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紅蓮の姫は覇道を紅く染める【凍結】  作者: ネコ中佐
第1章: 目覚めし力
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死闘目前

遅くなりましたーーーー!!!

私は砦に着くなり、悪態をつきたくなる。


何故、彼以外の騎士がいないのか。魔物が押し寄せている。それはわかる。しかし、



全員が何故一箇所に集まって戦っているのか。そのせいで逃げ遅れたのか、騎士の中の家族が心配でそれに巻き込まれたのかはわからないが大蜥蜴(リザード)の群れやその他が一人の少女を庇いながら立ち続ける騎士が一人でいたのを遠目でみたからだ。


思考することを棄てる。腰を落とし、刀の柄に手を掛け一呼吸で間合いに踏み込む。


そして、万が一に備えるためにチカラの一部を引き出す。音を置き去りにし、目に追えるものであれば目は爛々と紅い(オパールレッド)のように輝き紫電のように軌跡を残す。

踏み込んだ地面は大きく抉りクレーターを作る。発せられた衝撃波(ソニックブーム)彼女(エストレア)から発するナニカを感じ逃げようとした魔物を巻き込む。



間に合えと心に念じながら、更に一呼吸入れ()を蹴る。


空を蹴るというのは多くのファンタジーでも用いられた奥義だろう。


だが実際にやるには秒より早く脚の筋肉全てを伸縮させる必要があり、いかに魔法などがあろうが人体にかかる負荷は瞬間的にtを超えてしまう。

過負荷による筋肉の摩擦は人間では耐えられない。無論、人間を超えているとしても。瞬間的に細胞を修復する術があれば過負荷に耐えられるやもしれない。だが多用は出来ない。


法則に則っている限り、これは摂理なのだ。


エストレアはそれを行なった。彼女がソレを行えるのはやはり彼女特性故だろう。が、それもギリギリだが。


少女を庇いながら戦う騎士に襲いかかる大蜥蜴(リザード)を難なく切り捨てると周囲の魔物を蹴り飛ばす。

エストレアは背後にいるボロボロの騎士に激励をかけると、安心したかのように笑みを浮かべ倒れる。首に手を当ててみると脈があるのでただ気絶しているだけだろう。


同じくして庇われていた少女も緊張が解けたのか気絶していた。


どうしたものかと思案していると



「ぜぇーー、ぜぇーー、ひどいよエストさん!私達を置いて走り出すなんてゲホッゲホッ「まて、先ずは水を飲んでからだ。」はい。」


俊足の魔法をかけて追いかけてきたのだろう、息絶え絶えになっているジットとアンナ、ドラン達等が目に入る。


「すまないな、馬車がアレでは時間の無駄だったから仕方なくだ。君たちを置いたのはすまないと思っている。」



「もう!気をつけてね。一応この依頼でのパーティーの一員なんだから。」



「アンナ、お前あわよくばエストさんを常時パーティーにしようとしてるだろ?俺の目は誤魔化せんぞ?」


「そ、そそんなことはなないよ?何を言っているのかな?」


目をクルクル泳がせて言っても何も説得力がない。

そんなことよりも、


「ちょうどよかった。民間人を守って傷ついた騎士がいる。私は門の方へ急ぐから見ててくれないか。」


私は言うなり、風に乗りその場を離れる。


「え、ちょっ!?さっき注意したばかりなのに!?って、もういない!?」


どうしろってのよぉーー!!アンナの悲痛な叫びがエストレアの背後で聞こえたとか。





ーー





「嘘だろ‥‥‥、後どんだけ来るんだよ‥‥。」


絶えることなく押し寄せて来る魔物の群れ。Aランクの冒険者が何名かきてくれた上B〜Cランクの冒険者も合流したことで持ちこたえるどころか逆に撃退できると思っていた。


だが現実はどうだ。いくら倒してもまるでその倍で補うように更に押し寄せて来るのだ。

そう、どんな手段を使ってもここを通ると言っているかのようだ。


魔物は、自らの直感には絶対の自信がある。魔物とはいえ大森林に住まう野生の動物とあまり大差はない。


更によりによって魔物たちにとってそもそもの元凶(エストレア)が来ているのである。もともと大森林に現れたソレに逃げ出したのに今は目の前にまで近づいていることもありパニックになっている。


パニックになって暴走している野生の動物を冒険者とはいえ止められるか?といえば否である。


そして更にパニックを加速させるように、今エストレアが風に乗って戦場に降り立った。










ソレははるか上空を飛行していた。赤みを帯び発達した翼は刺々しい。


角は歪に湾曲し不揃いだ。目は爛々と輝き力が足らんとするものを支配するだろう。

口元の牙も不規則に並び炎が漏れる。尻尾は先端が太くなっていて敵を打ち付けるには最適だろう。


彼はナワバリである大森林の主であった。飛竜でありながら、恵まれた体躯を持ち文字通り王であった。


ナワバリ争いに勝ち続けたが故、もはや飛竜ではなくなりつつある。それはもう上位竜に片足を突っ込んでいる状態とも言えるだろう。事実どうすれば敵を効率よく倒せるか?自分より強い的にはどうするべきかを判断できるだけの知能を手に入れたのだから。


だから今回のナワバリである大森林の異変に気付き対処に出て来たのだ。この異変は矮小な人間の仕業であると確信していたから。

もうすぐ矮小な者たちの街とやらが見えて来るだろう。


捻り潰してやろう、翼を強く羽ばたかせ速度を上げ街にめがけ急降下する。











続く
















遅くなり申し訳ありません、イラストを描いてて、全く手をつけていませんでした。


イラストは出来たものの処女作なせいかなんかなーという感じで‥‥。


散々待たせておいてこの出来かよ、と言われるかもですが、お願いしますね。

イラストはここに載せます。

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