63話 好かれた奴
あの世とこの世の狭間の中の刑務所はどことなく荒れている人がいっぱいいた。
「へぇ~亡霊もここに……」
「千尋、この依頼ってさ、自然発生した悪霊を祓う仕事なんだけどさ……明らかに人為的な悪霊いるよね」
あたりを見渡せば人型の霊に紛れて黒い靄がかかっている悪霊が居た。
「確かに……黒い靄が見えてる」
「黒い靄?私には見えないな」
「ちょっと話しかけてみる」
私は黒い靄がかかっている悪霊に声をかけた。
「すいませーん」
「あれ……千尋!」
「どしたー?」
「後ろ……振り向いてみろ」
私は後ろを振り向いた、すると切り裂きジャックが真後ろに立っていた。
「ってワァァ!?!?」
「……陰と陽、交じりあう時、それは翼として現れる」
すると私に向けて黒い球を渡してきた。
「なにこれ?」
「……触れ」
私は言われたまま黒い球に触れた、すると背中から何かがバサッと生えたような感じがした。
「千尋……何だそれ」
「この翼……これ私生えてたっけ!?」
それは白色の翼と黒色の翼が交じりあっていてとても奇麗な翼になっていた。
「……へぇ、あの切り裂きジャック、とても強い存在なのか?」
私は鉈を持ち、黒い靄がかかった悪霊に近づいた。
「あの~?」
近づいたと同時に悪霊が私を襲おうと振り向いてきた。
「って来たぁ!!」
私は翼を使って一気にバックステップを踏んだ。
(この翼……使い勝手がいいんだね……)
私は翼を使ってはばたき、悪霊に向かって飛んでいった。
「おりゃぁ!!」
気の抜けた声で鉈を振った、すると白い斬撃波が悪霊を捉え、そして悪霊の体を両断した。
「あれ……前振ったときは赤色だったのに」
「千尋……その翼……大丈夫なのか!?」
「体には影響はない、けどこの翼あったかいよ」
私は翼で綾瀬さんを包み込んだ。
「確かにあったかい、だけどどうして切り裂きジャックは千尋にベタぼれなんだ?」
「分からない」
「そりゃわからないよねぇ~高木に聞いてみないとかなぁ~」
「高木、出番だぞ」
私は高木を憑依させた。
「それで、何が聞きたいんだ」
「高木に入れ替わった……目つきも違うし……どうして切り裂きジャックに好かれてるんだ?」
「私のお母さんだから」
「お母さんって……血のつながりはあるの?」
「無い、けどお母さん」
「一体どうなってるんだよ……」
綾瀬さんはとても困った様子だった、ここで高木を憑依させるのをやめた。
「どうした?」
「千尋に戻ったのか」
「それで何かわかった?」
「いいや、新しいことは分からなかったな」
「そっかぁ……それで依頼はどうするの?」
「続けるけど、危険になったら離脱するつもり」
「わかった、ならレッツゴー」
私たちは依頼を進めていった。
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