79話 大切な友達
伏黒さんに抱えられて公園にやってきた私は富田さんに連れてきたと伝えた。
「連れてきたよ」
「どうも」
「ヤクザじゃないか!?」
「極道と訂正をしてくれないか、それであのガキがゲームセンターを荒らしているのか」
「そうですけど……」
「なら行ってくる」
私を椅子に座らせた伏黒さんはゲームセンターに入って行った。
「まさかあの人と繋がってたとは……」
「いやぁ……綾瀬さん繋がりですよ」
伏黒さんがゲームセンターに入って3分後、学生を公園に連れ出してきた。
「こら!ゲームセンターで暴れるんじゃない!」
「別にいいじゃないですか、小学生いないですし」
「お前らが暴れるから小学生が寄り付かないだけだ!」
「なんだとコラ……俺らが悪いからって言いてぇのか!!」
学生がそう言うと富田さんの頬を殴った。
「痛い……けど俺を拾ってくれた社長には感謝をしてるんだ……」
すると富田さんの雰囲気が変わった。
「ならもう手加減は無しって事だね」
そう言うと富田さんはファイティングポーズを取った。
「ほぉ、ファイティングポーズをとるか、なら俺も取ろうかな」
伏黒さんは富田さんが叩かれた時から殺気を出しているが学生は気が付かなかった。
「なんだおめー、俺は無敗だぞ?」
「威勢のいいガキだな、一度負けてみるってのも経験だぞ」
すると私を椅子からどかし、その椅子を両手で持ち上げた。
「おりゃぁ!」
伏黒さんは年を感じさせないように椅子を景気よく学生の頭にフルスイングした。
「ぐおあぁぁ!!」
「ってここの椅子は脆いな」
顔を椅子でフルスイングされた学生を横目に他の学生は散り散りと逃げていった。
「俺は帰る、この前の傷が突っ張る」
「ありがとうございます!!」
「ああ」
そう言って伏黒さんは路地を通って帰っていった。
「いたいた!」
「あっ、社長!?」
「いやぁ……ここの店舗の店長が襲われてるって言われて急行してみたらもう終わってたってのが僕の感想だ」
「そうなんですね……」
「しかし、ここの店舗に来る学生ってどうしてやんちゃなんだろうねぇ」
「やんちゃ?」
「そう、富田君もそうだし、今の大和組組長の伏黒君もやんちゃだったんだよ」
その時、路地からは伏黒さんが聞き耳を立てていた。
(……あいつの声だ)
「怪我は大丈夫かい?」
「大丈夫です、でも服が汚れて」
「いやいいんだ、服なんて洗って使えばいいんだ、それに店を守ることをしたんだ」
「社長……!!」
「今日一日はここにいるからさ、相談は乗るぞ」
「ありがとうございます!!!」
そう言って富田さんはゲームセンターに戻っていった。
「それで、君は学生を撃退してくれました?」
「いや、伏黒さんが撃退してくれました」
「そうか、ここに来てたのか……もう一度会えたら……あの頃みたいに一緒にゲームをしたいな」
その声に伏黒さんは胸に手を当て、そして路地の奥に消えていった。
「じゃ、僕はゲームセンターにいるから」
そう言って社長さんもゲームセンターの中に入って行った。
「……伏黒さんもここに通い詰めてたのかな」
そう言って私はその場を離れた。
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