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八十七話

 バキリと言う鈍い音とともに四方に飛び散るスマホの液晶。

 「あの尼ぜってぇゆるさねぇ!」

 肩で息をする晴人が唾棄する。

 「だけどどういうことだ? なんで桜井まで拉致してゲームに参加させようとする?」

 それほどまでに参加してもらわないと、桐葉側に不都合が生じるのだろうか。そして、何をするつもりなのか。

 「知るかあんなサイコ女! こうなったら今から楓を取り返そう!」

 「やめておけ! 下手したら殺されるかもしれない」

 「んなわけねーよ! ハッタリに決まってる!」

 「そんな覚悟で保高が強硬手段で拉致すると思うか?」

 少なくとも、あいつは本当に人を殺す。人を殺せる行動力があると、福田先生は言った。あれはビールを摂取した戯言ではなかったのだ。晴人も同感らしく、血が出るほどに唇をかんだ。

 「畜生が」

 桐葉を警戒していなかったことがここまで最悪な状況に繋がるとは。

 「コンビニに行った直後に捕まったに違いない。たぶん何かに気付いたから標的になったのかもしれねぇ」

 「可能性はあるな。その何かが集合霊のあのサイトっていうわけか」

 楓は頭脳明晰で、隆幸らの大学とは偏差値が十くらい上へ進学できるほどだ。隆幸らがどれだけ頭をフル回転させてもたどり着けるはずがない。


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