第十五話
大体、大まかに文章が書けるようになりましたので、多めに書く事が出来ました。
「…なるほどその人物が、華中会のボスだとはな。」
一応その事は報告しておいた方が良いだろうと思った。だから自分の席の向かいに机を合わせてる。というより、レフィーユ本人が自分で机を持ってきて勝手に向かい合わせて座っているのだが…。
「……。」
「な、何ですか、さっきから睨みつけて?」
「報告より、何か言う事はあると思うが?」
さっきからレフィーユは自分の周りの空気を歪めて、めっさ睨み付けてくれるおかげでこの場から逃げ出したい気分満々だった。
普段は騒がしい外野も、その闘気に気圧されているので、とても静かだった。
「確かに撒いたのは、悪いと思いますよ。
ですけどね、貴女がその場にいたら色々とマズイでしょう?」
外野に聞こえないトーンでレフィーユにそう取り繕うが、そのままのさらに向き直り睨んで言う。
「確かにその通りだ。
私にしろ、最初は見送りにと出向いたのだからな。
だがな問題は、お前の尾行の撒き方だ。」
「ああ、あれですか…」
確かに悪いなと思い当たる節があった。
「街中に入ったと思ったら、いきなり変身解いて。
何が『あっ、レフィーユさんですよね。』だ。
おかげで街中が大混雑してしまったじゃないか。」
「いやー、あの時のレフィーユさん私服でしたから、『パトロール中だ。』って言っても、説得力ありませんでしたね。」
「笑い事と思うか?」
「目が怖いのですことよ。
大体、見送りくらい堂々とやってくださいよ。」
「私とお前の関係がバレると不味いのだろう?」
「そこだけ基本設定に準拠ですか、
じゃあ外出前くらいにすませてくださいよ。」
「そうだな、だが昨日どこから外に出た。
私は玄関で待っていたというのに?」
「…ええと、あの時は自販機の下にある床下からでしたね。」
「普通に玄関から出て行かない人物をどうやって出会えというのだ。
大体、そのメイだったか?
私が休日がないくらい忙しいの時に、女と食事とはいいご身分じゃないか?」
「でしたら休みを取ってくださいよ。
働き詰めは、身体と美容によくありませんよ…?」
…何でだろうな、この一言がとても言ってはいけないような気がした。
「そういえば、久々の休日にお前は…。」
彼女も、その一言を待っていたように笑顔で自分の目を見つめて、ゆっくりと静かに小さな声で言う。
「…私の下着姿、見ただろう?」
「…み、見てませんよ。」
「私としては忘れる事にしようと思ったのだが、『何故か』気になったのでな。
周りの人を利用して再現してもいいか?」
「それで、もし見たと立証されたら?」
「そうなったら、私のもう少し声が大きくなって立証された事をお前に問い詰めるだろうな。」
なおも笑顔で『再現』させようと立ち上がるレフィーユを止める為に…。
―まんまとレフィーユの休日に市内観光に借り出されたワケだった。
「いやー、レフィーユさん。
貴女は成績優秀で、まあ数々の事件を解決させる能力は見上げたモノです。
ですけど、足りないモノが一つだけあります…」
『ガヤガヤ…』
「有名人としての自覚か?」
待ち合わせてレフィーユと待ち合わせた途端、あっという間に人だかりが出来た。
「どうだ、こんな人だかりの中の中心に立った気分は?」
「知りませんよ。」
サングラスかけるなり帽子を被るという考えはこの人は持たないのだろう。
堂々としていたが、正直自分は慣れていないので…。
「こんな状態で移動とかどうやるのです?」
そんな事を聞いていた。
「ああ、それならこうするんだ。」
『すまない通してくれ』と、まるで除雪作業のように人ごみを掻き分けて進んで行くレフィーユ。
「もしかして、この状況慣れてます?」
自分もそれに習って、彼女の隣に立って掻き分けながら思わず聞いてみた。
「普段は、っと、自家用車で行くのだが。
店の中に入るといつもこんな感じなのでな、さすがに慣れてしまったな。」
「そっ、そうですか、あっ、ユカリだ。」
「あのビルの隙間だな、手を振るなよ。
雪崩に飲まれるぞ?」
「振りませんよ、何だか睨みつけているじゃないですか。
さっきから彼女の視線で軽く顔の辺りが痛いのですが、気のせいですかね?」
「気のせいだろう、取りあえず、この騒ぎは周りの迷惑になる。
早く行かないか?」
そう言って、尚も進む除雪車 レフィーユ号。
こっちは『ブロウ』や『視線』で半ば傷つきながら、今日の目的を聞いた。
「そうですね。
何か必要なモノとかありますか?」
「家電は一通り揃ってるかな。
だったら、手軽なテーブルのあるインテリアショップを紹介してほしいのだが。」
「でしたら、そのまま次の信号まで直進して角の店ですよ。」
「わかった、じゃあ行こうか。」
「あっ、今ですね。噂の二人が、やっと付いた模様です。」
レフィーユの了解を得て、普段5分ですむ道を進む事15分強ほど泳いでいると、目当てのインテリアショップの店の前でマスコミにインタビューを受ける。
どうやらマスコミが出向く程の騒ぎになっていたようだ。
「あのレフィーユさん、今日の外出はどのようなご用件ですか?」
「手軽なテーブルを買おうと出向いたまでだ。」
「なるほど、ではこの噂の彼が見立てたテーブルを買うわけですね。
でわ、噂の彼に聞いてみたいと思います。
どのようなテーブルが、レフィーユさんに相応しいと思いますか?」
「さっ、さあ、どんなテーブルがあるかわかりませんから、とりあえず入ってから決めます。」
「おおっと、みなさまお聞きになったでしょうか、おそらく出会った商品の中で彼女にあったモノを探してみせるという何という自信でしょう。」
市内の人だかりに聞こえるよう声高々にいうインタビュア。
「早く入りませんか?
これ以上、ここにいたらホントに身動き取れなくなりますよ?」
「あっ、私たちも一緒に行ってもよろしいでしょうか?」
自分の発言のせいか、人だかりが更に増えたので、避難の意を込めていうとレフィーユもそれに賛成してくれたので、さっさと入ってしまおうとすると、インタビュアが断っても付いて来るのを前提としてそんな事を聞いてきた。
「行きましょう。」
「おお、あのレフィーユさんの手を握って、今、店の中に入ろうとしております。
私たちも付いて行って見ましょう。」
まるで誰かの隣の朝ごはんだ。
やっぱり付いて来るので、少し妨害をしてやる事にした。
「あっ、あれ。」
ドアが急に開かなくなる。
「おみごと。」
「初めてですよ。
昼間の市内で『闇』を使うなんて。」
小声でそんな事を話していると、バンバンと音が聞こえた。
ドアを開けようとするインタビュアを見て、当然、店員に『開けようとしないでくださいね』と断りをいれた。
「はははは、はい、判りました。」
「店員さん?」
「すすすすす、すいません。
レレレレレレ、レフィーユさんがこんな店に来られる何て、おもおも、思いもしませんでしたから、テテテテテ、テーブルですね。」
ガチガチに緊張した声で案内されたが、これで気軽に品定めが出来ると半ば安心したが、薄暗かったブラインドがとても気になったので少し隙間を覗いてみると
…そこには、たくさんの目がありました。
「圧巻だな。」
「…昔、町中がゾンビだらけになって、ガンショップに逃げ込むゾンビゲームあったの知ってます?」
「ああ、確か店員がやられた近くを調べると男だったらショットガン、女だったらボーガンが手に入るヤツだな。」
「よく知ってますね。」
「妹が、その手のゲームが好きでな。
気持ち悪いから、とっととブラインドを閉めて…」
ミシッ…
「…レフィーユさん、別の店にしませんか?」
「…奇遇だな、私もそう思った。
店員、裏口どこだ?」
「えええ、もうお帰りですか?」
「おそらくこの場に自分たちがいるせいで、お店に迷惑が掛かると思うので裏口から出て他を当たりますよ。」
「そういう事だ。すまないな。
もしあの窓が破れる事態になったら、弁償は先に破ったヤツに請求すればいい。」
「すいませんね、じゃあコレをください。」
一応、冷やかしのつもりで来たのでは格好が付かなかったので、伊達眼鏡と帽子も売ってあったのでそれを買って裏口へ足を運んだ。