重大な問題
ヒリーと親父さんと別れた後、色々な種族の人達がいるのを眺めながら適当にその辺を歩いて居たのだが、私はここで一つ重大な問題に気が付いてしまう、そう、実質無一文なのだ、金はあるにはあるのだが、先程元の世界の硬貨が通用するか試すために適当な店でニンジンらしきものを買おうとしたのだが、そんなものは使えないと追い払われてしまった、え?なんでニンジンらしきものを選んだのかって?そんなの、目に入ったからである
そして、さっきからやけに周りの視線が痛い、確かに周りには私みたいな黒髪の人が全然居ないが、それだけでこんなにも視線を向けられるだろうか?私は無意識に少し縮こまって歩いていた
そして私が街を歩いていると、路地裏で誰かがカツアゲされているのが見えた、一人に対して三人だ、酷いことをするものだな、こういう時、ファンタジー小説の主人公ならすぐに助けに行っただろう、だが私は、絶望的に弱い、言うなれば雑魚である、そんな雑魚が行った所で何になるのか、そう考えて無視する事にした、だが
通り過ぎようとした所で、ヒリーの顔が頭に浮かんだ、確かにヒリーなら危険もかえりみずに助けに行ったかもしれない、しかし私は雑魚だ、そんな雑魚が行ったとして何になる、カツアゲされる対象が増えるだけだろう、だが頭とは裏腹に、体は既に動いていた
「おい!あんたら何してる!」
そう言った途端私は少し後悔した、なぜなら振り返ったカツアゲしている三人の顔がめっちゃ怖かったからである
「なんだぁ?お前ぇ」
「痛い目みたくなけりゃ、見なかったことにして立ち去りな」
「さっさと帰った方が身のためだぜ?」
三人が同時にそう言う、同時に喋らないでくれ、私はどこぞの一度に10人の声を聞き取れる太子じゃないんだから、だがとにかくやばいと言う事は分かった、先程カツアゲされていた人が居る方を見ると、居なかった、逃げたのか?あまりにも逃げ足が早い、私は少しだけ、命の危険を感じ始めていた、何か言おうとした時、ゴッという音がして、三人が倒れた、やったのは先程カツアゲされていた人である、なんだよ、めちゃくちゃ強いじゃないか
「……は…?」
私が驚きのあまり放心状態になっていると、カツアゲされていた人、私より少し年上か同い年くらいの青年が、こちらをじっと見つめて
「助けて頂いて感謝するよ、ありがとう」
そう言った、私は思わず
「え?あ、あぁいや、別に私は何も……」
と、なんとも間抜けな返事をしてしまった、改めて青年をよく見てみると、キラキラとした水色の髪に、吸い込まれそうな綺麗な青色の瞳、そして何より、顔が良い、とてつもなく顔が良い、こんなに顔が良ければさぞモテる事だろう
そんな事を考えていると、青年が私の黒髪をじっと見てきて
「ところで、その髪は……」
「え……髪?至って普通の髪ですけど…」
私は言葉の意図が全く分からなかった、私の髪が何かおかしいのだろうか、いや確かに黒髪はこの世界に居ないかもしれないけど、そこまでじっと見るか?そんな珍しいものを見たかのような目をして
「普通だって……?」
「本当に知らないのかい?」
「……知らない、とはどういう?」
なんなのだ一体、もしやこの世界では黒髪が不吉とされていたりするのか?いよいよファンタジーな世界観になってきた
「本当に知らないんだね?……黒髪は、この世界の神である『スターチス』様と同じ髪色なんだ」
「……なるほど?」
スターチス……?聞いた事ない神だ、まあそりゃあ当然か、ここは異世界だから、でも神も黒髪だったのか、なんだか親近感が湧いてしまう……というか、先程から周りのひとたちからの視線が痛かったのは、好奇の視線だったのか?
「えっと、教えてくれてありがとうございます、それじゃ……」
数秒沈黙が続いた後、そう言い、私は立ち去ってしまった、変な立ち去り方をしてしまったが、なんだか気まずかったのだ、さてこれからどうしよう、何か行く宛てがあるかと言われたら、無い
私が途方に暮れ、街をぼうっと歩いていると、いつの間にか周りの風景がガラッと変わっていた、裏道らしき場所であり、少し薄暗い、こういう場所はあまり好きでは無いのだが、早く明るい所に戻ろう、そう思って歩き出した時、目の前に見知らぬ男が二人立ち塞がる、全く、今日はどうしてこんなにも厄日なのだろう
「よう嬢ちゃん、金貸せや」
「いい身なりじゃねぇか、金沢山持ってんだろ?」
カツアゲのテンプレートみたいだ、まさかさっきカツアゲから人を助けたかと思えば、今度は自分がカツアゲにあってしまうとは、本当に今日はツイていない
「えぇ……無理ですって、お金無いですし」
実際間違いでは無い、この世界では一文無し同然なのだから、私に金を求める方が間違っている
「はぁ?嘘つくなよ」
「本当は持ってんだろ?」
「いやだから持ってないって」
「持ってんだろ!」
「出せよ!ジャンプしろ!」
「持ってねぇって言ってんだろ!」
なんだこの攻防戦は、ふざけてるのか、あとジャンプしろってなんだ、古くないか?
「まぁいい、お前黒髪だろ?」
「スターチス様の髪とでも言えば高く売れそうだ」
「いい案じゃねぇか兄貴ィ」
……おっと、この流れはまずい、奴らナイフ出したんだけど、嘘だろ、普通に嫌なんだが!?
「ちょっと!何してるですか!」
奴らの背後から、随分と可愛らしい声がした、その声の主を見てみると、薄桃色の髪をして魔女っ娘帽子を被っている美少女が、腰に手を当てて立っていた
「カツアゲはダメです!」
「今すぐ立ち去ってください!立ち去らないと私が相手するですよ!」
「あぁ?知るか」
「嬢ちゃんみたいなのに何ができるって……」
もう一人の方が、彼女の魔女っ娘帽子を見て、少しビビり出した
「お、おい兄貴……あいつ……もしかして魔女じゃねぇか!?」
「やべぇよ!早く逃げようぜ!」
兄貴と呼ばれた方はまだ納得していないようだが、もう一人の方に慌てて連れていかれ、ぶつくさ言いながら二人は退散していった
「正確には魔女見習いなのです」
「……まったく、最近はこういうのが多くて困っちゃうです」
「えっと、助けてくれてありがとうございます」
私がそう言った後、美少女は
「別に良いのですよ」
「怪我は無いです?」
私が慌てて頷くと、その美少女は「良かったです」と言って立ち去ろうとした、だがその時、私の腹がぐう〜っと鳴ってしまった、まぁ妥当だ、この世界に来てから動き回ったし、飯もろくに食べていなかったのだから、それにしても恥ずかしい
「……お金は無いのです?」
「…まぁ、はい」
私がそう答えると、美少女が突然腕を掴んできて、どこかに私を引っ張って行く
「こっちなのです!いいお店があるですよ!」
「えっちょっ、まっ」
「待ってぇぇぇぇぇーーー!」
私は抵抗も虚しくその少女に連れていかれた、これからどうなるのだろうか
なかなか話の構成が思いつかなかったんですけど、なんとか出来ました
まぁ、下手だったらごめんなさい
ちなみに黒髪の事を教えてくれた青年はまた登場させる予定なんで
次の更新も気ままに待ってくださ〜い!




