第一話
このゲームでは基本的な行動は「マップ」で場所を指定する事が出来るのだが、攻略キャラクターによっては各々いる場所が決まっている事が多い。
例を上げると、リチャード王子は生徒会。プレイボーイな気質のある商人の息子は談話室。騎士団長の息子は鍛錬のためか運動場といった具合だ。
そして実は選択肢だけでなく『プレゼント』という形で親愛度を上げる事が出来る。
ただし『プレゼント』をするためには「コイン」を集めなくてはならず、その「コイン」を集めるためにには試験で良い結果を出すか、困っている人を助けるともらえる。
しかし、試験で良い結果を出したとしても「試験」は毎日あるワケではない。
そうなると、手伝いや人助けをするのが「コイン」を集めるには手っ取り早いのだが、実はこの塩梅が難しい。
あまり手伝いばかりしてしまうと攻略キャラクターのために集めているにも関わらず、イベントの選択肢によってはベストエンドまで辿り着けず、また「コイン」を集めずに攻略キャラクターとばかりといるとバッドエンドに近づいてしまうイベントが発生してしまう仕様になっていた。
それ故に実はこのゲームは数ある乙女ゲームの中でも難易度がかなり高めだったらしい。
話を戻し、この「コイン」を使ってキャラクターたちに『プレゼント』を送る事が出来るのだが、基本的に好みによって親愛度の上がり方がバラバラで間違ったモノを渡してしまうと、親愛度が減る事はなく、また上がる事もなく、ものすごく微妙な反応をされてしまう。
そして、問題はその『プレゼント』の中にある「チョコレートクッキー」だ。
このクッキー。見た目は普通のクッキーなのだが、実は「幻の木の実から作られた」とされており、このクッキーを『プレゼント』した時だけ現れるスチルがあるほど珍しいモノだった。
しかし、当然希少価値があるため簡単に手に入らない。
どれくらい手に入れるのが難しいかと言うと……ゲーム中で行われる「試験」と言う名のミニゲームを難易度Maxで一度クリアした上に一か月手伝いをしなければならない。
なぜ一か月かと言うと、実は手伝いはすればするほどもらえるコインが増えるのだが、その最大でもらえるのがちょうど一か月なのだ。
ただ問題はミニゲームの試験で、コレがものすごく難しい。
もちろん、難易度によってもらえるコインの増減はあるのだが、一回でもミスをしてしまうと一気にもらえる枚数が減ってしまうのだ。
だが、その入手の難易度に見合うだけの効果があり、また限定のスチル欲しさにみんなこのクッキーを目標としてゲームを進める。
しかし、実はこのクッキーなのだが、その希少価値に関わらずゲームをプレイ中は何度でも購入する事が出来る。
ただ、一度に獲得したコインは次に新しくストーリーを始めるとリセットされてしまい、引き継がれない。
そのため一部のプレイヤーからは「理不尽だ」と言われる事もあった。
「……」
ここまで踏まえて考えると……どうにも『リメイク版』が発売されるほどの人気が出る様には思えないかも知れない。
しかし、この難易度の高さに惹かれたプレイヤーも多く、実は結構話題になったゲームでもあった。




