78話 時の流れ
私は綾瀬さんにバナナバスケットを持っていった後、商店街を抜け、ゲームセンターのある通りに出た。
(人がいっぱいいるな……って何か視線を感じる)
私は視線を感じる方向を見た、すると切り裂きジャックがこっちを心配しているように見えた。
(……これって近づいてもいいのか?)
私は作り笑顔で切り裂きジャックの元に向かった。
「何見てるのさ」
私の顔を見た切り裂きジャックは少しだけドン引きしていて後ずさりをしていた。
「へぇ、私の笑顔を見ると後ずさりしちゃうんだぁ~」
そして耐えられなくなったのか切り裂きジャックは壁を登ってどこかに行った。
「私の笑顔が明るかったのかな」
私は路地裏を出た、そして公園に向かうと時代とは逆行しているような派手な服の男の人がベンチに座っていた。
「はぁ、どうしたら子供に好かれるんだろうなぁ」
「お困りごとですか?」
私は無意識にその人に話しかけていた。
「困っているんだけど……見覚えのある顔だね」
「私は見覚えが無いのですが……どなた?」
「富田っていうあそこにあるゲームセンターの店員だよ」
富田さんが指さしたゲームセンターは私と壊黒、そして綾瀬さんが行った場所だった。
「あそこのゲームセンターなら私行ったことありますよ」
「そうなんだね……最近子供たちがこの店に来なくなってるんだよね、それで中にいる中学生か高校生が暴れているから来ていないのかなって思ってて」
「確かに暴れていたね、それでどうするの?」
「それで出禁を言い渡そうとしても力でねじ伏せてくる、ここの警察は頼りないってのは知ってるだろう?」
「たしかに頼りないですね、どうしたのかな」
「だからどうしたものかと」
「……私に任せてもらってもいいですか?」
「いいけど、誰に頼むんだ?」
「私の知り合いに頼むつもり」
そして私は富田さんの話を終え、その足である場所に向かった。
「すまない、アポなしで」
「ああ……と言うか綾瀬さんはどうしたんだ?」
「あの爆発で背骨がバッキバキになったらしいですよ」
「そうか……後で詫びのバナナをもっていかないとですね」
そして私は伏黒さんに会いに行った。
「やっほー」
私がフランクな挨拶をすると後ろにいた屈強な男は私をひょいと持ち上げた。
「それで、今日はどうしてきたんだ?治療費の請求か?」
「治療費の請求はいらないでしょ、それよりもここに数十年住んでる伏黒さんなら分かると思うけどゲームセンターあったでしょ?」
「あったな、それがどうした?」
「そこ中学生か高校生が暴れているって」
「ほぉ、それで」
「ちょっとシバいてほしいって、私は肉体派じゃないし」
「よしわかったいく」
伏黒さんは私を屈強な男の腕から奪い取り、そのまま歩いて行った。
「あの~私歩けますが?」
「俺もどうしてこうなったのかがわからないのだが」
伏黒さんもどうしてか私を抱えているのが分からないらしい。
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