9.アーサー王太子殿下の婚約者発掘!
なんかだり~。
「お疲れだな?リド?」
わかってて、言うアースは意地悪だと思う。
「なぁ?今更俺がお前についてる必要ってあるのか?」
「それは父う…陛下に聞いてみなきゃわからんことだな」
まぁ、アースの友人を任命したのは陛下だけどさ。
ここで、問題発覚!
俺は、仕事をなくしたらエリンを養えないのだが??
なんだか忙しなく陛下との謁見が叶った。アースの力か?王太子だからね。
「お久しゅうございます。陛下におかれましてはご機嫌麗しゅうございます」
「あ~、よいよい。リチャードは私の義理の息子だからなぁ。早く孫の顔が見たいものだよ」
父さんと同じこと言ってる…。やはり孫は重要ポイントなんだろうか?
「えー、私はアーサー王太子殿下の友人として今までいましたが、今後もそれでいいのでしょうか?アーサー王太子殿下もそれなりの年齢ですし、私は友人枠でいいのでしょうか?」
「じゃあ、側近ということで」
変わんなくね?変わったの名称だけ。
「ところで、王太子殿下には婚約のお話とかないのですか?年齢的にもあるのではないでしょうか?」
「流石はエイプリル家だなぁ。まぁあるんだけど、精査中だな。こっちは後の国母を決める大事な作業。隙を見せるわけにはいかないからなぁ」
「その作業に私も参加したいです!」
「リド…面白がってないか?」
「先に面白がったのはアースだろ?」
こうして、俺はアースの嫁探しの会議に参加することが出来た。
「こちらの令嬢はどうでしょう?家柄・特技。そしてこの姿絵がなんとも素晴らしい!」
王国の大臣らしき人が薦めてくるんだけど・・・。
「うーん、正確なのは家柄ですね。あとはどうにでも詐称が可能なものばかり。どうにかならないんですか?」
姿絵なんか特に嘘くさい。そんな人間いないだろ?って姿絵を平気で提出してくるから笑える。
「とりあえず、家柄だけ釣り合う令嬢の釣り書を残しましょう」
「流石はエイプリル家の人間だな」
とか聞こえる。そんなにうちってスゴイのか?俺にはわからん。
「家柄だけとなると、侯爵令嬢と公爵令嬢のみですか?あと、他国の王族の王女……」
「あー、他国の王女ってのはポイント高いですね。その国と縁を結んでこの国にどんな利益が出るのかが重要ではないでしょうか?」
アース、悪い。見た目はわからん!
「王女ならば見た目もいいと思うんだけどなぁ?偏見かなぁ?一度お会いしてみては?」
と、一応の提案をしてみた。
「いいですな。早速、この国に手紙を送りましょう。一度会ってみたいという旨で」
王家だったら、先祖代々キレイどころと結婚を繰り返してるから、美形の確率高し!実際ポートエクス王国はそうなのかな?アースもエリンも美形だ。
今回来てもらうのは、ラップトップ王国の王女だが、ラップトップとの縁か…確か鉱山資源が豊富なんだよな。対してポートエクスは海産資源が豊富。互いに良い関係が築けるのでは?それに、最近東の国から教わった、貝の中でも宝石を持ったものがいるということで調べてもらったところ、ポートエクスの海にもその貝が自生していることがわかった。貝から出てくる宝石は今は貴重品で王族しか手に入れていないが、貝を養殖する技術を確立することができれば、その宝石もこの国の海産資源となる。
続いて、アースの結婚についてです。王族の結婚は面倒だなぁ。