第三話
――処遇。
「そう……ですよね」
「うむ。今のおぬしの家の位は『男爵』だ。聞けばおぬしはキュリオスから『友人』と言われる事に対してあまりいい顔をしていなかったと聞く」
「それは……その」
アリアは戸惑った。
自分の行いが決して間違っていたとは思っていない。ただ、その話が陛下にまでいっているとは思わなかった。
「いや。お主の判断は正しい。むしろその年でその判断が出来ているという事に驚かされておる」
「えと……あ、ありがとうございます?」
よく分からないが、なぜか褒められてしまった。
「しかし……おぬしが『先祖返り』となると話は別だ」
「そう……ですよね」
先ほど陛下は「歴代の『先祖返り』は王家で保護をしていた」と言っていた。
しかし、そもそもアリアが前世でゲームをプレイしていた時はそんな設定はなく、また主人公も「珍しい魔法を使える」くらいのゆるいモノでしかなかった。
それこそ別の作品で見る様な『聖女』なんてモノは存在していないし、世界の危機に立ち上がる……なんて事もない。
完全に恋愛に極振りした乙女ゲームの典型的なモノだったはずだ。
しかし、今。アリアの目の前で起きている事が現実で事実である。
「だが、お主を今の状態で保護しようにもな……」
「ええ。一番手っ取り早いのはあなたの家の位を上げる事でしょうけど……」
確かにそれが一番早い方法なのかも知れない。しかし、陛下たちはあまりその方向には持っていきたくない様だ。
「家の者であるおぬしを前に言うのもどうかとは思うのだが」
「いえ、大丈夫です」
「以前のお茶会に両親のどちらもついていないという事が気になって調べたのだが……随分とお主や兄をないがしろにしている様だな」
「……」
否定出来ない。
「自分の家族すら大切に出来ぬ者の位を上げるワケにもいかぬ」
「……はい。私もそうだと思います」
それに、大した実績もない家の位が突然上がったら周囲の貴族たちはきっと不審に思うだろう。
陛下としてはどうしてもそれは避けたいというワケだ。
それに……アリアとしてもその話はあまり乗り気ではなかった。
なぜなら、もし仮にそれで位が上がってしまっては両親が良い思いをするだけと思っていたからだ。
こういう時だけ良い顔をするというのをアリアは知っている。だからこそ、両親に良い思いをさせたくなかった。




