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文化祭打ち合わせ

十月も後半、中庭の紅葉も赤く色づき散る秋祭り……そんなある日の午後に行われた、特別ホームルーム

黒板に音を立て、『メリヤス祭』(文化祭)と大きく書いた担任が軽く黒板を叩く


「秋といえば文化祭、という事でいよいよ来月に迫った『メリヤス祭』にクラスで行う出し物を決めたいと思う誰か、これがしたいといった案はないかね」

「はい先生」

先生が言い終わるのを待っていたのか、すかさずジョニーが手を上げ立ち上がる

「今、人気のメイド喫茶がやりたいです」

突拍子も無い意見を、さらりと言い放つジョニーに呆れるあまり、ため息が出た


「で、お前がメイド服を着るのか?」

その言葉の思わず、メイド服を着てにっこりと微笑むジョニーの姿を想像してしまい頭に手を当てうつむき苦笑する


「まさか、冗談きついで先生……もちろん女子が着るに決まっとるやん、なんつったって、うちのクラスには、美人と評判の上田姉妹をはじめ、可愛い子ちゃんぞろいやからな」


愛想笑いをしながら意見を主張するジョニー、その斜め前で美人と言われ照れる優子……そんな姉とは正反対に真弓は両手のひらで机を叩き、立ち上がるなり面と向かってジョニーを指差し声を上げる

「反対、何が悲しくてあんたの妄想現実化なんかを、手伝わなきゃなんないのよ、第一メイド服なんてあんな値段の高い服、誰が持ってるって言うのよ」

「確かに……でも何で、高いって値段知っとるんや……もしかして興味あるんか?」

「はっ、そんなの興味あるわけないじゃない!」


必死に反論する真弓の制服の裾をつかみ、優子が不思議そうな顔で一言

「えっ、真弓、最近家で毎日のように、鏡の前で着てる、あれってメイド服じゃなかったの?」

「「え!」」

教室中が驚きの声を上げ、どよめく

「ほう、これはこれは」

ジョニーは勝ち誇ったごとくにやりと笑い、真弓を見る


「うぅん、確かに持ってるけど反対、こいつの前で着るなんて絶対に嫌、見てよこの気持ち悪いにやけ面、何を考えてるか分かったもんじゃないわ」

「なんやて!」

「なによ!」

喧嘩を始めんとばかり、互いに近づく二人に、先生が声を上げる

「ストップ! そこまで言うからには、代わりになる出し物が有るのかな?」


真弓は、天井を仰ぎ考え、すぐに明るい声で回答する

「お化け……そう、定番のお化け屋敷とかどう、お化けだったらあたし一杯呼べるし」

「お化けを呼ぶて、霊能者か、嘘つけ」

「嘘じゃない、どんな化け物だって呼べる、何なら神様だって!」

「真弓やめなさい!」

「だって、お姉ちゃん!」


目くじらお立て声を上げる真弓に、業を煮やした先生が、裁判長の木槌(ガベル)のように強く教壇を叩いた!

「静かにしろ! ……なんだかもう必死だな」

嘲笑混じりに息をつき肩を落とす先生の、同情と哀れみの声が真弓を落ち着かせた

「先生まで、信じてくれないの」


「行事に積極的なのは素晴らしいことだが、お化けを呼べるなどと訳の分からない理由がとおらないことくらい分かるだろ、すまないが却下させてもらう……

第一今は冬だ、季節に合わない……それに実を言ってしまえば、先生も……上田姉妹の、ひいては女子高生のメイド服姿を見たい!」

「先生?」

「そんなさげすむような目で見ないでほしい、メイド服姿を見たいのは先生だけではない、クラス男子全員の総意と言っても過言ではないと思う……無論、

そこで視線を反らし必死で他人のふりに徹している、山田太郎君も例外ではない、むしろ必死な分その思いは強いはずだ」

その言葉でクラス中の視線が僕へと一気に注がれる


「あんたも、あたし達のメイド服姿見たいの?」

「うん、僕だって男子だからね、見たくないなんて言ったら嘘になる」


退路が断たれたような、気まずい表情で周囲を見渡し

「一億万歩ゆずって……メイド喫茶をするとして……あたしたち女子だけが、恥ずかしい思いをするなんて不公平!」

「「そうよ、そうよ」」

真弓の発言に触発された女子たちが、男子に牙をむく



「確かに上田の言うとおりだ……では午前の部を女子のメイド喫茶を、正午からは男子の……執事、喫茶というのはどうだ」

「先生、そりゃあかんで」

「おいジョニー」

「流石に男子の不参加は、認められない……はん滞留や代案があれば言ってみなさい」

「いやいや、正午から男子がやるのは、ええと思う……けど昼飯にケーキと紅茶って……稼ぐ気、有るんか? よその焼きそば、お好み焼き屋に客取られてまうで」

「確かに」

「そやから、汚れても大丈夫なこの制服で……執事食堂するんや! 目指せ売り上げナンバーワン!」

「よし!」


担任が黒板に『午前・メイド喫茶。 正午から執事食堂』と書き上げ

「では、これで決定とするが、他に提案があれば今週中に申し出る事、無い場合……来週から、昼休み、放課後に準備開始とする」





そして…………準備も終わり……いよいよ明日は『文化祭』

読んでいただき、ありがとうございます。

『山田太郎たちの恋物語・Boys Meets Girls?』

第三十六部『文化祭打ち合わせ』

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by.メガネ君(作者)

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