77話 回復
翌日、私の怪我は治っている気がした。
「よっこいしょ」
「あれ、千尋!?」
「なんか治ってた」
「えええ!?!?」
「じゃ、またねー」
代金は組が出してくれると言っていた。北小路組が無理やり連れてきたからという理由で。
「さてと、これからどうしようかなぁ」
私は暇すぎてとある商店街に向かった。
(ここの人たちって本当に温かいなぁ)
「そこの嬢ちゃん、ミカンいるかい?」
「いえお金が今ないので」
「いや上げるって言ってるんだよ、代金は出世払いで」
そう言って八百屋さんの人がみかん一つ、私の手のひらに置いてきた。
「ありがとうございます」
「そういえばあの巫女さん今日見てないんだけど、元気にしてるか?」
「今は元気じゃないですね」
「そうかそうか、ならこのバスケットを持っていってやって」
私は八百屋さんにバスケットを渡された、それにはあふれんばかりのバナナがあった。
「でも採算が」
「いいのよ、うちは利益よりも客の笑顔だからな!ガハハハ」
「ありがとうございます……」
私はそのバスケットを持って綾瀬さんの元に向かった。
「綾瀬さん、生きてますか?」
「生きてるよ!!!ってその芳醇な香り……まさか!?」
「八百屋さんがお見舞い品って渡してくれたんだ」
「あのおっさんだしやりかねんよな、こんな芸当は」
「芸当?」
「ああ、バナナ見て?十分に熟しているんだ、これはたしかシュガースポットって言うんだっけ?それがいっぱいあるととても美味しいっていう奴だ」
「そうなんだね~」
「ありがとーね~」
綾瀬さんはバナナを食べ始めた。
「これだったら毎日食べてたいなぁ」
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