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ガレイオン・ファドリアーーー2



「グハッ‼︎⁈」



ガレイオンは裕太に殴りつけられた衝撃で凄まじい速度で吹き飛ばされる。

 そのまま遙か後方まで飛んで行き、村のを隠す様に聳え立つ岩石に衝突する。



ガレイオンを中心に大きなクレーターが形成され、その威力も物語っている。

 普通の人間なら粉々になり跡形もろくに残らないだろう、しかしガレイオンも龍神の傷ついた魂を持つ端くれ、外形は殆ど留めていた、しかし内部は内臓や骨が粉砕されていた、口からは青色の血が絶え間なく溢れ出しそのダメージの大きさを物語っていた。



「ぐっ……ふ、ふざげぇやがってぇ……‼︎」



身体中からゴキゴキと言う骨と贓物がすり潰される様な音が鳴る、恐らく身体が急速に再生しているのだろう。

 この再生能力は吸い込んだ氷人族の魂を再生力に変えて回復しているものだ、そのため折角集めた魂を再生力に持ってかれるのは余りにも痛い。



「どうする? 逃げるか……?」



ガレイオンの脳裏には二つの選択肢が浮かんでいた、逃げるか、戦うかである。

 正直に言えば目の前の人間には勝てる気がしない、と言ってもガレイオンは所有する天龍の能力により5回、蘇る事ができる、だがしかしもうすでに残機は二つしか無いのだが。



「ここに無駄にするわけにはいかないからな、偉大なる龍王としては無しだが仕方がない、俺の神格化のためにもな……」



ガレイオンは自身の身体の再生がある程度回復した事を確認するとその場を立ち去ろうとする。




しかし、その目の前になんの前触れも無く裕太が現れる。



「転移魔法⁈ ウッソだろ、おまえ⁈」



裕太はガレイオンに掌をかざす。

 それと同時に裕太の掌から巨大な恒星の核の様な固まりを射出する。



それがガレイオンに着弾すると凄まじい爆発が起きる、それは村をすっぽり隠してしまうほどの巨大な岩石の下部を破壊し巻き上がった煙で隠されているもののうっすらと直径50メートル程度のクレーターが形成されているのがわかる。



「流石に死んだか……?」



裕太はガレイオンが恐らくは死んだだろうと判断する、あんなに巻き込まれて逆に生きている者の方が無いだろう。



「残念だったな、爪が甘いんだよ‼︎」



裕太はガレイオンが死んだと思い油断していた矢先、背後から声が聞こえる。

 瞬時に振り向けば左腕を欠損した満身創痍のガレイオンの姿だった。




ガレイオンは残った右腕で裕太を殴りつける。

 今度は不意を突いて殴ったからか確かな手応えを感じる。

 殴りつけられ数メートル吹き飛んだ裕太にガレイオンは追い討ちをかける様に接近し何度も踏みつけるつけるその尋常ならざる身体能力から繰り出される蹴りは、裕太を大地にめり込ませふきんの地形が変形するほどである。





誰が見ても死んだと思うだろう、しかしガレイオンは手を抜く気は無かった。



ガレイオンは龍の物に類似する翼を瞬時に背中に形成すると飛び立ち距離を取る。

 ガレイオンはそこに火系魔法における最高位の一つとされる〈超大火球アブソリュートファイヤーボール〉の詠唱を始める。

 〈超大火級アブソリュートファイヤーボール〉はその昔、ある大魔導士が迫りくる一千の軍勢を一撃で焼き払ったとさせる魔法である、流石のガレイオンもこの様な強大な魔法は一撃程度しか放てない、しかし目の前の男を殺すにはこのくらい必要だろうと考える。




程なくしてガレイオンからおおよそ火球とは呼ばぬ様な緑の火の塊が裕太放たれる、それが地面に垂れる直前に辺りに四散する。

 緑の炎は赤色に変わり、分裂し増殖をしているかの様に辺りに燃え広がっていく、辺り一面は火の海と化しその一部は100〜200mは離れているだろう、氷人族の村の一部にも燃え移る。



「まだ終わりじゃねぇんだよ‼︎」



ガレイオンのあたりに8つの魔法陣が出現し、そこから計8体の青い鱗を持つ龍が現れる。



「殺れ、喰い殺せ‼︎」



ガレイオンから命令を下されるとドラゴンは裕太がいる地点に降下して行った。



その瞬間、降下して行ったドラゴン達は真っ二つに切り裂かれる。

まるで雨の様にドラゴンの血液が大地に降り注ぎ火の勢いを弱めていく。



「なんだと⁈」



ガレイオンが裕太がいるだろう場所を見ると無傷の裕太の姿があった。



「あり得ない、この化物がっ‼︎」



ガレイオンも生きている事くらいの予想は出来たがまさか無傷であるとは思わず重傷は負わせられるだろうと考えていた、しかしその予想は大きく外れてしまう。



(どうする? 魔力ももう無い……だからと言い肉弾戦で勝てる相手でも無い、そして逃げる事も難しい……なら、やるしか無い)




ガレイオンは更に上空高くに飛び上がる。

 そして彼の周りに片方18、計36の魔法陣が出現する、そしてそこから36体のドラゴンが姿を現し、上空を覆い尽す。



「行くぞ‼︎」



ガレイオンはそう言うとドラゴンと共に裕太に向かい高速で降下してくる。

自信と36体のドラゴンの一斉降下攻撃なら攻めてもダメージを負わせられると考えられたのだろう。



しかしその瞬間、爆音と共にガレイオンの視界が暗転する。




裕太の放った爆裂魔法が炸裂したのだ、空を覆い尽くして居たドラゴンの軍勢は爆発により更に上書きする様に爆裂魔法が覆い尽した。

 しばらくすると散り散りになった鱗片やら肉片が空から降り注ぐ、暫くして視界が晴れるとそこにドラゴンの群れの姿はなく、高所特有の透明度の高い空が広がっていた。





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