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鍛冶師オルン・オルディナ





「オルン? いる?」



ミリスは石造りの平家の家の扉をノックする。



しばらくして一人の少女が家の中から姿を表す。



外観年齢はフェミルと同じかそれより少し上程度でそこそこの高身長、炎人族特有の赤く長い髪と緑眼を持っている。



「なんだ、フェミルか、そっちから訪ねてくるなんて珍しいな、それで後ろのお二人さんは?」


「旅の途中で知り合った友人、訳あって私の集落まで来ることになってる」


「成る程ね、それじゃあ自己紹介がいるみたいだな、オレの名前はオルン・オルディナ、このあたり1番の鍛冶師だ」



「私はミリス・アクルファ、よろしく」


「俺は裕太、よろしく頼む(まさかこんなところにまで来て俺っ娘に会えるだなんてな……)」



「それでフェミル一体何用だ、その勿体ぶった目つきは何かしら用がある時の目つきだし」


「うん、実は剣を一太刀打って欲しい」


「確か、フェミルって剣使わないはずなのに何に使うつもりなんだよ」


「いや、私用じゃなくて裕太用のやつ」




フェミルは裕太を指差す、オルンはそれを目で追い裕太を一瞥する。




「ふーん、まぁ友人の願いだし、そんくらいは格安で承らせて貰うけどさ、生憎鉄が取れなくてね」

「じゃあオリハルコンでもミスリルでもなんならヒヒイロカネでも良い」

「鉄がないんだから、希少金属のオリハルコンとかだなんてもっとある訳ないだろー」




オルンはミリスの頬っぺたをこれだから氷人族は、などと言いながらつねったり引っ張ったりする。



「とは言え、鉱物がふんだんに取れる山脈内を勢力下に置く炎人族が鉄不足になるなんてそんなことはありえない、そして普通に痛いからつねるのやめて欲しい」


「それがグロッグの連中が主要な坑道が広がる一帯を占領したんだよ、炎王が各集落に呼びかけて徴兵してるらしいからそのうち奪還できると思うけどオレらにしてみればとんだ迷惑だよ、仕事もできやしない」


「なぁグロッグってなんなんだ?」


「グロッグは岩石みたいな肌を持つ巨人族だよ、山脈の西側をグロッグが東側を炎人族って感じで勢力下に置いてるって訳だよ」





オルンとフェミルの話によるとこの山脈内部はグロッグと炎人族と言う主要な種族がに種族おり西側半分を岩石のような肌を持つ巨人族のグロッグ、反対側を炎人族が支配すると言う構図になっているらしい。



勿論グロッグは岩の様に硬い肌と巨人族特有の高い身体能力と3メートル近い巨体を持つが常に炎人族が勢力争いでは優位に立っていた。

 と言うのもグロッグは圧倒的に個体数が少ない、炎人族はこの山脈内部に3万人程度がいる、対するグロッグは総数は2000にも満たないほどだろう。




加えて技術力も炎人族は高度で鉄類の加工技術に関してはかのドワーフにも肩を並べる程である、しかしグロッグはその高い身体能力もあり、文化レベルは皆無と言っていいほど低い。



とは言え、グロッグの剣や炎を通さないその皮膚は厄介で炎人族も特殊な武器を使わなければ硬い皮膚の前に遮られかすり傷一つ与えることはできない。

 そのため炎人族達の間ではウォーハンマーの様な打撃系武器や火薬を詰めた鉄球などの兵器が特に発達しているらしい。




「でもオレの兄ちゃんに頼めばどうにかしてくれるかもしれないぞ、兄ちゃんはベルジュ工族の鍛冶長やってるから少しくらい貯蓄の鉄を分けてくれるかも知れないぞ」


「それは助かる、迷惑をかける」


「まぁオレもあんたにはだいぶ世話になってるからな、それくらいいくらでもいいよ、まぁそれはそれで置いといて裕太? だっけ、どんな剣がいいんだ?」


「どんな剣って……種類でも選べるってことか?」


「まぁ実物見た方が早いし立ち話もなんだ、とりあえずオレの家に入れよ」



そう言いオルンは家の中へと入って行った。


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