第4話「春祭り(死祭)の霊都」〈9〉生贄(サクリファイス)
(^ー^)ノRPG要素の追加中。
第4話「春祭り(死祭)の霊都」〈如才のなさとは敵を作らずに自分を主張することである〉Tact is the knack of making a point without making an enemy
草創歴0444年5月5日〈9〉
今日は朝からアムとは別行動である。
全員、朝食は早めに切り上げての、各々の仕事で大わらわだ。
まず朝一番の俺の大仕事は、音無しの塔院に出勤する前の、とても慌ただしい男装の煌王女さんを引き留めることにあった。
「おい。今夜の件なんだが…。」
「え?はい。夕刻までには戻ってきますよ。お手伝いが出来なくて申し訳ありませんが…。」
心底、申し訳なさそうに男装の煌王女さんは言うが、勝手に女中さん番号1と2を動員している俺が言えた義理でもない(笑)。
しかしながら、お前の手伝いは食器類の破損に繋がるだけなので、誰も求めていないがな。
「お前も、兄ちゃんと金策で苦労しているみたいだからな…あんま無理はするなよ。」
「…はっ?」
まさかの俺からの労わりの言葉を受けてキョトンとするも、そのうち、はにかみながらも微笑む男装の煌王女さん。
「…それが煌王家の血を引く者の務めですので…でも、ありがとうございます。」
ちょっとだけ顔色が良くなったかな。
気苦労のせいか、ここのところ常に青白い顔をしていたからなあ。
なら、ここであともう一押しか?
「で…ちょいとお前の兄ちゃん、今夜顔を出せないかな?旨いもん喰えば元気になるだろ?」
「ええ…なるほど……って、えええっ!?!?」
ちょっと間を置いての驚愕の叫び。
そんなに驚く内容だったか?
「いやな…俺からの個人的な話もあるが、アムの奴に引き合わせたいと思ってな。」
「いえ…しかし兄上は煌太子の身の上…それはちょっと。」
「まあ、悪い話じゃないと思うんだがなあ…お前達、金策で困ってんだろ?後悔はさせないつもりだがなあ…何てったって、今夜はギルドの関係者も招待してるし…まあ、色々となあ…。」
ちょっと語尾を濁してみた。
しかし、これでどうにかなりそうな予感。
「スッ、ステリアス殿っ!!」
うおっ!?男装の煌王女さん、我を忘れて俺に掴みかかって来やがった。
「…この件は他の者には内密でお願いしますっ!!」
どうやら資金繰りに気が病んでいたっぽい。
はいはい、きっと万事上手く解決する筈さ。俺もお前達もな(笑)。
◆ ◆ ◆
と言うことで、じゃあ僕は行ってくるからね。
僕の目が無いからって、無茶な事をしちゃ駄目だよ?って言ったら、いつものように僕の相棒はぶっきらぼうに言った。
「うるさい。さっさと行け。」
まったくもう。相変わらず口が悪い。
そして何より気に入らないのはあれだ…僕の代わりに手に持った黒色の重剣ってやつ。
ぬぬぬ…嫉妬してるわけじゃないけどねぇ。
なんかしっくりこない。
「とにかくだねぇ、君は僕が書いた小売契約承諾書、新規参入委託書、申請書類をギルドに提出して、今夜使う食材をきちんと買ってくることぉ。」
「ちっ。分かってるよ。」
本当に分かってるのかな?こんな時にクロちゃんが不在ってのが痛いねぇ。
彼はクロちゃんがいると、それなりに体面を気にするところがあるのだ。
そんなクロちゃんは人手不足もあり、客間で昏睡中の「奴隷番号104」の見張り役(?)を買って出ている。
だから今日、相棒と行動を共にするのは狼人種君だけだ。
不安要素は段違いだよ。
「…でも大嵐君がいるから平気かなぁ。」
「いいから早く行けよ。玄関で喫茶店の主人が待ってんだろ?」
おっと。そうだったね。
既にここトーパチオ士爵家の屋敷の玄関口には、横付けされた豪華な馬車が待機中であったのだ。
さすがに今回ばかりは、お気に入りのジンジャーブレッドクッキーを持って行けないのが悲しい。
「じゃあ、行ってくるねぇ。昼過ぎには戻ってくるよ〜。」
女中さんのメアリお姉さんとアンリお姉さんが「「行ってらっしゃいませ。」」と送り出してくれた。心休まるねぇ。
ちなみに今日の僕の衣装は、ありふれた濃緑色の飾内服を着用し、水色の襟布でアクセント。
あまり目立たないようにはしたけど、それでも滲み出す気品って言うのかな?それは隠しようもないね。
「ショ…コホンッ。アム・ロン様、おはようございます。」
顔を出すと同時に、喫茶「スタージョン」の主人さんこと、ルーク・アレグザンダー子爵が馬車から声を掛けてきた。
こちらはいつもの燕尾服ではなく、見た目もビシッとした紫紺色の貴族服でのお出迎えである。
いつもと印象がガラリと変わっているね。
「ありがとうございます、子爵。」
「何を仰います。ささっ、お脚元にお気を付けて乗られてください。」
いやぁ。気を使う人だねぇ。
逆に僕が気を使っちゃうよ〜。
馬車は典型的な貴族仕様で、高価な革張りの座席が向き合う形だ。
御者は使用人の1人で、労働馬の二頭立て。
それが走り出してから気付いたのだが、やはり乗り心地は僕等の勝利者とは比べ物にならないね。
まあ、あっちは日々自己進化している代物で、室内灯がニョキニョキと増えたりしている最中で、僕の相棒は全然気付いてないだろうけどね?
なにしろ付喪神から妖怪神に進化してから、血に飢えてる感じがあるから要注意だよ。名前自体ヤバイし。
にしても、車輪の衝撃を抑える安定装置の開発はまだまだだねぇ。
整備された首都内部の沿道でさえ、このゴトゴト感だ。
僕の発案で馬車を開発でもしたら、これは売れまくるんじゃないの?
出力機関に代用できる魔道もありそうな気がするし。
既に僕の妄想の中では流線型の高級車っぽい物が走り出している。
「…アム様?」
「え!?はっ、はい、何でしょう!?」
おっと危ない。現実逃避するところだったよ。
「アム様、ストーク邸の改修工事の為に発注しました資材と人員の一覧表と伝票がこちらになります。」
「ああ、どうもです。」
主人さんから受け取った伝票には総額、煌皇金貨200枚と請負会社である「グルーべ商店」の名前がある。
200枚となると、円で換算して2000万円くらいだねぇ。
そして別個に1日の日当で1人煌白銀貨5枚で計10名。
少なくとも1日で煌白銀貨が50枚の出費となる。
しかし12年間、雨晒しであった屋根や床材を片っ端から剥がしての、総張り替えである。
更には、傷んだ箇所の壁材も総取っ替えの指示を出してあった。
今日は改修に何日ぐらいかかるかの目星を付ける為に、現場の視察を兼ねて棟梁さんと打ち合わせの予定なのだ。
そして、各部屋の壁紙と建具類の相談もある。
「アム様、グルーべという男はちょっとした難物ですが、口も堅く信頼に足る人物ですのでご心配なく。」
「ええ。あなたが推薦する人物ならば、疑う余地もありません。」
主人さん曰く、職人気質な性格らしい。
付き合い自体もかなり古いようだ。
彼等、グルーべ商店は一足先に現場入りしているとのこと。
さすがに職人は朝が早い。
そして僕等を乗せた馬車はと言えば、第2内壁とは比較にならない程の壮健な丘壁と城壁装飾によって築かれた分厚い第1内壁に到達。
ぶっちゃけ、今の僕は爵位持ちでも何でもないお子様だから、例え相棒と一緒でも一等貴族区画に入る手立ては無いわけである。
空をビューーーンって飛んでいく以外はね?
なんで、同行者に主人さんが必要不可欠と言うわけだ。
だって、実際の購入代行者は主人さんだしねぇ。
それにしても、この第1内壁の内部は落し扉門による仕切りだけでも5つの区画に分けられている。
とにかく厳重な警備体制である。
やっぱり一等貴族区画に住まう貴族こそが本物って意識の表れだねぇ。
まさにアレグザンダー子爵様さまだよ。
「…私の同行者についてだが、書類上は問題無い筈だがね?」と言いつつも、区画ごとに袖の下(賄賂)を管轄員に渡しているあたり、騎士上がりの子爵として、それなりに社会の闇に精通しているようだ。
「ルーク・アレグザンダー卿、いつもの事ですからな。あまりお気を回さずに。」
「はっはっはっ。そう。いつも通りによろしくな、プロスパー管轄長。」
お互いに顔だけは朗らかな対応で通り過ぎて行く。
腹の中ではギスギス感が醸し出されているが。
だけど、僕を見た管轄員の顔は三者三様である。
渋い顔もあれば、何かを期待するかのような眼差しもある。
「なんか…迷惑をかけてすみません。」
最終区画を抜けた馬車の内部で、僕は主人さんにペコリと頭を下げた。
「はっはっはっ。何を仰います?ストーク邸を元の姿に戻したい…これは私にとっても念願なのですよ。」
しかし主人さん、旧ストーク邸を買収する日を待ち望みながらも、周囲の目もあり実行に移す事が叶わなかったのだと言う。
買収を持ち掛けたのは僕だけど、僕が相棒(特措法)と行動を共にしていたおかげもあり、煌王家との繋がり(?)もあり、実行の機会に恵まれたのだと説明する。
そこら辺、微妙な境界線なんだろうね。
「何でしたら、購入金額を私が請け負っても良いのですよ?そのつもりでいましたし。」
「いえいえ。そこまでして頂くわけにはいきませんよ。」
ここで借りを作る気は毛頭無いのである。
主人さんには、もっと他のところで資金をばら撒いて欲しいのが本音なのだ。グフフフっ。
それから数分後、馬車は突貫工事の真っ最中の、あの屋敷へ。
そう、2日前に迷子の体で忍び込み、襲い掛かる秘密結社の準構成員達をバッタバッタと打ち倒し、地下室の拠点に溜め込んでいた資金を総て持ち逃げさせてもらった、あの惨劇の旧ストーク邸である。
「さあ、アム様。着きましたぞ。」
陽の光の中で見る旧ストーク邸は、その規模から言えばトーパチオ士爵の屋敷に匹敵する大きさであった。
しかし長年の放置により、玄関周りの庭園は荒れ果て、噴水は崩れ落ちて在りし日の面影はない。
だがトンカントンカンと各所から鳴り響く金槌の音。
寝る子も起こす12年後の大騒動である。
「おいっ!ルークの旦那!!」
赤ら顔で小太りの親父さんが馬車に駆け寄って来た。
頭に捩り鉢巻きをし、曲尺を腰に差した大工姿で、身軽そうな足取りだ。
そして目はキョロキョロと、ちょっとネズミっぽい。
あれ?既視感?
「おう!グルーべよ。進捗具合はどうだ?」
扉を開け放ちて開口一番、主人さんはそう聞き返した。
「お前な…進捗具合も何も、中はメチャクチャだぞ?壁には幾つも穴が開いてるし、何がどうなったらこんなに劣化するんだって具合だ。」
「まあ、そう言うな。それを直すのがお前の仕事だろう?」
「そりゃそうだがな…で、旦那?その子が例の?」
「ああ。…アム・ロン様だ。」
紹介されて、僕は「よろしくお願いします。」と頭を下げる。
ジロリと見た後、ニカリッと口の端を緩ませる大工姿の親父さん。棟梁?っぽいから、グルーべの棟梁と命名しよう。
「確かにっ!親方様の面影があるじゃないかっ!!ふはっはっはっ!」
「笑っている場合じゃなかろう?早くアム様をご案内せよ、グルーべ。」
主人さんにたしなめられ、ポリポリと頭を掻く棟梁。
なかなか愛嬌がある親父さんだ。
僕等は、そんなグルーべの棟梁に案内され、屋敷の内部に立ち入った。
訪れるのが2度目とは知られる訳にはいかず、ちょっと緊張したものの、それもまた良い方に作用したようだ。
「…アム様、本来であれば、改修した後で赴いて頂いた方が良かったかもしれませんな。この有様を見せるのは正直、心苦しいのです。」
この人、本当に苦労性だよ。素晴らしい紳士。
「まあ、心配しなさんな。俺ら一族は親方様に大恩がある身だ。腕によりをかけて完璧に元通りにしてみせるぜっ!!」
「おい、グルーべ。その点はあんまり口外するんじゃないぞ?」
またしても主人さんに釘を刺される棟梁。
照れ笑いで誤魔化している。
「ヘッヘッヘッ。」
お茶目だねぇ。
そう言えば、確かに作業中の大工さんの何人かは、赤ら顔でずんぐりむっくりした体格の人が見受けられた。
同じ一族って感じだね。うん、大体の見当はつく。
そんな現場を通り越して、僕等はとある一角の円堂に到着する。
棟梁の言う、もっとも酷い現場ってやつだ。
「確かに…これは酷いな。私の記憶でも、ここまでは酷くなかった気がするのだが…何しろ12年前だからな。」
「旦那も、もう歳だからなあ…。」
「っん?何だと?」
「しかし、比較的に新しい破損状況だと思うんだがねえ。はて?」
ちょっと冷や汗の僕。
え?何でかって?
ここは2日前、僕が獅子の破光で男達を吹き飛ばした場所だったからだ。
計5名の秘密結社の準構成員とやらを、物の見事に壁に突き刺し、即死させてやった穴が並んでいるのだ。
あれ?でもおかしいねぇ?
その死体は綺麗さっぱり消え失せ、棟梁さんの口振りだと何も無かった感じだ。
目撃者は残さなかったつもりだけど、これはちょっと要注意だね。
《アムドゥシアス・ゲニトル・ルミナスは能力〈洞察〉(NEW)を獲得しました。》
ここで死体が発見され、秘密結社の全貌解明に煌王家が動く…って筋書きもあったんだけど。
ともあれ、敵もなかなか動きが素早い。
しかも事後の経年劣化処置まで行っている辺り、ちょっと相手の出方を見る必要がある。
《アムドゥシアス・ゲニトル・ルミナスは能力〈看破〉(NEW)を獲得しました。》
「ちょこっとばかり予算が増えそうだぜ、若様?」
えっ?若様?
あっ、僕のことか。
でも僕にはストーク家の遺産(?)があるのだ。
「予算は気にしないで下さい…それと、壁紙も含めて出来る限り元の状態にして頂きたいのです。僕には分からない事があるとは思いますが…。」
「へえ。それは構いませんが、じゃあ旦那?」
「なるほど。私の記憶通りとまではいきませんが、思い出せる限りでよろしければ…私にお任せを!」
うん。と僕は頷いてみせる。
これで些末な仕事を主人に押し付け、僕はと言えば本日の最重要課題に移行出来る訳である。
「ちょっと1人で見学して来てもいいですか?」
「なっ…アム様。お1人でなど危険です!」
主人さん、それはちょっと過保護すぎ。助けて棟梁さん。
「おっ、じゃあ若様!うちの若いのに声を掛けてやってくれや!」
「おい、クルーべ!お前という奴はっ!!」
棟梁さんと主人さんが2人で言い合っているうちに、僕はそそくさとその場を抜け出す。さすがに屋敷の内部で迷子になる奴はいないでしょ?
《アムドゥシアス・ゲニトル・ルミナスの回避値が+1強化されました。》
そんなこんなで僕は行きすがら、大工さん達に声を掛けつつ、周辺を警戒しながら地下に続く階段を降りていった。
しかし、みんな気のいい大工さん達である。
一方、日中とはいえ、地下室は冷んやりとして真っ暗闇だ。
設置されている燭台のロウソクは尽きている。
もっとも、それは前回の時と同様であるが、僕にとっては闇など無意味である。
僕はそこに存在するだけで竜言術式が作用し、見たいものを見透すし、読みたいものは読めるし聴き取れるという、とんでもない自由設定を持っているのだ。ほとんどバグだよね、これ。
しかし、ここでもビックリである。
「これは秘密結社さん達…相当に資金回収に躍起になっていそうな気がするねぇ。」
息の根を止めておいた死体が綺麗さっぱり片付けられているのだ。
それはさっきの時点で予測は出来ていたけどね。
さて、その奥の地下室(秘密結社の拠点)は天井を破壊して埋めてあるので、さすがにあっち(?)も真相の程を究明するだけの余裕はないだろうし、改装工事中の為に人目があって当分は手が出せないだろう。
しかしながら、今回の目的地はそこじゃない。
僕は何もない通路の真ん中で足を止め、壁の建具と一体化したスイッチを押す。
ガコンッ…カタカタカタ…カタンッ
歯車が噛み合い、軋み音を上げて開口部が開いていく。
これぞ隠し扉である!っていう典型的な感じだ。
扉を閉めるには内側のスイッチをポチッと押す。
ガタガタガタ……カタンッ
これで元通り。
安心して僕は室内を散策する事にする。
ここはおそらく避難場所兼、当主用の隠し執務室であると思われる。
あちこち分厚い埃を被っているし、カビ臭いものの、なかなかに品のある調度品に囲まれた広い間取りの空間だ。
革張りの椅子に黒檀の書斎と、実に渋い選択。堅実さが窺えるねぇ。
さてと、ちゃっちゃと回収しちゃいますかぁ。
室内の中央、毛織りの豪華な絨毯の上でモゾモゾと蠢くものは、雷鉱石製の軟鋼糸によって縫い止められた爬虫類男である。
「あっ、凄いですねぇ。まだ生きていたんですね〜?」
飲まず食わずでも3日ぐらいは平気だったみたいだ。
それでも衰弱具合は相当だけど。
「…み…見逃し…て…くれ…ギャッ!?」
誰も喋っていいとは言っていないのである。
なので小指をペキッとやってみた。
「正直ねぇ、君よりも多頭蛇縛改の方が大事なんだよね。それにしても、これは絡まりすぎじゃない?」
と言うか、こんがらがっている。脱出しようとして、相当、無理をしたっぽい。
これはどうしたものだろうか?
ポン!閃いた。
霊子結晶として取り込んでから分離してみたらどうだろう?
「んじゃ、早速試してみましょう。」
「…や…やめてく…れ…プギャァ!?」
君ねぇ、指が無くなっちゃうよ?
《報告。対象の個体を霊子に再構築し、情報化します。個体名〈キル・アンフィビアン〉人間種 男 秘密結社構成員 洗礼名〈グチヤマ〉。よろしいですか?》
ピキィーーーーーンッ
一瞬で取り込み終了。げぷぅ。
あっ、でも今気付いたけど、生体(人間)を取り込んだのって今回が初めてなんだけど、それって大丈夫なのかな?
今更ながらに不安になってきたぞ。
そもそも、霊子結晶の内部管理ってどうなってんだろ?
《報告。霊子結晶内部の情報一覧を開示する事が可能です。》
なるほど。じゃあ、ハイヨト・ハ・クォデシュ(摂理の声)さん、よろしく。
《報告。霊子結晶内部の情報一覧を表示します。
〈飾内服(濃緑色)〉衣類 実像化実行中。
〈襟布(水色)〉衣類 実像化実行中。
〈正式上衣(白色)〉衣類 情報化中。
〈貴族服(白色)〉衣類 情報化中。
〈煌皇金貨〉貨幣 4600枚 情報化中。
〈煌白銀貨〉貨幣 29000枚 情報化中。
〈煌赤銅貨〉貨幣 999000枚 情報化中。
〈巫女の真像〉秘密結社所有物 情報化中。
〈再誕の書〉秘密結社所有物 情報化中。
〈土〉2500t 情報化中。
〈運命指揮者〉特集兵装級 情報化中。
〈多頭蛇縛改〉特集兵装級 情報化中。
〈キル・アンフィビアン〉人間種 変質中。》
…あっ。変質中とか出た。
やっぱ、やっちゃいけなかったやつだ。
とは言え、後の祭りではあるが。
ともあれ、そんな気持ちの悪いものをいつまでも取り込んでいるのも嫌なので、僕はえいやっ!と、それを放出する。
ベチャッ!!
「あっ。キモい。」
緑銀色の粘液状の物体がニュルニュルと震えている。
これって、どう見ても知性の欠片も見当たらないね…。
『うふふふふふふ…ざまあないわね。天罰だわね。』
室内温度が急激に低下した気がする。
そして天井から透けるように現れたのは、真紅に染まった給仕事着の女であった。
その声も顔も恨めしげに歪んでいる。
「お姉さん、誰ぇ?」
『…坊や…あたしが怖くないのかい?』
ん?そう言えば、ストーク邸を探知した時に、小さい幽体反応が1つあったような?
「僕はアム・ロン。この屋敷の新しい主人だよ。よろしくねぇ。」
さて、そんな事よりこの粘液をどうするかだね。
『ちょっ!ちょっ!ちょっと!?あたし、幽霊なのよっ!?』
「え?そんなの見れば分かるよぅ?でも今は忙しいから、そこら辺でも掃除しててね。」
そう言われて血塗れの女中さん、渋々と掃除を始める。案外、素直な子だ。
「う〜ん。この爬虫類男、洗脳して僕達の潜伏にしたかったんだけど、こうなっちゃったら無理だよねぇ。廃棄するしかないかぁ。」
『臭いっ!!この生ゴミ、ちょー臭いじゃないのさっ!掃除の邪魔だわっ!!』
幽霊でも鼻は効くんだね。驚きだ。
『早く片付けなさいなっ!!臭いっ!』
幽霊さん、そんなにせっつかないでよ。
僕だって、こんなのに触りたくもないし…何か手は無いかなぁ?
《報告。キル・アンフィビアンは変質により〈使役の無定形〉となり、知性と固有能力の行使力を喪失しています。潜伏として重用するのであれば、竜阿摩羅による深層記憶の改竄と因子の改変を推奨します。これにより人体化への擬態も可能となります。》
さすがですよっ!ハイヨト・ハ・クォデシュ(摂理の声)さん。
しかし、そこまで便利な能力とはね。
それで洗脳しておけば、これ以上の潜伏要員は無いでしょ。この手は使えるねぇ。
「日頃の行いだねぇ。僕ってやっぱり天使だよ〜。」
『…あたし、坊やがこいつの指を折ったの見たけど?』
「お姉さん…でも喜んでたよね?」
『そらそうよっ!だってこいつ等、勝手にココに住み着いて出入りしてんだもの。図々しいったらありゃしないわねっ!』
この血塗れの女中さん、でも話を聞いたら自分が何でこの屋敷にいるのか、その辺の記憶は綺麗サッパリ消えているらしい。
しかも日中、陽がある中では全くの役立たずになるらしい。そこは幽霊だしね。
『まあいいわ。坊やは正式な手段でこの屋敷を購入したみたいだから、認めてあげるわね。有難く思いなさいな。』
随分と偉そうな居候の女中さんも居たものだ。
これって、僕が雇い主って事になるのかなぁ?
でも、あんまり大した力も無さそうで無害っぽいから良しとするかなぁ。
『あたし、洗濯係のフォーリッドよ。フォーリッド(おデコ)ちゃんって呼んでね。』
そんなこんなで血塗れのフォーリッド(おデコ)ちゃんを入手した僕なのであった。
◆ ◆ ◆
アムを送り出し、俺は犬耳少年と共に買い出しに向かった。
勿論、俺達の足は大嵐と勝利者のコンビである。
しかし、今日はいつも肩に乗っているクロちゃんがいない事が寂しい。
お留守番を頼んだよ、クロちゃん…あの奴隷番号104、早く目が覚めてくれると助かるのだが。
「早く行くでござるっ!」
一方の、やる気満々の犬耳少年である。
ギルドでのあの一戦が、相当に自信に繋がったようだ。
とは言えだな、あの代理決闘に勝てたのは、ほぼその「木蓮の太刀」と「覇王の首環」の恩恵だがな(笑)。
「分かった。分かったって。まあ、俺達も回るところが色々あるわけだしな。」
ともかく、いつもの沿道で「商業市場広間通り」を目指して出発する。
途中、第2内壁の門では、あの女性衛士さんの熱い眼差しを無視しつつ、最短距離で突破に成功。
「兄さんが!兄さんが!」って叫んでいたが、お前の兄さんなんか知ったこっちゃない(怒)。
仕事を頑張れよ(笑)。
沿道を抜け、そこからは一直線に商業市場広間通りを南に向かって突っ切る。
商業市場広間の内壁広間に入ると、驚く事に彼等が羨望の眼差しで見詰めるのは犬耳少年だった。
無論のこと、犬耳少年はちょっとだけ(?)進化した奴隷の首環を着用している。
内外ともに俺の奴隷であることを明示しているわけだ。
考えられるとすれば、これは恐らく昨日、犬耳少年が監視官の代行人を決闘で打ち負かした事による評価なのだろう。
しかし噂が早まるのが速すぎる。あの主人さん、わざと情報を流したな…。
商業ギルド恐るべし、だ。
もっとも、そんな市井の反響に、当の犬耳少年は満足気である。
「て、照れるでござる。」
足元をすくわれなきゃいいけどな?
「拙者、より一層精進するでござるっ!」
頑張れ(笑)。
そして俺は商業ギルド「エノシクトン」で、例の黒髪眼鏡嬢の受付に書類を丁重に提出し、契約金の煌白銀貨150枚を納入。
彼女は事務長として今日もバリバリ働いていた(笑)。
しかし今日は、こんなところで時間を取られているわけにはいかないのだ。
さっさと切り上げ、俺は勝利者に駆け戻る。
いつもならここで、俺達の馬車に手を出さんと企み、大嵐によって返り討ちにされた男達の山がある筈だったが、そこは見張り番で残しておいた犬耳少年のおかげか?そんな様子は微塵も無い。
しかし、それがいつもは警告の役目を担っており、これがまさかの事態を引き起こすとは…さすがの俺も夢にも思わなかったのだった。
それは買い出しの為、食料品店通りの店舗を回り終え、帰りの道を進む途中の事。
まあ、他にもハムコちゃんに頼みごとをしたりとか…色々と回り道はあったのだが。
勝利者の格納式荷台には、パンパンになる程の食材が山と詰め込まれている。
総重量はかなりの物だが、大嵐にとっては然程の重さでもないようで、その足捌きに変化はない。頼もしいな。
食材はジャガイモを5箱、長瓜や今が旬の春キャベツのみならず、今回はアニティモノス(サーモン)やイオェイド(ニシン)を買い占める勢いで購入。
こっちで注目を集めさせて、犬耳少年には密かに市場を回らせ、様々な野菜の苗や種を購入させた。
これは闘種の郷に送る用だ。勿論、畑を開墾させねばならないが。
それだけじゃない。
内部の座席にだって、屋台建造用の木材や建具、鉄板材や寸胴が山積みだ。
そこら辺はガチャガチャしている(笑)。乗り込める空間はゼロだ。
ともかく屋敷に戻ろうと引き返し、商業市場広間通りを左折、市場から遠ざかる。
当然ながら、この沿道は今朝にも通って来た道である。
西側の第2内壁門と繋がるこの沿道は、日中は閑散としており、人通りは極めて少ない。
何故なら、大抵の貴族は音無しの塔院を通過して貴族区画に入った方が近道だからだ。
故に、この沿道を使う者は限られてくる。
貴族の中でも音無しの塔院を通ることが許されない最下級の士爵であったり、北門の産業区画に仕事を持つ労働者であったり、もしくは昼間からの通い客は数少ないも、北西部の娼婦街に向かう客とかだ。
今は昼前の中途半端な時間の為か、往来者の影も見えない。
そんな最中の襲撃であった。
俺逹(俺と犬耳少年の2人)は10人前後の男達に前方を塞がれ、止む無く勝利者を停車させる。
「やれやれ…懲りない連中だな。」
ざっと見、街中でたむろする、堅気じゃない風貌の男達だった。
「こやつら、何者でござるか?」
「…まあ、落ち着け。」
思い当たる節はあるのだが、こうして見ると勝利者にちょっかいを出して、大嵐の感電で返り討ちにされた奴等っぽい。
しかし、いや…まさかだろ。
まさか最底辺のこいつらが徒党を組んで待ち伏せをするとは予想外だ(笑)。
俺はてっきり秘密結社とか、ヘンド辺境伯家の残党とか、銀色の鷹騎士団が暗躍してたりとか、例の監視官の元締めのレグ侯爵家ってのが関与してんじゃないのかよ(怒)!?って叫びたくなっちまったよ。
「おっ、落ち着いてくだされっ!」
「あっ、ああっ、すまん(笑)。」
しかしまあ、人目が無いとは言え、昼間っから公道で待ち伏せを敢行するような低脳共に、そんな器量を求める方が間違いか。
「クンカクンカ…あの木の影に嗅ぎ覚えのある匂いがあるでござるよ!」
「でかしたぞ、ランマル!」
犬耳少年、さすがの嗅覚でそれを発見する。
さてさて、どんな大物が引っ掛かったのか見てやろう。
俺は犬耳少年と共に御者席から降りる。
正直、こんな雑魚共は犬耳少年1人でお釣りが来る圧勝ものだろう。
だからこそ、俺は期待する。この黒幕はどんな奥の手を用意しているのか?と…。
「クックックッ…よくも儂に恥をかかせてくれたのぅ?貴様には今日、この場所でっ!永遠に口をつむんでもらうのじゃっ!!」
思わずズッコケそうになっちまった。
何しろ木陰から現れたのは、あのネズミ面の奴隷商人である。
奴隷取り扱い商工組合「ガイエオコス」の前で、一悶着あったアレである。
いや、まさかの昨日の今日で報復しに来るとは褒めてやりたい所だが、まさに雑魚中のザコが釣れるとはな。ガッカリだよ。
「おい…ネズミ野郎。俺の期待を裏切りやがって、どう言うつもりだ?」
何のこっちゃ分からんだろうが、俺はもう興味を失っていた。
なので、後は犬耳少年に任せたぞ?と言わんばかりに、その肩をポンポンと叩く。
「はっ。お任せ下され!」
「キィィィ!!傭兵如きが大きな口を叩きおって!その余裕が、いつまでも続くと思うなよっ。クックックッ。」
大仰にネズミ面の奴隷商人が命じると、後方の草むらに潜んでいたと思われる男共が、更にゾロゾロと姿を現わす。
その数は6名ほど。
「やれっ!!」
彼等は手に手に松明を持っており、燃え盛る炎がそこらしこで揺らめいている。
それを一斉に、勝利者に向かって投じたのである。
…あっ、こりゃやばい。
「何て事をっ!?燃えてしまうでござるっ!!」
とりあえず俺は牽引具を大嵐から外す事にした。
火を消さないのかって?
火を消す前に嫌な予感がしたから、大嵐を引いて一時退避なんだよ。
「おい、ランマル!お前もこっちに来い。」
不審げな顔の犬耳少年に大嵐を預け、俺は状況を鑑みる。
それを見やり、ネズミ面の奴隷商人は満足げに哄笑を上げた。
「クハッハッハッ!!早くせんと、大事な馬車が燃えてしまうぞ?まあ、儂はその黒馬と狼人が貰えればそれで良いのじゃがなぁ〜?」
周りの男共も下卑た面で賛同する。
おこぼれに預かる気なのだろう。
だがしかし、彼等は気付いていない。
松明を投じられた勝利者だったが、乾いた煙を外殻から燻らせるだけで、延焼の兆しは皆無なのである。
それどころか、勝利者から立ち昇るドス黒い憤怒の妖気は只事じゃない。
「あ…あれは…??」
それに気付いた犬耳少年、冷や汗をかきながら、怯えた目で俺を見る。
《勝利者は能力〈怒気〉(NEW)を獲得しました。》
「こりゃ、やばいっちゃあ、やばそうだなぁ。」
何しろ、勝利者が俺の「相生相剋の五人衆」の1つであるとは分かっちゃいるが、あくまで馬車扱いであったし、「闘種の王」の乗り物としての「樹蛇」の時も意思の疎通っぽいのも無かったから、イマイチ良くわからない奴なのだ。
《固有能力・大祓の帯刀、発動》
あっ。なんか発動した?と思ったら、勝利者の車体を飾る帯刀の蔓模様が突如に動き出し、分厚い植物の蔦になって蠢き始めた。
ビュュューーーーーーュュュン グシャッ!!
それが一凪すると、後方の男共が軽々とまとめて吹き飛ばされ、肉体が両断された。
鋼鉄製の鞭もかくや?という破壊力である。こりゃ凄い。
そんなものが10本以上もユラユラと、勝利者の車体から持ち上がったのである。
「ヒイイイィィィーーーッ!?」
この悪夢のごとき現象を前に、ネズミ面の奴隷商人の優越感は瞬時に消し飛んでいた。
それは、まさに悪夢である。
1人、一族の母体であるグルーべ商店から飛び出し、ようやくここまで来たのだ。
奴隷商人としてここまで成り上がったと言うのにっ!
「クソっ!クソっ!クソっ!儂は死なんぞっ!儂は悪くないのだっ!!」
と、そんな事を喚いたところで、その蔦は1人、また1人と男を捕まえ持ち上げると、車体の頭上で捻り引き裂き、その血潮で燻る炎を消す為の贄とした。
何という悍ましき惨状であろうことか?
こいつらは幾らでも死んでいい。所詮、金で雇った街中のゴロツキ共である。
代わりは幾らでもいるのだから…しかし、儂は特別な存在なのだっ!
そんな儂の手脚に無情にも蔦が絡み付く。
「ヒィィィ…嫌だ…嫌だ…やめろぉぉぉ!!」
持ち上げられたその目の先で、無残にも男が引き千切られ、大量の血飛沫を上げる。
ブシュュュウウウ……ウウウ
こんな死に方は嫌だっ。嫌だ。嫌だ。
「おい、勝利者。そいつは生かしておいてやれ。その代わり、他の奴は好きにしろ。」
それは天啓だろうか?
突如に儂は投げ出され、解放されていた。
地面に叩きつけられた痛みよりも、その声の主が儂を救った事実に失禁を免れえなかった。
何故だ?その命を狙った張本人である儂を何故、助けた?
「あのな…勿論、タダで助けるわけじゃないぞ?お前には終生、この俺の為に働いてもらうからさ(笑)。」
なんと言う恐ろしくも美しい微笑であったことか。
そして、その背後で繰り広げられる地獄の饗宴。
儂の顔同様、狼人の小僧の顔は強張っている。
だが、それが普通なのだ。
それなのに、この男は…ああ、儂は悪魔に魅入られてしまったと言う他は無かった。
そうして勝利者は男共を貪り食った。
俺から見ても酷い有様だ。
蔦で獲物を捕まえて、馬車の下部に開いた顎に投げ込み、鋭い牙で噛み砕く。
その顎は樹蛇のものだ。
バリバリバリ…グシャッ……ゴクゴク
死体も軒並み、丸ごと処理しているようで好都合とは言え、計16名の男共は勝利者の腹の中にキレイさっぱり消え去ったわけである。
成仏しろよ。
《報告。勝利者〈妖怪神・樹蛇種〉は主人の命により人間種を〈生贄〉として血肉を喰らった事により、因果律が規定値を突破しました。これにより固有能力〈無垢なる垂迹(化生)〉を獲得しました。》
え?別に生贄なんて命じてないよな?
《勝利者の相生相剋〈木気〉属性が+10強化されました。》
途端に勝利者が変容し始めた。
まさかこいつ、こんな場所で樹蛇化する気じゃあるまいな?
『オーホッホッホッ。ご心配には及びませぬ、我が主君よ❤︎』
この高飛車な笑い声…また厄介な事になった気がする。
そしてこれはアレな気がする…とりあえず、和装姿は止めておけ。あれは無意味に目立つからな。
『おや…主君は洋装姿がお好みでありますカ。オーホッホッホッ。お任せアレ。』
いや、好みとかそんな事は一言も言っていないよな?
《固有能力・無垢なる垂迹(化生)、発動》
勝利者の巨体が瞬時に縮まったかと思えば、その黒点が人の形を成し…これ既視感だな。
流星の時と同じ構成だ。
「お前…勝利者か?」
見れば俺の依頼通り、ジゴ袖に薄地衣裳のヒラヒラで、日差しよけの麦わら帽子がちょっとお洒落な街娘っぽい。
「オーホッホッホッ。勿論、ワタクシは勝利者でありますワ、主君。」
しかし、かなりどギツイ桃色のカールした縦巻髪と、やや吊り目が攻撃的な、白磁の柔肌を持つ華やかな美女の登場となった。
そして性格には、やや難あり(笑)。
そんな事より、荷物はどこ行った?無事なんだろうな?
「オーホッホッホッ。ワタクシの神宝の洞庫を拡張しましたワ。幾らでも入りますことよ、主君?」
《報告。勝利者の固有能力〈神宝の洞庫〉が因果律の規定値を突破することによって〈満善車王の神庫〉に進化、拡張されました。》
口元に手を当てつつ、勝利者は高笑い中。
そして、それが唐突に途切れたかと思えば、ジロリと見下し、俺の前でひれ伏すネズミ面の奴隷商人の尻を蹴り上げた。
「ヒイイイィィィーーー!?」
「主君。このような害虫を生かしておいても良いことはありませんワ。ワタクシが喰っちゃいましょうカ?」
「はひいいいィィィ〜!?お助けをぉぉぉ〜。」
まあ、それでもいいが今はよせ。
そもそも、それを決めるのは俺だ。
「お前はとにかく馬車に戻れ。帰る途中だろうが?」
「そっ、そんなっ…だって主君…ワタクシ、やっとこうしてお話しが出来るようになったのですワ…そっ、それなのにっ(涙)。」
目から涙は一粒も出てないがな。
「大嵐よ。あんな事を言ってるぞ?」
ヒヒヒィィィーーーィィィンンン ブフンッ!!
大嵐の威嚇の鼻息を受けては、勝利者も狼狽えずにはいられない。なんてったて、俺の眷属第1位だからな(笑)。
《大嵐は能力〈統治〉(NEW)を獲得しました。》
そうして、さめざめと泣き尽くし、やっとのこと馬車に戻ったはいいが、ちょっと気になる点が1つ。
御者席の真ん中にだ、あの屋根の上にあった桃色の蕾が復活しているではないか!?
それがクルクルリと回り蕾を開く。
「オーホッホッホッ。さあ、出発しましょウ❤︎オーホッホッホッ。」
唇が生えた花が喋り出す。
「うるさいっ(怒)!!」
それを怯えた顔で見守る犬耳少年と、神妙な面持ちのネズミ面の奴隷商人。
お前ら、見せもんじゃないぞ?ちょっと狭いが、とっとと乗れよ。
「…決めた。儂は旦那について行くのじゃ!何なりとお命じ下されっ!!」
いきなりの熱望の眼差しを向けるネズミ面の奴隷商人に、ギョッとする犬耳少年。
まあ、手駒を探す手間が省けた、と言うことで穏便に解決だ。
終わり良ければ全て良しだな。
さあ、帰ろう(笑)。
◇ ◇ ◇
ステリアス・シーヴァ【竜絶壁発動中】
種族〈シーヴァ族〉
階級〈傭兵〉
所属国〈傭兵大隊預かり(特措法)〉
カテゴリー〈8.6+〉
戦闘力 63
防御力 57
生命力 90
回避値 57
知能値 47
器用値 46
魔力値 62
相生相剋〈火気〉属性 54
相生相剋〈木気〉属性 35
相生相剋〈金気〉属性 25
相生相剋〈土気〉属性 44
相生相剋〈水気〉属性 40
竜技
九十九式(下位)見えざる(ブリトマルティス)赫炎〈火気〉
九十九式(下位)束縛 (カリュプソ)の静謐〈水気〉
九十九式(下位)復讐 (エイレイテュア)の逆鱗〈土気〉
九十九式(下位)開闢 (アイオロス)の威風〈木気〉
九十九式(上位)森羅の皇緋〈火気〉
九十九式(上位)喜劇の蓋世〈土気〉
九十九式(上位)叙事詩の泡沫〈水気〉
戦技
一刀両断
十文字斬り
固有能力
竜の血眼(竜眼第1位階)
轟炎の気
水精の女王の加護〈35%〉付与
能力
大剣 剣 手斧 槍 棍棒 小盾 軽装 隠蔽 偽装 物理抵抗 精神抵抗 魅了
毒耐性 寒耐性 虚言耐性 邪眼耐性 敵意耐性 幻視耐性 暑耐性 睡眠耐性
酩酊耐性 拘束耐性 脚力 看破 打撃 軽業 殺気 嗅覚 聴覚 追跡 鑑定
察知 聴き流し 威圧 命名 馭者 疾走 解体 連携 釣り 加工 応援 大工
恫喝 腕力 投擲 調理 予感 警告 二刀流 洞察 策謀 警告 演技 統治
潜伏
魔力系術式
下位(基本三原理)火属性付加
下位(基本三原理)火属性魔道弾
下位(基本三原理)火属性誘導波動
下位(基本三原理)水属性付加
下位(基本三原理)光属性付加
眷属
大嵐〈相生相剋の五人衆〈金気〉〉
喜劇〈相生相剋の五人衆〈土気〉〉
勝利者〈相生相剋の五人衆〈木気〉〉
クロちゃん
赤道〈相生相剋の五人衆〈火気〉〉
流星〈相生相剋の五人衆〈水気〉〉
ラムバ〈闘種四天王〉
ティロ〈闘種四天王〉
クラトゥ〈闘種四天王〉
プンジェ〈闘種四天王〉
称号
赤き竜人
傾国の貴公子
闘種の王
調和者
装備
乙女座之刃〈重剣〉
属性:付喪神(低位)LV200〈秘跡武具級〉
付与効果:乙女の邁進
折れぬ心
耐久値強化〈合金〉
耐久値:360+α
竜面〈仮面〉
属性:竜面の者LV250〈聖痕武器級〉
付与効果:竜因子封印
自己再生
耐久値:200/∞
朱鎧〈皮鎧〉
属性:朱虎の皮LV15〈通常級〉
付与効果:物理抵抗〈皮〉
耐久値:85
携帯用小刀〈小剣〉
属性:雷鉱石LV30〈特殊兵装級〉
付与効果:物理特化
雷属性付加
耐久値:150
黒衣(黒色)〈外衣〉
属性:結界種LV300〈聖痕武器級〉
付与効果:結界生成〈守護遮断(反射率)〉
物理特性〈闇・土〉30%増幅
防寒〈永続化〉
耐久値:350
所持金
煌皇金貨12枚
煌白銀貨354枚
煌赤銅貨70枚
【〈神宝の洞庫〉煌皇金貨総額697,262枚】
所持品
賢者の核石〈「火気」術式刻印〉
賢者の核石×2
岩塩
獣油
下着〈服〉×5
※本日の購入品(NEW)
ジャガイモ5箱
長瓜1箱
春キャベツ5箱
アニティモノス(サーモン)10尾
イオェイド(ニシン)50尾
野菜の苗(各種)
野菜の種(各種)
屋台建造用木材
建材用建具
鉄板材
寸胴×3
◇ ◇ ◇
アムドゥシアス・ゲニトル・ルミナス【竜絶壁発動中】
種族〈竜種・第2位階〉
階級〈暴君〉
所属国〈無し〉
カテゴリー〈16.6+〉
戦闘力 82
防御力 43
生命力 98
回避値 44(↑1)
知能値 52
器用値 35
魔力値 120
相生相剋〈火気〉属性 87
相生相剋〈木気〉属性 56
相生相剋〈金気〉属性 43
相生相剋〈土気〉属性 58
相生相剋〈水気〉属性 67
固有戦技
獅子の破光
固有能力
暴君の加護
所持者固定契約〈魂〉
因果律限界値突破
情報の実在化(人体化・竜刀化・霊子結晶)〈竜界繋〉
分体作成
竜刀〈第2位階〉人面獅子
能力
爪 隠蔽 偽装 咆哮 蒸留 調合 精製 計算 機械操作 精密操作
知者 自己回復 即死耐性 毒耐性 闇耐性 睡眠耐性 幻視耐性
石化耐性 結界耐性 魔眼耐性 寒耐性 炎耐性 障壁 竜眼 竜刀
覇気 転生者 霊子 幽体 改竄 礼節 胃袋 演技 咆哮 奸計
洞察(NEW)看破(NEW)
竜言術式
〈第1位階〉 竜顕現
〈第1位階〉 竜絶壁
〈第2位階〉 竜界繋
〈第2位階〉 竜阿摩羅
称号
暴君
調和者
ショー・ストーク
装備
正式上衣(白色)〈服〉
属性:羊毛LV20〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
保温
耐久値:30
飾内服(濃緑色)〈服〉(NEW)
属性:羊毛LV25〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
保温
耐久値:32
襟布水色〈衣類〉(NEW)
属性:羊毛LV10〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
保温
耐久値:15
【霊子結晶】
運命指揮者〈直刀〉
属性:魔鉱石LV150〈特殊兵装)級〉
付与効果:魔力伝達〈戦技増幅〉
鸛鶴の紋章〈遺産の証〉
耐久値:200
多頭蛇縛改〈波刃刀〉
属性:多頭蛇殺しLV180〈特殊兵装)級〉
付与効果:軟鋼糸〈雷鉱石〉
耐久値:150
〈正式上衣(白色)〉(衣類)
〈貴族服(白色)〉(衣類)
〈巫女の真像〉秘密結社所有物
〈再誕の書〉1冊 秘密結社所有物
〈土〉2500t
ストーク家の遺産
〈煌皇金貨〉貨幣 4600枚
〈煌白銀貨〉貨幣 29000枚
〈煌赤銅貨〉貨幣 999000枚
◇ ◇ ◇
大嵐
種族〈雷霆馬〉
階級〈雷霆馬神種+〉
所属国〈ジ・ハド煌王國 (ジ・ハド・トゥインコル・キングダム)〉
カテゴリー〈4.5+〉
戦闘力 44
防御力 49
生命力 46
回避値 47
知能値 39
器用値 22
魔力値 33
相生相剋〈金気〉属性 44
相生相剋〈土気〉属性 1
固有戦技
神撃・星霜雷鼓〈雷霆槍〉
戦技
百雷
固有能力
運命補正効果(眷属)
疾雷の蹄
雷霆槍化〈神級〉
【因果律限界値突破〈限定解除〉】
能力
脚力 聴覚 嗅覚 積載 牽引 疾駆 咆哮 雷君
圧殺 炎耐性 魔眼耐性 察知 冷静沈着 仲裁
原子分解 障壁 飛翔 神気 怒号 紫電 統治(NEW)
称号
相生相剋の五人衆〈金気〉
装備
馬鞍〈軽装〉
属性:獣皮LV8〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
耐久値:60
◇ ◇ ◇
勝利者
種族〈妖怪神 樹蛇種〉
階級〈馬車(黒檀)〉
所属国〈ジ・ハド煌王國 (ジ・ハド・トゥインコル・キングダム)〉
カテゴリー〈4.8−〉(↑1.0)
戦闘力 10(↑10)
防御力 80(↑10)
生命力 75(↑10)
回避値 50(↑10)
知能値 31
器用値 26
魔力値 35(↑10)
水属性2
風属性5
木属性15
相生相剋〈木気〉属性 30(↑10)
戦技
大祓の帯刀
固有能力
運命補正効果(眷属)
自我
癒しの花籠〈搭乗者治癒能力80%上昇〉
閻浮樹の無窮〈自己再生〉
天華の曙光〈光合成〉
神宝の洞庫→満善車王の神庫〈隠り世空間〉(NEW)
御阿礼木の召霊〈木気の祝福〉
無垢なる垂迹〈化生〉(NEW)
【因果律限界値突破〈限定解除〉】
能力
盾 物理抵抗 自己再生 即死耐性 睡眠耐性 幻覚耐性 石化耐性
狂気耐性 熱耐性 魔眼耐性 積載 格納 管理 偏食 捕食吸収
自己増殖 硬化 障壁 踏付け 怒気(NEW)
称号
相生相剋の五人衆〈木気〉
装備
薄地衣裳〈服〉
属性:霊体LV200〈聖痕武器級〉
付与効果:精神抵抗(自己再生)〈永続化〉
ジゴ袖(美的感覚 上昇)〈魅了〉
耐久値:300∞
麦わら帽子〈帽子〉
属性:霊体LV200〈聖痕武器級〉
付与効果:相生相剋〈木気〉属性
精神抵抗(自己再生)〈永続化〉
日避け〈耐暑・耐熱・耐火〉減退
耐久値:250∞
◇ ◇ ◇
ランマル
種族〈狼人種〉
階級〈狼人戦人〉
所属国〈狼人種の集落〉
カテゴリー〈1.6+〉(↑0.1)
戦闘力 20
防御力 10
生命力 34
回避値 25
知能値 22
器用値 17
魔力値 0
戦技
から竹割り
一刀両断
居合いの太刀
二重螺旋
固有能力
狼形化
運命補正効果(奴隷〈忠誠度55%〉)
能力
剣 刀 槍 弓 爪 大刀 軽装 脚力 突撃 細工 礼節
魚漁 戒律 寒耐性 応援 直感 嗅覚 反抗期 追跡
称号
若長の子
犬耳少年
ステリアス・シーヴァの所有 奴隷
装備
木蓮の太刀〈妖刀〉
属性:付喪神(低位)LV220〈秘跡武具級〉
付与効果:強制 同期〈守護〉
八音の鍔
星霜の沸
鞘(落葉紅紫花)
耐久値:300
応接着(紺色)〈服〉
属性:羊毛LV16〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
保温
耐久値:20
覇王の首環〈首輪〉
属性:門弟LV200〈聖痕武器級〉
付与効果:強制 同期(門弟)
竜人の加護〈守護膜〉
覇王の霊壁〈反射率50%〉
服従の眷属器
耐久値:280
◇ ◇ ◇
ルーク・アレグザンダー
種族〈人間種〉
階級〈喫茶スタージョン・店主〉
所属国〈ジ・ハド煌王國 (ジ・ハド・トゥインコル・キングダム)〉
カテゴリー〈2.5+〉
戦闘力 28
防御力 20
生命力 25
回避値 27
知能値 35
器用値 33
魔力値 18
水属性6
風属性8
雷属性14
戦技
二重斬撃
一撃必殺
高揚の帯気
固有能力
遠雷
能力
大剣 騎士槍 騎士楯 盾 小盾 軽装 重装 隠蔽 連携
両手武器 管理 騎乗 秀才 忠義 仲裁 策謀 冷静沈着
看破 直感 波動 迅雷 恫喝
魔力系術式
下位(基本三原理)水属性付加
下位(基本三原理)水属性魔道弾
下位(基本三原理)水属性誘導波動
下位(基本三原理)風属性付加
下位(基本三原理)風属性魔道弾
下位(基本三原理)風属性誘導波動
下位(基本三原理)雷属性付加
下位(基本三原理)雷属性魔道弾
下位(基本三原理)雷属性誘導波動
中位(戦略級)雷属性波動
中位(戦略級)雷属性障壁
称号
元 物理法則特化級騎士 元 鸛(コウノトリ)の紋章筆頭騎士
商業ギルド・エノシクトン最高幹部
子爵
装備
貴族服(紫紺色)〈服〉(NEW)
属性:羊毛LV30〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
保温
耐久値:20
◇ ◇ ◇
ヒュストリクス・グルーベ(NEW)
種族〈鉄鼠〉
階級〈グルーベ商店・社長〉
所属国〈ジ・ハド煌王國 (ジ・ハド・トゥインコル・キングダム)〉
カテゴリー〈2.3+〉
戦闘力 28
防御力 25
生命力 32
回避値 14
知能値 34
器用値 48
魔力値 15
風属性5
土属性10
木属性12
戦技
剛斧一蹴
唐竹割り
固有能力
地将の盟約〈祝福〉
大地の血筋
能力
斧 手斧 槌 棍棒 盾 重装 腕力 格闘 打撃 突撃 暗視
解体 加工 石工 大工 建造 設計 空間把握 接客 管理
博識 精密操作 秀才 忠義 洞察 土下座 胃袋 自己回復
毒耐性 睡眠耐性 石化耐性 狂気耐性 寒耐性 暑耐性
酩酊耐性 看破 直感 聴覚 嗅覚 視覚 恫喝 怒気 怒号
魔力系術式
下位(基本三原理)土属性付加
下位(基本三原理)土属性魔道弾
下位(基本三原理)土属性誘導波動
下位(基本三原理)木属性付加
下位(基本三原理)木属性魔道弾
下位(基本三原理)木属性誘導波動
中位(戦略級)木属性障壁
精霊系術式
緑人召霊
精霊の加護「土霊」
称号
棟梁
装備
曲尺〈大工道具〉
属性:真銀鉱LV150〈特殊兵装級〉
付与効果:腐食耐性〈半永続化〉
物理特化
耐久値:120
大工着(灰褐色)〈服〉
属性:羊毛LV20〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
防寒
耐久値:25
捩り鉢巻き(白色)〈衣類〉
属性:麻製LV10〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
耐久値:15
◇ ◇ ◇
フォーリッド(おデコ)ちゃん(本名不明)(NEW)
種族〈幽霊〉
階級〈洗濯係〉
所属国〈ジ・ハド煌王國 (ジ・ハド・トゥインコル・キングダム)〉
カテゴリー〈0.5+〉
戦闘力 0
防御力 0
生命力 −12
回避値 0
知能値 20
器用値 18
魔力値 10
闇属性20
木属性5
戦技
固有能力
印
記憶障害
憑依
能力
小剣 潜伏 清掃 警告 抗議 慈愛 不器用 幽体 自己再生
闇耐性 睡眠耐性 幻覚耐性 石化耐性 狂気耐性 邪眼耐性
寒耐性 拘束耐性 呪い
邪術系術式
妖手の支配
黒業の厭離
称号
元ストーク家 女中
装備
真紅の給仕事着(真紅)〈服〉
属性:幽体LV80〈特殊兵装級〉
付与効果:精神抵抗
耐久値:120




