22話 切り裂き
フローズンさんが物陰を調べている間、私たちは人だったものをじっくりと見ていた。
「……千尋」
「どうしたの?」
「この人、最近悪霊になったんだ、だがこれを悪霊と言っていいのかがわからないんだ」
「巴も綾瀬と同意見だ」
「人だったものを悪霊と言うのはいけないんですね……ならどんな言い名にするんですか?」
「……呪いのような物を感じるんだよな……まるで故意的に体を変えられたっていう」
「故意に体を変えられた……?」
「ああ、魂の形を変えるっていう例え方が合っているのかもな」
「呪い……抜け殻……冷たい……」
「何か思いつくか?」
「呪いの抜け殻!」
「おうダサいネームをつけるのが得意なんだな」
「ダサいのか?」
「ああ、本当にダサい、泥水のようにダサい」
「巴……そこまで言うか?」
「私だったら死に殻って言うけどな」
(うわぁ、巴さんもクソダサネームをつけるじゃんかうわー)
「なら呪いの呪と抜け殻の殻をくっつけて呪殻をつけるのは?」
その時、道路に何かが吹っ飛んでくるような音がした。
「……そこ危ない」
私は巴さんにそう言った。
「何が危ないんだ?」
すると家と家の間から人が飛んできた。
「ゴフェア」
「巴……そこ危ないって言ったじゃん」
「そうだけどさ……人が飛んでくるとは思わないじゃ」
「あれぇ?まだ生きてるんだ」
「あっ!テメェ!!!私を殺そうとして投げただろう!!」
「いいや、そいつまだ息してるぞ」
「こいつが呪殻を作ったのか?」
「物陰から見ていたからほぼ確定だな」
「よぉし、お前は死刑だ!」
するとフローズンさんが急に倒れてる人のそばに瞬間移動をし、霊媒師に拳を叩きこんだ。
「ブッギャラバァァァ!!!」
霊媒師は上に吹っ飛んでいき、そして植え込みに突き刺さった。
「ふぅ、清々しいな」
(今の動きは何だったんだ……?まるで瞬間移動で殴ったかのように!!!)
「……私のレガリアの真価見せてなかったっけ?」
「確か時止めですよね」
「ああ、時止め中は人をぶん殴っても何もないんだ、だが時が流れ始めた時、蓄積された力が解き放たれて……そのまま吹っ飛んでいくんだ」
「そうなんですね……」
「リボルバーとかと相性がいいんだけどな……あいにく今は持ってきてない」
「そっかぁ」
そして植え込みに刺さった霊媒師をとにかく拘束をして警察に渡した。
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