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十話

 土曜日になった。予想以上に早く予定が終わった。赤門高校に行くということで、気が焦ったのだろうか。八時と約束したのに、到着は丁度七時。帰宅している後輩の姿を見やりながら、隆幸は校門付近の駐車場辺りに腰を下ろす。

 自分らが身に着けていた制服と変わらないデザインを見、少しだけ感傷に浸る。あの制服を身にまとっていた時は楽しかった。晴人と楓と真樹と四人でいつも遊んでいた。高校でも馬が合って、同じ部活に入って。

 「……冷泉」

 生きているのだろうか。願わくは、それだけは知りたい。


 七時四十分。

 「お前早すぎだろ。いつからいたんだよ」

 荒いトリップをした車の助手席から降りてきたのは、背広を纏った晴人だった。上司と仕事を分け合ってたらしい。

 「久しぶりね、御堂君」

 運転席からはスーツ姿の桜井楓が顔を出した。釣り目な彼女は普通の状態でも怒ってる? と聞かれるほどだが、世話好きないい奴だ。可愛い、というより綺麗な、スレンダーな女性。楓とは別の会社勤務のため、約一年ぶりの再会だった。ちなみに晴人は楓と交際してるため、隆幸と違ってほぼ毎日会っている。

 「久しぶりだな。桜井」

 「ええ。ハル君から聞いた通り、少しやせた?」

 「余計なお世話だ。平野、お前なに吹き込んでんだよ」

 「ははは。やっぱ面白い反応するな~タカちゃんは!」

 おどけた晴人が我先に校門へ入る。恐れを感じさせない軽いノリに内心救われた隆幸は、待てごら! と後を追った。


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