の消化しないと!?」
私とフローズンさんは消火器を集めれるだけ集め、それを火の中に噴射していった。そして鎮火し、火事にはならなかった。
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