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ゲームで伝説の鍛冶師だった、元アラフォーおっさんの異世界転移奮闘記  作者: Maya
第一幕 第一章:そして始まる異世界生活
3/302

確認は大事だよね?

本日3話目です。

転移した中身おっさんの活躍をご覧ください。

よろしくお願いいたします。

・・・意識が覚醒したのか雑踏が聞こえる。


【ん?】


目を開けると街の中、噴水の脇にある縁石に腰を下ろしていた。


【転移が成功したのかな?】


座ったまま周りを観察する。

中世ヨーロッパ的な街並み。

あちこちに露店が所狭しと建っている。

そんな街・・・規模から言うと今、俺のいる所は街の中央だろうか?

大きな城のような建物があるのが見える。

貴族様でもいるのだろうか?


そして、行きかう人々の多さ。


お?

あれは獣人族か?

でも首輪をしているぞ?

羽の生えている人がいる。

あの人はガーゴイル族か?

おお!

あの人は耳が長いぞ!

エルフが、エルフがジャパニーズエルフだ!


すげえ・・・マジで来たんだな。


【『アリステリア様』、ありがとうございます。無事に着いたみたいです。】


思いを込め祈る。

一通り周りを見終わってから。


【俺は来たんだな!】


ドンッ!


と、地面を踏み鳴らし立ち上がる!

そう、ついに憧れの世界に降り立ったのだ。


ん?

体が()()()()()ぞ?

まあ良い。

それどころでは無い。


【さてさて、どうするか?その前にここは何処だ?】


MMORPGである〖ウルトラ・オンライン〗に似た世界に転移したらしい。

その中の街の一つだろう。

改めて周りを見る。

ゲームの時の過疎なんてとんでもない。

凄い数の人がいる。


【うへぁ~・・・。】


その光景に思わず感動する。

俺の知っている〖ウルトラ・オンライン〗は、完全スキル制のMMORPGだ。

自慢ではないが、俺はプレイヤー時代にはキャラクターのすべてのスキルを最大まで上げた廃プレイヤーだ。

100のスキル値をアイテムを使い、120(一部を除く)まで上げたのだ。

まぁ、廃プレイヤーと言っても長くやっていただけなので、お金には困る事も無くのんびりとプレイしていたのだけれどね。


長年やっていたので、それなりに知識だけはある。

おっと、身の上話はここまでとしよう。

せっかく憧れた世界に転移したので、いろいろやってみたい事もあるしね。

早速、異世界物の定番!


【ステータス、オープン!!!】


と、大声を出してみる。


通りを歩いている人が何事かと一斉にこちらを見る。

街中だと言う事を忘れて大声で叫んでしまった。

さすがにコレは恥ずかしい。

顔が赤くなるのが分かる。


だが『ステータス画面』が出た。

透明な板の様な物に淡い緑色の光で『ステータス』が表示されている。

こちらを見ている人達も何やってるんだあの人は?

的な顔をしてこちらを見ている。


ステータス画面は他の人には見えないのだろうか?


まあ良い。

これも、追々調べて行こう。

それも醍醐味だよね!

・・・醍醐味だよね?


で、肝心なステータスはっと・・・。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ヘファイストス(Hephaistios) 男 十五歳 :神格者

称号・加護   :異世界からの訪問者 :伝説の鍛冶師  

        :創造神の加護    :創造神の寵愛を受けし者


ヒットポイント:9999/9999

スタミナ   :9999/9999

マナポイント :9999/9999


STR    :999/999

DEX    :999/999

INT    :999/999

LUK    :999/999


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


うん、使っていたキャラの名前だ。

この世界では俺はヘファイストスなんだな。

成程成程、えー次はっと・・・。


ん?

まてまて、()()()

()()()()()()()()()!?

伝説の鍛冶屋はゲームでも伝説の鍛冶師だったからそれは問題はない・・・はずだ。

創造神の加護は説明を受けた。

創造神の()()って、なんか嬉しいな。


あの女神様を思い出し、ニヤニヤしてしまう。


おっと、次っと。

あれ?

ステータスの数字が見た事も無い数字になっている。

ヒットポイント『()()()()』!?

150のカンスト超えてるやん!?

マナも、スタミナも・・・!?

STRやINT等もか・・・

しかもLUKって運か?

運なのか?


これ、ゲームだと下手なボスモンスターより高いステータスだぞ?

オイオイ、『アリステリア様』これはやりすぎではないだろうか・・・?

これじゃあ()()()だぞ?

いやいや、まだ始まったばかりだ、前向きに行こう。

強い分には助かるからね。


次の問題はスキルだ。


スキル画面を見る。

ほう、剣術スキルが1000か。

・・・ん?

()()()()だと!?

桁が一つ違うような気がする。

慌ててスキルの情報を見る。

すべてのスキルが、「1000/1000」でカンストしている。

俺の知っているゲームでは上限は特別なアイテムを使わない限り()()()だったはずだ。


【何で1000なのさ!?】


盛りすぎですよ、『アリステリア様』。

ガックリと地面に両膝を付く。

全てのスキルが1000なので、もしこれがバレたら魔物を退治してくれとか、ボスを退治してくれとか無理難題を言われそうだ・・・。

これは隠した方が良い情報なのではないのだろうか。


何故ならば俺はリアルでは喧嘩等を一度もした事が無いからだ。

身体作りの為に小学校の六年間を空手に行ってたぐらいだ。

実戦式では無かったので『形』を覚えてただけだしね。

痛いのは嫌だし、怖いのも嫌だし、安全が一番だよね。


しかもグロ耐性なんて無いからね。


更に見ているとステータス画面の右上の辺りにタグがついている。

ん?

ペーパードール?

何だこれは?

お?


考えるだけで開けたぞ?



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ヘファイストス(Hephaistios) 男 十五歳:流浪の鍛冶師


ヒットポイント:30/30

スタミナ   :20/20

マナポイント :20/20


STR    :30

DEX    :20

INT    :20

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


スキルは武器学と鍛冶、採掘、裁縫、魔法、鑑定が五十と・・・まさに生産系だね。

その他のスキルは剣術が50と、後は全てのスキル値が各20~30の様だ。

こっちのステータスだとまだ普通だね。


他人にバレるステータスはこっちで頼みますよ、『アリステリア様』。

心の中でそう祈っておく。

結局、鑑定を掛けられないと分からないかもしれない。

と、言う事で落ち着くしかなかった。


どうにも出来んしね。


ステータスに関しては、この世界がゲームだった頃は他人のステータスを見る時は鑑定スキルを使わなければ出来なかったはずなので大丈夫だろう。

・・・不安になって来た。

試しに通りに立ってこちらを見ている美人のお姉さんを鑑定してみる。


【「鑑定」。】


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

桔梗 (Kikyou) 人間/女 十六歳:雷禪らいぜんの隠密


ヒットポイント:35/35

スタミナ   :55/55

マナポイント :20/20


STR    :26

DEX    :58

INT    :10

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

スキル

   :鑑定 51.6

   :隠蔽 48.7

   :隠密 43.4

   :槍術 36.5

   :毒物 35.9

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


おお、鑑定が出来た。

さすがに装備は見れないか・・・?

タグがあるな。

装備っと・・・。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

頭  :夜盗のバンダナ

首  :疾風のマフラー

上半身:忍びの装束

腕  :

手  :忍びの手袋

下半身:忍びの袴

靴  :消音の足袋

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


見れるね。

コレはゲームと同じだな。

しかしなあ・・・この人、スキルが物騒なのばっかりだが、大丈夫なんだろうか?

装束で顔も見えないしね。


ふむふむ、成程ね。

鑑定に成功するとステータスやスキルと装備が表示されるようだ。

一般人だからか?

ステータスが低いような気がする。


ん?

いやいや、ちょっと待て!

他人のステータスが見れるじゃんか?

と、言う事は俺のステータスも見られるじゃないか!?

うーん、他人から鑑定されるのは勘弁願いたいね。

まあ、何とかなるだろう。


前向きに考える事にした。


さてっと装備はどうだろうか?

ふむ、腰に鋼の「ダガー」が一本っと、腰に「バックパック」が一つ。

まあ初期装備なら、そんな物だよね。

バックパックと言ってもベルトに通して付ける皮のポシェットの様な物だ。

このベルトはポーション瓶をはめ込めるようになっている。


次にバックパックの中身を確認する。


ん?

中身にアイテムの他に子袋が二個あるな。

まあ、一つ一つ確認して行こう。


まずは中身だね。

『神匠のハンマー』と『無限のつるはし』鍛冶師のアイテムみたいなのだが・・・。

うん、見た事も聞いた事も無いアイテムが入っているね。

・・・詳しくは考えないようにした。

他にも、「()()()()()()()」が1000個と「()()()()()()()」が1000個、後は「動物の皮」が1000枚に「木の板」が1000枚か。


アイコン表示の様になっている。

意識をアイテムに集中させるとそのアイテムの名前と個数が『見える』。


しかし「鋼のインゴット」が1000個?

俺の知る限りゲームでは、そのインゴットの色による属性抵抗値の属性補正の種類はあったが、鋼とかのインゴットとかでは無かったはずだ。


アレか?

お約束の()()()()とかがあるのか?

もしあれば一気にファンタジー感が出て来るな。

これも違いが気になるね。


楽しみだ。


このバックパックの中の物はゲームと同じに『()()()()』するのかもしれない。

しかも重量を感じない。

ゲームの時は重量制限があったのでコレはありがたすぎる!

まずは確かめてみよう。


皮に1000と書いてある。

試しに皮を一枚と思いながら取り出してみた。

おお、ちゃんと出てくるね。

バックパックの方の表示が999になった。

バックパックに入れると、スタックして1000に戻った。

うん、ゲーム通りで便利だ。

アイテムを出し入れする感じは某狸型ロボットのポケットみたいな感覚だ。


と、言う事は素材等はしばらくは心配いらないだろう。


ただ、問題が一つ。

例えば皮を手に入れるにはゲームと同じで動物を倒して皮を手に入れるのだろうか?

もしかして解体とかしないといけないのかな?

さっきも言ったけど、グロ耐性無いんだよね。

解体なんかもやった事は無い。


ブルブル、さて次に行こう。


子袋が二個ある。

こっちは何だろう?


一つ目の子袋を見てみると硬貨らしき物が入っている。

銅貨が1000枚と銀貨が100枚、金貨が10枚だ。

こっちの子袋にも貨幣の枚数の数字が見える。

この子袋もバックパックと同じ仕組みなのだろうか?

出してみると表示が消えた。


どうやら違うようだ。


もう一つの子袋には「スペルブック」、「騎士の書」、「武士道の書」、「忍術の書」、「霊媒の書」、「神秘魔法の書」、「織成魔法の書」と、それぞれの魔法で使う「秘薬」が23種類が100個ずつ入っていた。


ゲームではゴールドで統一されていたのだが、銅貨と銀貨と金貨。

うん、お金の価値が分からんな。

買い物はどうしようか・・・。


早速だが困った。


後は・・・秘薬か。

ゲームだと呪文を唱えるのにその魔法に必要な秘薬と「スペルブック」に書いてある呪文が必要だった。

『秘薬低減装備』は無いのだろうか?

低減率を100%にすると秘薬が無くても魔法が使える便利アイテムなんだけどな。


「スペルブック」には1th~10thまでの魔法が記入された『フル・スペルブック』だった。

魔法には1th~10thまでの10段階がある。

10thの魔法なんか周りに被害の出る広範囲攻撃魔法とかじゃないか。

街中で使ったら大災害間違いなし。

本当に気を付けよう。


確認してみると他の書物にも全部の魔法や技が記されていた。


騎士道の書には五段階の魔法。

武士道の書には五段階の技。

忍術の書には五段階の技。

霊媒の書には五段階の魔法。

神秘の書には五段階の魔法。

織成の書には五段階の魔法。


魔法や技はその対応するスクロールや技の巻物を本に書き写さないと使えないのだ。

俺の持っている物はそれを必要としない全ての技や呪文が書き込まれた本だったのだ。

ありがとう、『アリステリア様』。

まあ、魔法等は使用して後々確認してみよう。


そう言えば加護にストレージってあったよな?


このバックパックの事だろうか?

もしそうなら、無くしたり盗まれたりしたら大変だ。

バックパックを良く見るとカバンの蓋辺りに「Hephaistios」と書いてある。

専用装備なのかな?

それなら良いのだが。


確認が出来るまでコレも秘密にして盗まれない様にしておかないとね。


とりあえず、この世界のシステムから勉強だな。


基本は〖ウルトラ・オンライン〗と同じで良いとして、元プレイヤーとしては違いが気になる所だ。

検証するのもワクワクしますな!

ゲーム時代の鍛冶師としてはプレイヤーに剣や鎧を作るのが生業なりわいだったのだが。


ここで一つ疑問が頭に浮かぶ。


ゲームでは『家』等に施設を作る事が出来たがこの世界ではどうなんだろうか?

公共の鍛冶場とかはあるのだろうか?

だったらまず鍛冶場の確認を・・・とか考えているとなんか周り中から視線を感じるんですが?

気になって「何だろう?」と思って周りを見たら皆、俺の方を見てヒソヒソしている。


俺を見ているぞ?

行動が怪しかったか?

そういえば広場のど真ん中だったっけ?

服装は普通に黒のスーツなんだけどな・・・。


ん?

ちょっと待て、そう言えば・・・まさか!?


〖ウルトラ・オンライン〗ではこの黒のスーツは結婚式や式典の時だけに着ていたはずだ!

しかもこれは課金アイテムで超高級品だ。

前世で買った時も一着で5000円の課金をした物だ。

それに設定では貴族様の為に仕立てられたって書いてあったはずだ。


まさか、この服のせいで・・・貴族様とかと間違われているのか!?


ステータスオープンとか言って・・・奇行を繰り返し・・・。


これだ!

見られているのは、これに違いない!

『アリステリア様』、迂闊うかつですよ。

いやいや、気付かずに馬鹿をやっていた俺のせいだ!

さすがにこれは目立つ!

俺は大貴族ではないんです!


急いで何とかしないと!


噴水がある所から離れ街を走り回る。

この場合は裁縫屋か?

何処にあるんだ!?

ぜーぜー、いや、チートのおかげで体は軽かったしスタミナも減って無いんだけどね。


お約束と言う事で。


街の中を色々探し回ったんだけどゲームと違って街の中だけで地図が必要だな。

そう言えば『地図作成』のスキルもあったな・・・。

ま、まあ後で地図を探して無かったら使おう。

だが、さすがリアル。⦅ニヤリ⦆


地図の一枚にしてもやりがいがあるぜ。


走っていたので分かったのだが、城らしき建物を中心として東西南北にそれぞれ通りがあるようだ。

街の形は、ほぼ円形でそれぞれの通りの先に門が設置してあり城壁が周りを囲んでいる感じだ。

うん、日本とは違うねぇ

南には港があり結構大型の帆船が泊まっているのが分かる。


そして30分程走り回って、やっと裁縫屋を見つけた。

最初の噴水から南に向かうと、すぐだったのに色々と探してしまった。


何という事だ。


走り回ったので余計に目立ってしまった。

だって俺を見るとその辺の人は土下座するんだぜ!?

流石の高額課金アイテム、『貴族専用タキシード、パーソナルカラーは黒です』!


急いで一番近くの店のドアを開き入店する。


カランコローン~♪


ドアに鳴り物が付いていて音がした。


「ようこそ、いらっしゃいました。何かお探しの物はございますか?」


出迎える男性店員の声がする。

丁寧な御辞儀をしている所悪いんだけど服!

服をくれないかな?

ああ、思考がまとまらないぞ!?


早歩きで男性店員の方に「ツカツカ」と音を立てて歩み寄る。


【普通の服を下さい。】


「え?」


慌てる男性店員を急かす様に両肩に手を当てて掴む。

そして揺する様にもう一度言う。


【普通の服を下さい!】


「あ、はい・・・かしこまりました?」


男性店員が俺の勢いに驚いている。

その様子を見て俺は少しクールダウンした。

勢い凄かっただろうな。

ごめんね、名前も知らない男性店員さん。


しかも、思わず「普通の服」と言ってしまった。

なんだよ普通の服って、もうちょっと言い方があるだろうに・・・。

と、髪を「わしわし」といていると。


「お似合いの服なのによろしいのですか?」


そう聞かれる。


【ええ、普段着が欲しいので。】


「普段着・・・で、ございますか?」


男性店員は俺の恰好を見て上客とでも思ったのか色々と話をしてくれる。


どうやら今日は一の月十の日らしい。

寒い訳だ。


一の月、つまり元の世界の一月の事だろう。

一の月が寒いと言う事は前世と同じ季節の感覚かな。

一の日から五の日まで新年祭と言う祭りをやっていたそうだ。

この世界の人は一の月になると一歳年齢を取ると言う事らしい。

例えば十二の月に生まれても一の月が来れば一歳になるらしい。

一の月は誕生月に当たるので、裕福な家庭では子供にプレゼントが配られるらしい。

ふむふむ、やはり今は一の月なんだな。


ほほー、そう言えばゲームの時は新年のアイテムとか貰ってたな。


前世ではプレゼントなんか貰った事が無い。

・・・今世では貰えると良いな。

可愛い女の子からとかだったら嬉しくて飛び跳ねちゃうよ?


おっほん、話を戻そうか。


ここ『ニュー・オーカム』の街は、雪はほとんど降らず冬でもそこまで寒くは無いとの事だ。

駆け出しの冒険者から中級の冒険者が集まる街らしい。


ニュー・オーカムか。

初心者の街っていう感じかな?

名前こそ違うが、ゲームの時は初心者さんや新規さんがお世話になっている街があったのだが「()()()」していたので人は少なかった。


だが、窓の外を見ると所狭しと往来に人がいっぱいだ。

過疎じゃない今の状況をギルドの皆にも見せたかったぜ。

ゲーム初期に初めてログインした時のような活気がこの街にはある。

いいね!

俺の中でテンションが上がっていく。


落ち着いた所で店内を見渡している。

あれは時計か?

確認すると12針の時計だった。

今は11時頃のようだ。


これも聞いてみるか?


お?

鏡もあるぞ!

さすが裁縫店、服を売っているだけはある。

鏡の前に立ち、写る自分の姿を見る。

黒髪、黒目の自分が写っている。


うわー、マジで記憶にある十五歳ぐらいの俺だ。


身長は165cmといった所だろう。

この頃からあんまり身長が伸びなかったんだよね。

前世と違いもっと伸びるかもしれない。

・・・これからに期待だね。


サイズを合わせてもらって服を選ぶ。


「最近は寒いですから、こちらの様な物は如何ですか?」


男性店員がグイグイ進めてくる。


フード付きで防寒で防水の毛皮のコート、羽付き帽子、チュニック、マフラー、手袋、布が厚めの長袖シャツ、内側に毛皮の付いている長ズボン、靴下と防水の皮のブーツ、等々。


勧められるままに買う。

着てみると、良い仕立てなのが分かる。

良いね!

流石の店員さん。


ピッタリじゃないか!


余計な物まで買ってしまいそうだ。

いや、買ってしまった。

まあ、良いか。


とりあえずは・・・こんな所かな?

特別価格で、全部で銀貨十枚でとの事。

まあ、相場なんか分からないので言いなりなんだけどね。

うーん、お金の価値が分からんな男性店員に聞いてみるかな?


【済みません、銅貨は何枚で銀貨になるんでしょうか?】


「・・・え?」

【・・・え?】


何故か気まずい空気が流れて来た。


「あんな上等な服を着ていたのに、貴族様ではないのですか?まさかとは思いますが、お金が無いんですか!?」


男性店員の様子が変わる。

どうしてそうなるんだ!?


【いやいや、お金はある、ホラ!ホラ!】


と、言って取り出した金貨を見せる。

あからさまに安心した表情になった男性店員さんに、そんな事も知らないのかというような顔をされた。

ぐぬぬ、良いじゃんかよ教えてくれたってさー。

これ以上変な客だと思われるのも嫌だったので、この質問は保留だ!


着ていたスーツと靴はいつか使うかもしれないのでバックパックにしまっておく。

高級品だしね。


うーん、これだと得をしたのか損をしたのか分からんね。

お金の価値の確認が第一だなあ。

代金を支払い、【ありがとう】。

そう言い残して店を出る。


「ありがとうございましたー。」


男性店員から声が掛かる。


カランコローン~♪


ドアを開けて外に出ると()()()っと寒風が吹いている。

店の中は暖かかったんだな。

歩きながら考える。

何度も思うがお金の確認は最優先だな。


無駄に使いたくないし、もしかしてだがボッタクられたりするのも気分の良い物ではない。

そうか、物価も知らないといけないな。

誰か教えてくれる人はいないだろうか?


そう思っていたのだが・・・良い匂いがする。

昼時なので辺りには色々と、美味そうな匂いが漂っている。

ちょうど腹が減ってた所だ。

腹に何か入れよう。

露店の様子を見ると、交渉をしている様子があちらこちらで窺える。


右の露店から声が聞こえる。


「これなら銭貨三枚だよ」


「高いよ。この質を見てみろ!どう考えても銭貨二枚だろう?」


周りでそんなやり取りが聞こえて来る。

ほうほう・・・成程成程、基本値切るのか。

値切らなかったが、さっき買った服は適正な値段だったのだろうか?

心配になるが買ってしまった物なのでしょうがない。


実際、値切った事なんか無いからね。


前世での20%引きの焼き鳥とかあった事を思い出す。

懐かしいな。


しかし『銭貨』は聞いた事が無いな?

とか思っていると左側の露店から威勢の良い声が聞こえる。


「肉串、一本銭貨三枚だよー!」


肉串とは焼き鳥みたいな物の事かな?

腹が減っているし試しに買ってみるか。

銭貨とやらの価値を実感させてもらおう。

初めての買い物にちょっと緊張する。


【店主、肉串を二本くれるかな?】


「あいよ!銭貨6枚だよー。」


愛想の良い店主とやり取りをする。


【それなら、4本買うのでオマケしてくれないかな?】


「ならオマケして銭貨11枚にするぜ、あんちゃん。」


【銭貨10枚にならないかな?】


初の値切り、銭貨の価値は分からないけれどもこのぐらいでどうだろうか?


「くっそ!兄ちゃん、負けたぜ!もってけ泥棒!」


してやられたぜ!

と、言う店主の視線を感じながら。


【支払いは銅貨からで大丈夫かな?】


と、店主に確認をする。


「ああん?おまけして銭貨10枚だ、それなら銅貨なら1枚だろう?」


ふむ、成程ね。


【そうでしたね、では銅貨1枚で。】


肉串が入った紙袋を受け取り銅貨を一枚渡す。


「まいどありー、また来てくれよ!」


威勢の良い声で挨拶が帰って来る。


【ありがとう!】


そう言って露店を後にする。

銭貨10枚で銅貨1枚らしい。

ふむ。

肉串を食べ歩きながら考える。


【モグモグ・・・焼き鳥だなこれ、ちなみに俺は『タレ派』なんだよね。】


残念ながら塩味しかなかった。

しかも薄い。

塩等の調味料は貴重なのかな?

まあ良い。

追々調べれば良いか。


これで銭貨と銅貨の価値は分かったしね。

金貨があるんだし他のお金の価値も気になるな。

1つは確認出来たがお金の価値の謎は深まるばかりだ。

早い所、調べて安心したい。


食べ終わると肉串が4本じゃもの足りないのか余計に腹が減った。

周りを見ると店の側にゴミ箱のような物が設置されていたので食べ終わったゴミを入れる。

ベンチに座り、辺りを見回して『銀行』か『両替商』があれば良いんだけどなあ、と考えていると、いきなり後ろから声を掛けられた。


「若旦那様、リンゴを買っては下さいませんか?」


と、声が聞こえるのだが、俺は簡単に後ろを取られた事に驚いている。

スリ対策に警戒はしていたつもりなんだけれどね。


振り向くと日本なら小学校の低学年ぐらいだろうか?


見た感じ七~八歳ぐらいの女の子がリンゴの籠を持っていて、こちらに差し出している。

身長は120cmぐらいだろうか?

あまり御飯を食べていないのか痩せている。

髪の毛は長い金髪を後ろで三つ編みにしていた。

腰ぐらいまであるかな?

整った顔立ちの女の子だ。

顔は煤けて頬がコケているが将来は美人さんだろうな。


なんか既視感を覚えるな・・・まぁ気のせいだろう。


目の色は空のような青色だが・・・。

なんだろう生気が感じられない目をしている。

そう。

目に光が無いのだ。

愛想も無いしこれでは売れる物も売れないだろうと思った。


籠の中の果物は俺の知っている果物のリンゴだった。

知っている物で良かった。

しかし状態があまり良く無いのか、ツヤも無くところどころ痛んで黒ずんでいる。

卸元が悪い物を持たせたのか、自分で取るには木が大きかったので落ちている実を拾った・・・そんな感じだろうか?


ボロを着て小汚い恰好をしている。

服が膝元まである厚手のワンピース?

の様な物に外套を掛けただけだ。

足元を見ると靴下も履いていなく、靴のみですごく寒そうだ。


後はしばらくお風呂に入って無いのだろうか。

ちょっと匂うような気がする。

この世界にはお風呂の文化は無いのかな?

良くある異世界物だと御風呂が高級品で貴族しか使えないとかで、一般人は水浴びとかだったかもしれない。


この時期に水なんか浴びたら風邪を引くこと間違いないだろう。


それに、女の子に対して匂いの話は完全に『アウト』だね。

流石に声には出さなかったが気を付けよう。


それにしてもこの子の保護者がいるのか気になるな。

籠を見ると売れているようには見えない個数が入っている。

ノルマがあったら大変だろうな・・・。

そう言えば、前世で営業部の中村君が月のノルマがとか・・・ブツブツ。


「あの?若旦那様?」


おっと長考してしまったようだ。


【おほんっ!】


と、咳払いをし妄想の世界から現実に戻ってくる。


ん?

良い事を思いついたぞ!

思い切ってお金の価値の事をこの子に聞いてみるかな。


【ん?俺の事かな?】


ベンチから立ち上がりその子に近づく。

女の子と視線を合わせる為に笑顔を作り屈む。


「はい、御一つ銭貨2枚なのです。いかがでしょうか?若旦那様。」


そう言えば、ずいぶん丁寧な口調の女の子だな。

そういう風に教育されているのだろうか?

自分が同じ年齢の頃はこんな口調は絶対出来なかっただろうな。

しかも若旦那様なんてくすぐったい。

あ、そう言えば俺の見た目は15歳なんだったっけ?


その女の子に言う。


【購入するので代わりに、ちょっと質問させてもらって良いかな?】


「私に答えられる事であれば・・・。」


少し警戒気味になる女の子。

俺は話を続ける。


【リンゴを3個買おう、そして支払いは銅貨だ。】


間髪を容れずに返事が来る。


「はい、銭貨4枚のお釣りですね。」


うん、やっぱりね。

商売をやってるから算数は出来るんだと思った。

お釣りの計算がすぐに出来るという事は基本は賢い子供なのだろう。


【そのお釣りで聞きたい事があるんだけど良いかな?】


目をパチパチさせて驚いているようだ。


「はい、お答え出来る事でしたら。」


しばらく固まっていた女の子から返事が返って来た。


【お金の価値を教えてほしいんだ。】


「え?」


女の子が防御の為だろうか片手を胸に持って行く。

変な質問だったのかな?

だがね、お金の事は是非聞きたい。


【ちょっと遠くから来てね。お金の価値が違うので分からないんだ。】


「そんなに遠くから、成程なのです。」


胸に当てた手を下ろし少しは安心のか、女の子は俺の苦しい言い訳を信じてくれたようだ。


【ちなみに銭貨十枚で銅貨一枚というのはちょっと前に分かったんだけどね。】


笑顔で人差し指を立ててみる。

女の子が微笑む。

態度から少し警戒心が薄れていくのが分かった。


「それ以外の価値ですね。」


【うん、そういう事。】


表情が少し柔らかくなった気がする。


「なら、「銀貨」までなら分かりますので教えるのです、いあ、ますです・・・。」


【頼むね。】


そう言って、名前を名乗っていない事を思い出した。


【俺の名前は『ヘファイストス』鍛冶師で行商人だ。長いから『ヘファ』で良いよ。よろしくね。】


商品は持って無いけれども、そういう設定にしておく。

名前はゲーム内でもそう呼ばれていたので同じにした。


「あ、はい。こちらこそよろしくお願いします。私は『アリス』と言うのです。」


アリスって言うのか可愛い名前じゃないか。

お互いの自己紹介が終わった所で。


「それでは、まず・・・。」


するとアリスは道の端にしゃがんで地面に絵を描き始める。


あれ?

字が書けないのかな?

あ!

もしかして識字率かな?

と、気づいた。

そして同じく屈んで絵を見ていると声がかかる。


「お?この寒空に勉強とは感心じゃのお。」


と、言うしゃがれた声が右手から聞こえて来た。

そちらを見ると顔の赤いお爺さんがいた。

なんか『雰囲気』のあるお爺さんだ。


「どれどれ、ふむ。」


そう言って話に加わる為に近づいて来た。

しかし、お爺さんモーレツに酒臭いな!

アリスは銀貨まで身振り手振りを交えて教えてくれた。

お爺さんも微笑んで見守っている。

残念ながら小金貨は見た事が無いという事でそこまでの説明となった。


「ならば、わしの出番じゃな。」


その後をお爺さんが引き継いで教えてくれた。

親切な人だ。

助かるね。

基本的な事なので頭の中でメモを取る。

アリスも聞き耳を立てている。


お爺さんの話だと小金貨、金貨、大金貨、白金貨、聖金貨と呼ばれる物まであるらしい。

聖金貨って何だよ?

記念金貨とかか?

御年輩のお爺さんも聖金貨は話でしか聞いた事が無いらしい。


白金貨は基本的に大きな取引で使われるらしい。

聖金貨ともなると美術品のような価値がある為、発行数も少ないのかもしれないとの事だった。


王都の大聖堂や偉い貴族様の家なんかに『ステイタス』として飾ってあるそうだ。

そんな物を飾ってあるのか?

セキュリティは大丈夫なのか、この世界と思ってしまう。


基本、聖金貨以上の取引は銀行で発行されている『小切手』を使うのだとか。

ほほーと感心してお爺さんの話を聞いていると、話し終えたお爺さんが「んー」と言って掌を俺の方へ差し出して来た。

何だろうと思ったら「授業料じゃ。」と言って銅貨1枚を請求された。

タダじゃねえのかよ、爺さん。

もうお爺さんとは言ってやらねえからな!


心の中でそう言っておく。


仕方なく銅貨1枚を渡す。

前世でもただより高い物は無いってことわざがあったから気を付けよう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

銭貨10枚=銅貨1枚

銅貨20枚=大銅貨1枚

大銅貨5枚=銀貨1枚

銅貨100枚=銀貨1枚

銀貨10枚=小金貨1枚

銀貨100枚=金貨1枚

小金貨10枚=金貨1枚

金貨10枚=大金貨1枚

大金貨10枚=白金貨1枚

金貨100枚=白金貨1枚

白金貨100枚=聖金貨1枚

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


アリスの話と爺さんの話を纏めるとこんな感じらしい。

成程ね。

白金貨とか異世界転生物を本を読んだ時に出て来たな。

聖金貨なんて聞いた事すらないよ。

この辺はゲームとずいぶん違うんだな。


異世界の金銭感覚、侮れないね。


アリスを見る。

このぐらいの子が働いているという事は算数はともかく、識字率には期待しない方が良いのかな?

その辺りのお店にも看板にだけ文字が表示してあるし張り紙等はほとんど無い。

アリスは地面に絵を描いていたし字を書いていなかった。

多分、学ぶ機会が無いのだろう。


もったいない。


【良く分かったよ、ありがとう。】


「お役に立てて良かったのです。」


アリスはニッコリと笑う。


「ほっほっほ、勉学は若いうちにしときな、なあ、あんちゃん。」


そう言い残して爺さんは北側の通りへ消えて行った。

どうやら金が手に入ったので酒でも飲みに行ったのだろう。

・・・長生きしろよ?


アリスの頭を撫でながら笑顔は年相応だなと思っていると、どこからか「ぐ~」と音が鳴る。

どうやらアリスの方から聞こえて来た様だ。

お腹の音かな?

お昼時で良い匂いもしているしね。


「あうぅ・・・。」


アリスの顔が熟れたトマトのように真っ赤になって涙目で俺を見上げてくる。

でも、アリスの目に光が戻って来たような気がする。

羞恥でも何でも良いけど初めて俺を『生きている目』で見てくれた気がする。

目が合うと恥ずかしかったのか俯く。


【じゃあリンゴを貰うね。】


銅貨を1枚渡す。


「あ、ありがとうございます、ヘファイストス様。」


リンゴをバックパックにしまう。

買ったリンゴはバックパックの実験で使わせてもらおう。


せっかくの可愛い情報源なので逃すのは惜しい。

提案をしてみる。


【そう言えば、俺も御腹が空いていたんだ。アリスは美味しいお店を知らないかな?】


「え!?」


【案内の報酬はお昼御飯だ!一緒に食べよう。】


「・・・あの、ヘファイストス様は、御昼に御飯を食べるのですか?」


アリスは驚いている。

ん?

御昼は食べないのか普通なのか?


そう言えば、昔の人は朝夕の2食だったとか何かの本で読んだ気がする。

基本的に昼御飯を食べないなら、ちょっと贅沢をさせて上げようと思う。

そう提案すると顔を暗くして言って来る。


「私だけ贅沢をするのは皆に悪いのです・・・。」


そう言って遠慮している。

ふむ、此処は押してみるか。


【ああ~丁度、御腹が空いたなぁ~。美味しい御飯が食べれる所は無いかなぁ~。】⦅チラッ⦆


芝居がかったようにチラっとアリスを見る。


【このままじゃ動けなくなりそうだなぁ~。どうしよう、誰か美味しい御飯を食べれるお店を知らないかなぁ~。⦅チラッ⦆


アリスはどうしようかとオロオロしている。

意地悪だったかな?


【遠慮しなくて良いよ。お昼御飯は美味しいお店の案内料だよ。】


そう言って笑顔を作る。


【後、宿屋とかも知らないかな?俺も聞きたい事があるからね。その対価だと思ってね。】


遠慮していたアリスだけど、頼み込むと根負けしたのだろう。


「はい、そういう事なら喜んで案内させて頂くのです!」


笑顔で快諾してくれたのだった。

上手く行って良かった。


アリスがニッコリと笑う。

うん、いい笑顔だ。

目にも少し光が戻って来た。


太陽を見上げると、丁度、昼御飯時なのか真上に近い所にあった。


服屋の時計は12針だったけれども、この世界の時間は前世の時間と同じで良いのだろうかと、ふと新たなる疑問が浮かんで来た。

ここまで読んで下さってありがとうございます。

次話でお会いしましょう。

お疲れ様です。


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― 新着の感想 ―
結婚式用の服を着ていたからと言っても、走り回って普段着に着替えるほどのことではないでしょう。結婚式用の服を着ていて何がそんなに不都合と思ったのかな?
[気になる点] …あれ?桔梗さんのスキル欄に鑑定が2つも記載されてますね 空欄は誤字報告できないので此方でお知らせしておきますね
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