58話 鉈
私は綾瀬さんに抱えられて寺に運ばれていった。
「しかし高木とあいつの関係性がいまいちわからないんだよな……」
「そうですね……」
「体は動くか?」
「いいえ……まだ動かないです」
「そうか、ならしっかりと休んで体力をつけろ」
「はい……」
そして私は布団に寝かされ、そのまますんやりと眠った。
「……眠ったか、しかしよぉ……どうしてこんな複雑怪奇なことになったんだ?」
「どうしたんだ?」
「なぁ~本当に困りに困ったよぉ~」
「どうして消費者金融のチワワのように震えてるんだ?」
「あなたこそどうして滝行をしてきたように濡れてるの?」
「間違って水を被ってしまってね」
「そうなのね……」
その時、私の体の近くに切り裂きジャックがいた。
「……」
「テメェ!!!どうしてここにいるんだ!!」
綾瀬さんは戦闘態勢に入ったが切り裂きジャックは私の枕元に何かを置き、そのまま去っていった。
「何を置きやがったんだ」
綾瀬さんは私の枕元を見た、するとそこには鉈のような刃物が置かれていた。
「鉈か?これ?」
「鉈のようだけど、霊力が宿っているな」
「霊力が宿る鉈……ちょっと持ってみようか」
綾瀬さんがその鉈に触れると電流が走ったような痛みが現れたという。
「……そういう事ね」
「認められたものにしか触れられない鉈っていう事なのか」
「そういう事だね……やれやれ、厄介な奴に目をつけられたものね」
そして綾瀬さんは布団を用意して眠りについた。
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